ガルバリウム鋼板屋根の塗装メンテナンスは出来る?塗装に関するポイント・塗装時期について解説!
ガルバリウム鋼板製の屋根材は、メンテナンスが不要だとお考えでないでしょうか?
「新しくガルバリウム鋼板製の屋根材してから10年以上経ちましたが、塗装などのメンテナンスは不要なのでしょうか?」とお考えの方も多いのかもしれません。
確かに他の屋根材と比較して、ガルバリウム鋼板の屋根は耐久性に優れており、長持ちします。
しかし、ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーというわけではなく、塗装を行うことで安心して長期間使用できる素材です。
今回は、ガルバリウム鋼板のお手入れに困っている方や、新規の建材にガルバリウム鋼板をご検討されている方々に向け、塗装やメンテナンスのポイントについて解説いたします。
近ごろ、屋根材を選ぶ際の重要な要素として上げられるのが、長寿命で高い耐久性と、軽量化による耐震性です。ガルバリウム鋼板は、その優れた耐久性と地震が頻繁に起こる日本に適した軽量性が注目を集め、屋根材や外壁材としてますますシェアを広げています。
優れた耐久性を持つガルバリウム鋼板ですが、長期の耐用年数があると言っても、手入れ不要(メンテナンスフリー)というわけではありません。
ガルバリウム鋼板も本質的には鉄(鋼板)であり、優れたアルミニウムなどのめっきによって保護されている為、簡単に錆が発生したり穴が開いたりすることありませんが、経年による劣化は避けられません。
錆びにくい特性は備わっていますが、完全に錆びないわけではない為、注意が必要です。
その為、他の屋根材と同様に塗装メンテナンスが必要です。
塗装を施すことでめっき加工された表面を保護します。錆の原因となる鉄部分まで水分が浸透することを防止し、屋根材を守ります。
ガルバリウム鋼板も決して万能という訳はありません。錆の発生を防止する為、塗装メンテナンスが必要です。
それでは、次にガルバリウム鋼板の塗装メンテナンス時期の目安をご紹介致します。
一般的に15年程度が目安であると各メーカーは推奨しています。
しかし、塩害の影響を受けてしまう海沿いのお住まいなど周囲の環境により変動致しますので、10~15年と考えておきましょう。
ガルバリウム鋼板製屋根材「スーパーガルテクト」を提供しているアイジー工業株式会社が推奨するメンテナンススケジュールでは、一般的なガルバリウム鋼板で製造された「スーパーガルテクト」の場合で15年、フッ素を塗膜に使用した「スーパーガルテクトフッ素」の場合で20年で最初の塗装メンテナンスの必要時期となります。そして、約30年以上が経過すると、耐用年数が経過し屋根材の張り替えが必要になってきます。
製品の保証期間を見てみますと、スーパーガルテクトは塗膜15年・赤錆20年・穴あき25年となっており、フッ素タイプに関しては塗膜の変褪色の保証が20年となっています。
上記は、あくまで保証期間である為、保証期間を迎えたからと言ってすぐに使用できなくなるわけではありませんが、塗膜が保証されている15年や20年を目安に塗装メンテナンスが推奨されています。
※スーパーガルテクトの基盤には、正確には「エスジーエル(SGL)」が使われています。
SGLは、ガルバリウム鋼板のめっきにマグネシウムを2%付加したことでより優れた耐久性を持ちます。
⇒エスジーエルについてもっと詳しく
また、最低でも5年~10年に一度は詳細な点検を業者に依頼し、簡単な定期点検も年に1回は行うようにしましょう。
ガルバリウム鋼板は、耐久性に優れ、長期の耐用年数をもつ非常に優れた素材です。しかし、万能という訳では無く、メンテンナンスが全く必要ないわけではありません。
ガルバリウム鋼板の屋根塗装メンテンナンスは、約15年を目安に実施しましょう。
※メンテナンスのタイミングは、劣化状況・使用している材料・お住まいの環境により変動いたします。
ガルバリウム鋼板屋根の塗装時期は、「15年程度」とお伝え致しましたが、この年数はあくまでメーカーが推奨している目安です。
お住まいの立地条件や環境・機構によっても塗装時期は変動しますので、ご注意ください。
また、下記の様な劣化症状の発生は塗膜の劣化が進行しているサインとなりますので、詳しくご紹介致します。
色褪せて見える
劣化症状の中で一番最初に現れるのが光沢の低下です。光沢の低下やくすみを感じるようになったら、徐々に塗膜の劣化が進行してきている状態となります。光沢が無くなってしまいますと色調が変わり、色が変わったようにも見えてきます。
ガルバリウム鋼板屋根が白っぽくなってきたと感じたら、塗装が必要なほど塗膜が劣化しているサインとなりますので、塗装のタイミングとなります。(屋根を指で擦るとチョーキング現象(白亜化)により塗料内の顔料が分解された白い粉が付着します。)
苔・カビの繁殖
ガルバリウム鋼板屋根材の表面に苔・カビが繁殖している場合、塗膜の劣化がかなり進行している状態と言えます。苔が繁殖している状態は、塗膜の保護効果が無くっている事で、雨によって流れ落ちるはずが、落ちずに屋根上に滞留している事を意味します。
また、塗膜の劣化はその下層にあるめっき鋼板の劣化にも繋がり、錆に発生リスクも高めます。塗装メンテナンスによる撥水性を復活させる必要があります。
錆の発生
錆には白錆・赤錆の2種類があり、ガルバリウム鋼板の亜鉛めっきが変化したものが白錆です。初期症状では白っぽい色の錆が徐々に増加していきます。めっきの機能が低下しているサインとなりますが、白錆のみであれば大きな問題にはなりません。
めっきの効力が無くなり、鋼板まで劣化が進行する事で発生するのが赤錆です。
放置してしまいますと赤錆が広がってしまいますので、早期に塗装メンテナンスを検討しましょう。この状態が悪化してしまいますと、屋根材としての機能を失い、張替えが必要になる場合もあります。
実は、ガルバリウム鋼板の屋根塗装は塗装のプロである専門業者であっても非常に難しく豊富な知識・経験が必要です。
ガルバリウム鋼板の表面はツルツルと滑らかである為、汚損が付着しにくく錆の発生・劣化が起こりにくいメリットがあります。しかし、それは同時に塗料を弾きやすくする為、塗装の難易度を上げる原因となっています。
アルミ製のサッシ・フェンスに塗装を施す方が少数なのは、同様の理由により素材表面が塗装をはじいてしまう為、塗装が難しいからです。
塗装作業に大切なケレン
それでは、どの様な塗装方法が最適なのでしょうか。
まず最初に、高圧洗浄により全体の汚れ・苔を洗浄します。
続いて、ケレン(下地処理)により既存の劣化した塗膜・錆を取り除きます。せっかく塗装を施しても錆・汚れが残ったままでは徐々に剥がれてきてしまいます。その為、ケレン作業が最も重要な工程です。
また、ケレン作業はガルバリウム鋼板の表面に細かい傷をつける目荒しをする目的もあり、こうする事で新規に施す塗料の密着度を向上させる効果にも期待できます。
こうしたケレン作業の重要性をしっかりと認識している業者へ依頼する事が塗装メンテナンスを成功させる上で非常に重要です。
不純物をしっかりと除去した後は、ガルバリウム鋼板にマッチした錆止め効果を持つ下塗り剤(プライマー)を塗布します。
下塗り完了後、中塗り・上塗りと塗装を仕上げます。
ガルバリウム鋼板の塗装は難易度が高い為、知識・経験が乏しい業者へ依頼してしまいますと失敗の原因となります。せっかく高性能・多機能のグレードの高い塗料を使用しても、経験の乏しい業者が塗装する事で数年も持たず剥がれが発生してしまう可能性があります。決っして安くない費用を掛けたのにも関わらず、数年で剥がれが発生しては、無駄になってしまいます。
その為、ガルバリウム鋼板の塗装は知識・経験ともに豊富な業者へ依頼されることが非常に重要です。業者のホームページなどにより過去の実績を確認してみるのも良い選定方法です。
施工事例:ガルバリウム鋼板屋根の塗装
築年数 約20年 工事費用 屋根塗装・アンテナ撤去併せて約53万円
築20年程のお住まいのガルバリウム鋼板屋根です。色褪せも見られ、端部分には錆の発生も確認出来ます。さらに金属製の雪止め・太陽光パネルで発生した錆が流れ出たことで、もらい錆もある状態でした。防水機能が低下している状態の為、腐食がこれ以上進行する前に塗装出来たことは、不幸中の幸いでした。
洗浄・ケレン作業の完了後、金属専用の下塗り塗料を用いて「下塗り」を実施しました。防錆の効果を持ち、塗料との密着性を高める働きがあります。
可能な限り高耐久な塗料をご要望でしたので、屋根専用のフッ素塗料をご提案させて頂きました。細かい箇所は刷毛を使用し、広い面はローラーを使って塗布していきます。
写真の様に塗装工事が完了いたしました。
錆も無くなり、艶を取り戻したことでお客さまにも大変お喜び頂けました。
ガルバリウム鋼板とは、鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンからなるめっきを施した建材です。鋼板は鉄である為、そのままの状態では錆に弱いですが、アルミニウム・亜鉛でめっきする事で優れた耐久性を備えます。
長期の耐用年数を持っている為、近年ではリフォームや新築の注文住宅でも採用されることが多いです。デザインの好みは人それぞれですが、シンプルでスタイリッシュな見た目は年代問わず人気があります。
日本の建築物で昔から使用されてきた「日本瓦」は、風格があり伝統的な景観を演出し、耐久性の面では屋根材の中でも最も優れています。しかし、屋根材の重さの面では、1㎡あたり50Kgの重量があります。その一方でガルバリウム鋼板は、1㎡あたり5Kgと日本瓦の約10分の1です。
また、一般住宅に頻繁に使用されるスレート屋根材は屋根材の中でも軽量ではありますが、定期的な塗装メンテナンスなどを実施したとしても耐用年数は約20年~30年です。一方でガルバリウム鋼板製の屋根材「スーパーガルテクト」の張り替えが推奨されるは、30年~です。
上記のように、現在までに使われてきた屋根材の特徴を改めて確認しますと、ガルバリウム鋼板屋根材は耐久性・耐震性をバランスよく兼ね備えた優れた屋根材であることが分かります。日本瓦からの葺き替えやスレート屋根のカバー工法に最も適している屋根材です。
ガルバリウム鋼板製屋根を長期間ご使用いただく為のメンテナンスは、塗装だけに限りません。以下に、ガルバリウム鋼板製屋根に必要なメンテナンス方法をご紹介致します。
傷が発生したら早期に補修
耐久性に優れたガルバリウム鋼板ですが、「傷」はガルバリウム鋼板の大きな弱点です。飛来物の落下などにより傷が発生してしまいますと、塗膜が剥がれてしまい、その傷から錆が発生して周囲に広がっていく恐れがあります。
屋根の傷は、ご自身で発見するのは困難である為、台風が過ぎ去った後などになにか気になる点がございましたら点検をご依頼ください。
点検で傷が発見された場合、軽微な物であれば部分的なタッチアップにより補修可能です。早期に対応が出来れば傷から錆が広がってしまうことによる鋼板の劣化を防止する事が出来ます。ガルバリウム鋼板製屋根に限らず、定期的な点検は非常に重要です。
シーリング・棟板金
ガルバリウム鋼板製屋根の頂部には、金属部材である棟板金が被せる様に設置されています。棟板金は屋根の中でも高い位置に設置されている為、雨風の影響を非常に受けやすく、問題が発生しやすい部材です。特に、経年による固定釘のゆるみによって強風時に浮き・剥がれが発生する事もございます。10年に1度は点検されることをおすすめいたします。
同様に、棟板金に使用されるシーリングの劣化状態も確認しておきましょう。
棟板金の繋ぎ目に充填されることが多いシーリングですが、経年劣化が進行してしまいますと、しっかりと機能しません。
シーリングの役割は雨水の浸水を防止する事である為、シーリングが欠損・ひび割れを起こしてしまいますと、雨水は棟板金の下地へと浸水してしまいます。
浸水した水分により下地が腐食してしまう為、シーリングの点検・補修をする事で、未然に防止しましょう。
ガルバリウム鋼板は長期の耐用年数を誇り、約30年程度から製品の種類・メンテンナンス状況によっては40年近く持つ場合もあります。
しかし、周囲環境によっても変動する為、劣化症状が著しい場合には、
☑屋根材を撤去後、新しいものにする「葺き替え」
☑既存の屋根材の上に被せる様に施工する「屋根カバー工法」
上記のどちらかの施工が必要になります。
屋根材の劣化が著しい場合、屋根の状態を確認させて頂き施工方法をご提案させて頂きます。
(※過去にカバー工法による施工を行っている屋根には、カバー工事の施工はできません。)
優れた耐久性を持つガルバリウム鋼板ですが、塗装などの定期的なメンテナンスを実施する事でさらに安心できます。
「塗装時期の目安」について記事内でご紹介致しましたが、屋根の上の点検はご自身では困難な場所です。塗装メンテナンスをご検討されている方がおられましたら、街の屋根やさんまでご相談下さい。
無料点検にて屋根の状態をしっかりと確認させて頂き、塗装を含めました最適な施工のご提案をさせて頂きます。
ガルバリウム鋼板屋根の塗装メンテナンスは出来る?塗装に関するポイント・塗装時期について解説!まとめ
- ●優れた耐久性を持つガルバリウム鋼板ですが、塗装メンテナンスが必要となります
- ●屋根材メーカーより、15年を目安とした塗装メンテナンスを推奨されています
- ●推奨された目安に関係なく、色褪せ・苔やカビ・錆の症状を確認したら塗装メンテナンスを検討しましょう
- ●ガルバリウム鋼板の塗装は難しく、技術・経験が必要です。ホームページなどを確認して業者を選定しましょう
- ●ガルバリウム鋼板屋根は、塗装だけに限らず、傷の有無や棟板金・シーリングの点検も重要です
- ●耐用年数近くになりましたら、屋根葺き替え・屋根カバー工事もご検討ください
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街の屋根やさんが施工している様々な屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
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