屋根材の種類と選び方を詳しく解説!リフォーム時のポイント
「屋根リフォームを検討しているけれど、種類が多くて選び方が分からない…」
「できるだけ耐久性が高く、メンテナンスの手間が少ない屋根にしたい!」
そんなお悩みをお持ちの方へ、各屋根材の特長やメリット・デメリットを分かりやすくまとめました。一般的に価格が高い屋根材ほど耐用年数は長くなりますが、どんな屋根でも定期的なメンテナンスは欠かせません。
屋根のリフォームや新築をご検討の際に、ぜひ参考にしてください。
メリット |
・高い耐久性を持ち、長期間にわたって使用可能。 ・断熱性能に優れ、夏は涼しく冬は暖かい。 |
デメリット |
・他の屋根材に比べて重量があり、建物の耐震性に影響を与えることがある。 ・初期費用が比較的高い。 |
耐用年数 |
約50年以上(釉薬瓦) |
メリット |
・施工がしやすく、コストを抑えた工事が可能。 ・デザインのバリエーションが豊富。 |
デメリット |
・定期的な塗装メンテナンスが必要で、経年劣化による色褪せや苔の発生が見られることがある。 |
耐用年数 |
約20~30年 |
メリット |
・非常に軽量で、耐震性の向上に貢献。 ・防水性に優れ、雨仕舞がしやすい。 |
デメリット |
・断熱性能や遮音性が低いため、適切な対策が必要。 |
耐用年数 |
約30~40年 |
メリット |
・軽量で、柔軟性があり割れにくい。 ・デザイン性が高く、個性的な外観を実現できる。 |
デメリット |
・施工できる業者が限られており、対応できる職人が少ない。 |
耐用年数 |
約25~30年 |
メリット |
・軽量ながらも高い耐久性を持ち、寿命が長い。 ・屋根材表面の石粒加工により、遮音性やデザイン性が向上している。 |
デメリット |
・材料費・施工費ともに高額になりやすい。 |
耐用年数 |
約30~40年 |
メリット |
・瓦の風格あるデザインを維持しつつ、重量は従来の瓦の半分以下と軽量。 ・耐久性が高く、メンテナンスの手間が少ない。 |
デメリット |
・初期コストが高めで、一般的なスレート屋根などと比べると導入費用がかかる。 |
耐用年数 |
約30~40年 |

※比較は目安です。気候や環境などによって変わります。

※比較は目安です。材料や施工方法などによって変わります。
和瓦とは、古くから日本の建築に用いられてきた屋根材で、釉薬瓦・いぶし瓦・無釉薬瓦などの種類があります。
スレート屋根や金属屋根の普及により使用される機会は減りましたが、その重厚感や高級感のある風合いは、今もなお根強い人気を誇ります。
和瓦は重量があるため、リフォームで採用されることが少なくなりつつあります。
しかし、土葺き工法の瓦屋根であれば、土を使わない瓦桟工法に葺き替えるだけで、屋根全体の重量を約30~35%軽減できます。
また、近年では地震や強風時に瓦のズレや飛散を防ぐ「
防災瓦」や、軽量化された「
軽量瓦」も登場しています。
「屋根をリフォームしても瓦の美しさを残したい」という方は、ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。
瓦そのものは耐久性が高く、破損しなければ長期間使用できる優れた屋根材です。しかし、屋根の安全性を維持するためには定期的な点検とメンテナンスが必要です。
特に注意すべきポイントは以下の通りです。
棟(むね)部分の歪み
漆喰(しっくい)の剥がれ・劣化
谷板金の錆びや腐食
10年・20年ごとの定期点検や、大きな台風・地震の後には目視で状態を確認し、異常があれば早めに専門業者へご相談ください。
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長年使用した瓦屋根は、地震や台風による被害を受けやすくなります。大規模な災害が発生する前に、安全性を高めるための屋根の葺き替えをご検討ください。
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スレート屋根は、大量生産が可能でコストを抑えやすく、さらに軽量であることから、瓦に代わる主流の屋根材として広く普及しています。
「化粧スレート」「コロニアル」「カラーベスト」といった名称で呼ばれることもあり、多くの住宅で採用されています。
スレート屋根は導入コストを抑えたい方に最適な選択肢です。
瓦屋根と比較すると重量が約3分の1程度と軽く、耐震性向上を目的としたリフォームにも向いています。
現在スレート屋根をご使用の場合は、屋根カバー工法を検討するのも一つの方法です。この工法では、既存の屋根を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねるため、廃材処理費用を抑えられ、工期も短縮できます。
特に、
アスベストを含むスレート屋根を取り外さずにリフォームしたい方にはおすすめです。
築15年ほど経過すると、屋根表面の色褪せや苔・藻の発生が目立つようになります。これは塗膜の劣化によって防水性能が低下しているサインです。この状態が進行すると、雨水を吸収しやすくなり、ひび割れや欠損の原因となります。
10年を目安に塗装メンテナンスを検討し、定期的に防水機能を維持しましょう。
また、屋根の頂部を保護する棟板金が、経年劣化によって浮きや錆びが発生することがあります。強風で飛ばされるリスクもあるため、定期的な点検を行い、異常があれば早めに補修することが重要です。
近年、金属屋根の主流として広く採用されているのが「ガルバリウム鋼板」です。この素材は亜鉛・アルミニウム・シリコンでメッキ加工された鋼板で、従来のトタンに比べ約4倍の耐食性を持つため、長期間にわたって劣化しにくいのが特徴です。
さらに、ガルバリウム鋼板を進化させたエスジーエル(SGL)鋼板も登場しており、より高い耐久性と防錆性能を備えた金属屋根材として注目されています。
金属屋根の最大のメリットはその軽さです。特に日本では地震が多発するため、住宅の耐震性を高めることが重要視されています。軽量な屋根材は建物の重心を下げ、耐震性の向上に貢献するため、安全面を考慮して金属屋根を選ぶ方も増えています。
また、落下リスクが低く、耐風性にも優れているため、自然災害への対策としても適した屋根材です。
金属屋根の施工方法には、大きく分けて「縦葺き」と「横葺き」の2種類があります。
■縦葺き
屋根の
棟から軒先に向かって一枚の板金で仕上げる施工方法で、「立平葺き」が代表的です。
雨水の流れに沿って継ぎ目がないため、排水性が高く、雨漏りのリスクが低いという特徴があります。特に屋根の傾斜が緩い建物にも適しています。
金属屋根は断熱性や遮音性が低いとされることがありますが、必要に応じて断熱材を組み込むことで快適性を向上させることが可能です。
■横葺き
ガルバリウム鋼板を使用した屋根材には横葺き専用の商品もあります。
例えば、
・アイジー工業の「スーパーガルテクト」
・ニチハの「横暖ルーフ」
といった製品は、
断熱材一体型で高い断熱性を持ち、見た目も金属らしさを感じさせないデザインが人気です。
横葺きは縦葺きと比べると価格がやや高めですが、その分、意匠性や断熱性能に優れているため、美観を重視する場合に適しています。
ガルバリウム鋼板やSGL鋼板は耐久性が高いものの、金属であるため錆びには注意が必要です。表面の塗装が劣化すると防錆効果が薄れるため、錆びが発生する前に塗装メンテナンスを行うことが理想的です。
また、台風や強風の後には、屋根の状態を点検しましょう。特に以下のような症状がないか確認することが大切です。
棟板金の浮きや剥がれ
屋根材の浮き・ズレ・めくれ
これらの異常が見つかった場合は、放置すると雨漏りや飛散事故につながる恐れがあるため、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
アスファルトを含浸させたフェルトを基材とし、さらに表面に細かい石粒を付着させた屋根材です。
軽量かつ柔軟性があるため、複雑な形状の屋根にも施工しやすいのが魅力です。
発祥は北欧とされ、特にアメリカでは住宅の屋根の約8割に採用されるほど広く普及しています。
また、独特な石粒のグラデーションが美しい仕上がりを演出し、洋風デザインの建物によく調和します。
日本国内ではまだ採用例が少ないため、施工を検討される際は経験豊富な業者に依頼することが重要です。
デザイン性に優れ、おしゃれな屋根を希望する方に適した屋根材です。
さらに、非常に軽いため、瓦やスレートから軽量な屋根材に変更したい方や、屋根カバー工法を検討されている方にもおすすめです。
薄く柔軟な屋根材であるため、経年劣化や外部からの衝撃によって破損や剥がれが生じる可能性があります。
また、強風時に屋根材が浮き上がるリスクもあるため、定期的な点検と必要に応じた補修を行うことが大切です。
さらに、表面の石粒が経年とともに剥がれていく点にも注意が必要です。
施工後の数か月間は自然と石粒が落ちますが、時間が経つと劣化による剥離が進み、屋根材としての機能が低下してしまいます。
早めの点検・対策が長持ちの秘訣です。
金属の基板に細かな石粒を付着させた屋根材です。
主にガルバリウム鋼板と類似したメッキ組成を持つ「ジンカリウム鋼板」が使用されることが多く、これが「ジンカリウム鋼板屋根」と呼ばれることもあります。
金属屋根でありながら、石粒による風合いでナチュラルな外観を演出できるのが特徴です。
また、石粒が雨音や熱の伝導を抑えるため、一般的な金属屋根に比べて遮音性・断熱性に優れています。
さらに、金属部分が直接外気にさらされにくいため、耐久性が高く、塗装のメンテナンスが不要というメリットもあります。
初期費用は高めですが、メンテナンスコストを抑えられるため、長期的にはコストパフォーマンスの良い屋根材といえます。
アスファルトシングル同様に、経年劣化によって石粒が剥がれることがあります。
この状態が進行すると基材の金属がむき出しになり、錆の発生につながるため注意が必要です。
また、台風や強風時に飛来物が当たって傷がついた場合も、同様に錆のリスクがあるため、定期的な点検を行いましょう。
特に棟板金部分は劣化しやすい箇所のため、専門業者による点検・補修をおすすめします。
樹脂繊維などを配合したセメント製の瓦で、伝統的な和瓦の風合いを持ちながら、重量は約半分以下という点が大きな特長です。
代表的な製品には、ケイミューの「ROOGA」や富士スレートの「エアルーフ」などがあります。
「瓦の重厚な見た目が好きだけど、軽量な屋根材を選びたい」という方に最適です。
また、一般的な瓦に比べて割れにくく、施工時には1枚ずつ釘で固定するため、台風や地震の際に飛散や落下しにくいという安全性の高さも魅力です。
初期費用はやや高めですが、耐用年数が30年以上と長く、耐久性の面でも非常に優れています。
ハイブリッド瓦は、耐久性が高いため、約30年間は再塗装の必要がほとんどないとされています。
ただし、強風時の飛来物などによって破損することもあるため、定期的な点検を実施し、必要に応じて補修を行うことが大切です。
長期的に美観と機能を維持するためにも、専門業者による点検・メンテナンスをおすすめします。
屋根の傾斜がほとんどなく、
フラットな形状をした屋根のことを陸屋根(ろくやね)と呼びます。
多くの場合、
屋上スペースとして活用されることが特徴です。
雨水が溜まりやすいため、
防水処理が必須となっており、以下のような防水工法が用いられます。
・シート防水(塩ビ系) … 約10~15年
・ウレタン防水 … 約10~14年
・FRP防水(繊維強化プラスチック) … 約12~20年
・アスファルト防水 … 約15~25年
勾配のある屋根とは異なり、水が流れにくいため、防水層の劣化には特に注意が必要です。
鉄筋コンクリート造(RC造)であっても、防水が傷むと雨漏りが発生し、建物に深刻な影響を与えることがあります。
メンテナンスでは、以下のポイントをチェックしましょう。
防水層にひび割れ・剥がれがないか
排水口が詰まっていないか、水はけが悪くなっていないか
パラペットや笠木(屋根の端部)の劣化が進行していないか
定期的な点検が必要ですが、屋上に上がるのが難しい場合は、専門業者に点検を依頼するのが安心です。
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屋上防水の種類と選び方
工場や倉庫では、建物の用途に適した専用の屋根材が使用されています。
1枚の金属板を台形状に成形した屋根で、工場や倉庫に最も多く採用されています。
折り曲げ加工により強度が高く、軽量で耐久性に優れており、継ぎ目が少なく、水はけが良いため、雨漏りしにくい構造となっています。
錆の発生やボルト部分の劣化が原因で雨漏りすることがあるため、定期的な点検と適切なメンテナンスを行いましょう。
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折板屋根の劣化状況に応じた改修方法を徹底解説。塗装・カバー工法・張り替えのそれぞれの施工ケースと最適なタイミングについて詳しくご紹介します。
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折板屋根のリフォーム方法
セメントを主成分とし、波状に成形された屋根材です。
耐久性が高く、不燃性・遮音性に優れており、金属屋根に比べて熱を伝えにくく、工場や倉庫内の温度上昇を抑える効果も期待できます。
2004年以前に製造された波形スレートにはアスベストが含まれている可能性があるため、改修時には注意が必要です。
解体せずに上から新しい屋根材を被せる「屋根カバー工法」が、コストや安全面で優れた選択肢となる場合が多いです。
屋根の状態に不安がある場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。
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大波・小波スレートは長期間メンテナンスされていないケースが多く見られます。劣化の進行を防ぐための適切な改修方法について詳しく解説します。
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波スレートのメンテナンスと補修方法
屋根のリフォーム方法には、「屋根葺き替え」と「屋根カバー工法」の2種類があり、それぞれに特長があります。
既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に張り替える工事です。
屋根の下地(野地板)を補修・補強できるため、特に築年数が経過した建物や、雨漏りによる腐食が進んでいる屋根には最適な方法です。
また、瓦屋根の場合はカバー工法が適用できないため、葺き替えが必要になります。
ただし、新しい屋根材は、現在のものより軽量なものを選ぶことが一般的です。
屋根カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
従来の屋根を撤去する必要がないため、工事にかかる時間を短縮できるうえ、解体費用や廃材の処分費を抑えることができます。
また、この工法は建物への負担が少なく、騒音や振動も最小限に抑えられるため、居住しながらの施工がしやすいのも特徴です。
さらに、屋根が二重構造になることで、断熱性や遮音性の向上が期待できます。
新しく設置する屋根材には、建物への負担を軽減するために軽量なものが選ばれることが多いです。
屋根のリフォームを検討する際には、以下の点を考慮することが重要です。
屋根のデザインや仕上がりの見た目
施工費用と予算
耐震性・耐風性などの安全性
耐用年数(屋根の寿命)
将来のメンテナンスコスト
さらに、「今後どのくらい住むのか」「お子様に家を引き継ぐ予定があるか」など、ライフプランに合わせた選択も重要です。
「こんな屋根にしたい!」というご希望があれば、ぜひ街の屋根やさんにお聞かせください。
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