「安い・丈夫・施工がしやすい」と多くの住宅に普及していたトタン屋根。でも、現在はガルバリウムが主流です。新築でトタン屋根を検討されるケースはあまりありません。
今でもトタンが使用されている建物や倉庫はよく見かけますが、そのほとんどはかなり劣化しています。色褪せや錆び、剥がれなどが起こっていれば「修理が必要」というサインと言えるでしょう。ただ、補修の方法はいくつかあるため、事前に内容を知っておきたいものですよね。
それでは、屋根補修のメンテナンス方法のなかでも代表的な「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3つについて詳しく見ていきましょう。
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貴方のトタン屋根に最適なメンテナンス方法とは?「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の主な方法3つをご紹介
トタン屋根の外見と特徴とは?
はじめに、トタン屋根について説明していきます。
トタンと言えば、昔からのイメージで金属製の波板状の建材を思い浮かべる人も多いでしょう。トタンは、鉄を薄くした板状の素材に亜鉛メッキを施したものです。メッキで覆われているので、普通の鋼板よりも錆びづらいのが特徴です。
100年以上もの長い歴史があるトタン屋根ですが、その外見には大きく分けて4つの種類があります。
瓦棒葺きトタン屋根
縦向きに木製の瓦棒と呼ばれる木材を45cm程度の等間隔に並べ、トタン板を敷いた屋根のことを瓦棒葺きトタン屋根と言います。緩い勾配(一寸勾配・約5.9°)にも施工できます。金属で水が染み込みにくく、一枚の金属板を棟から軒先まで覆うことで雨漏りにも強い性質もあります。
立平葺き(縦ハゼ葺き)トタン屋根
木の瓦棒を使わず葺いている金属屋根を指します。屋根材の端を折り曲げ、屋根が作られています。断面が「逆V字型」になっているのが特徴的です。この、逆V字型の部分をハゼと言い、重ね合わせるように屋根を葺きます。木材を使わず瓦棒葺きよりも防水性に優れ、0.5寸勾配(約5.9°)の屋根にも施工ができます。
金属屋根と言えば、かつては瓦棒葺きが主流でしたが、今では立平葺きがよく使われています。そのため、トタン屋根ではあまり見ず、ほとんどがガルバリウム鋼板です。
波板トタン屋根(大波・小波)
波のようなに凸凹した形に加工されたトタン屋根を「波板トタン屋根」と言います。 1つの波の大きさによって「大波」と「小波」があります。大波(波板1号)は「山部分の高さが18mm・頂点から頂点までの幅が76.2mm」、小波(波板2号)「山部分の高さが9mm・頂点から頂点までの幅が31.8mm」と種類によって規格が決まっています。大波のトタン屋根はあまり見かけません。トタンは薄い鋼板で強度がやや不足しがちです。そのため、アーチ(波)型に加工することで補強しています。
折板トタン屋根
工場や倉庫、体育館など、戸建住宅よりも大規模な建物に採用されているトタン屋根の形状を折板トタン屋根と言います。薄い鋼板の強度を高めるために台形に加工しています。亜鉛めっき鋼板折り曲げた断面は、形が規則正しく並んでいることが分かるでしょう。金属素材の屋根で水分が染みないことから、勾配がない屋根への使用が多いです。
トタンとガルバリウムは見分けることは不可能…!?
昔の金属屋根の代表格はトタンでしたが、現在はガルバリウム鋼板。金属素材という点は同じですが、覆われているメッキの成分が異なります。メッキ層に、トタンは亜鉛が使われているのに対し、ガルバリウム鋼板は亜鉛とアルミニウム、ケイ素が使われています。
しかし、金属屋根の質感は同じで、見分けるのはまず不可能です。「うちの屋根はトタンだ」と思っていたらガルバリウムだったというケースもありますし、その逆もあるでしょう。見た目での判断は難しいですが、年数で推測することができます。日本でガルバリウム鋼板が発売されたのは1982年のこと、つまりそれ以前ならトタンと言えるでしょう。
トタン屋根のメリットは「安くて軽い」、そして「耐用年数もそれなりに長い」という点
ひと昔前の住宅の屋根でトタン屋根が普及していたのは、施工費用が安かったという理由が大きいです。しかも軽量で屋根以外にも利用できる素材。トータルコストもおさえられるところもメリットでした。また、当時、トタン屋根が登場するまでの屋根と比べると耐用年数もそれなりに長かったところも普及した理由のひとつです。20年保証というトタン建材が1973年に登場したこともあります。
トタン屋根のデメリット1 屋根材の進化により優位性が失われてしまったこと
現在でもトタン屋根は流通していますが、かつては屋根材として独走していたトタン屋根も性能の良い新たな屋根材の登場で優位性が失われています。
価格は安いですが、ガルバリム鋼板とそれほど差異はありません。重量もほとんど同じです。しかも、トタンと比べるとガルバリウム鋼板の耐久性は3倍以上。つまり、敢えてトタンを選ばずとも、ガルバリウム鋼板の方が魅力的に感じてしまうのです。
昔は耐用年数と評価の高かったトタンも、屋根材の進化によって勢いは失われました。
トタン屋根のデメリット2 夏に暑い
金属屋根材のうち、チタン以外は熱伝導率が高い特徴を持っています。ガルバリウム鋼板やSGLの成型金属屋根材は、あらかじめ「遮熱塗料で塗装された製品」や「屋根材の下に断熱材を備えたもの」もあります。
ただ、熱伝導率が高く、熱を吸収するトタンも、遮熱塗料での塗装や、遮熱機能を持った防水紙を使えば、暑さ対策が可能です。
トタン屋根のデメリット3 雨音がうるさい
トタンは金属のため、雨が降ったときに音がうるさく感じます。ガルバリウム鋼板やSGLはトタンと同じ金属屋根ですが、屋根材の下に断熱材が遮音材となり、雨音が室内に響きません。ただし、トタン屋根でも遮音性能を持ったシートを屋根の下に敷けば、雨の音を遮ることが可能です。
トタン屋根のデメリット4 錆びやすい
トタンはガルバリウムやSGLよりも、錆びやすい素材です。特に、緩い勾配の場合、水切れが悪く、さらに錆びやすいでしょう。ガルバリウム鋼板やそれよりも性能が高いSGLが登場した今では、トタンは「錆に弱い金属屋根材」として考えられています。それでも、価格が圧倒的に安ければ注目されるかもしれませんが、前述したように価格はほぼ変わりません。初期コストが変わらないなら、錆びにくくメンテナンス費用がかからないガルバリウム鋼板を注目する人がほとんどです。
トタン屋根の状況別、最適なリフォーム方法
トタン屋根の状況 |
最適なリフォーム方法 |
色褪せ
チョーキング
軽度の錆 |
屋根塗装 |
重度の錆
穴あき |
屋根カバー工法
屋根葺き替え |
屋根材として強度を
保てないほどの錆 |
屋根葺き替え |
トタン屋根も、屋根塗装で定期的なメンテナンスを行うことで機能を保つことができます。傷み具合に応じて、塗装やカバー工法、葺き替えなどを検討しましょう。
それでは、屋根塗装、屋根カバー工法、屋根葺き替え、それぞれのメンテナンス方法をご説明していきます。
屋根塗装
屋根塗装は、トタン屋根があまり劣化していないときのメンテナンス方法です。穴が開くほど錆びている、すでに錆で崩れている部分があるなどの場合、塗装でのメンテナンスはできません。穴開きや腐食までは回復できないからです。
屋根の鋼板は、0.4mm程度しかありません。表面的軽微に見える錆も、実際にはすでに裏側まで通過していることも多いです。塗装しても、表面が一時的に綺麗になったかのように見えるだけで、すぐに穴が広がるでしょう。
つまり、トタン屋根は錆が出始めると塗装では回復できないため、錆びるよりも前に塗り替えするのが長持ちの秘訣です。そして、下塗りには錆止め塗料を使って錆の発生をおさえましょう。
錆の程度が重い場合には、塗装は厳しいのでカバー工法か葺き替えがおすすめです。
屋根カバー工法
屋根かバー工法は、既存のトタン屋根の上に防水紙を敷いた後に、新しい属屋根材を被せます。
「暑さに対応したい」なら遮熱機能、「雨の音への対策」なら遮音機能…というように、防水紙の機能も選ぶことができます。新しい屋根材は、ガルバリウム鋼板を選ぶといいでしょう。トタンと価格的にもそれほど変わらないのに耐久性が高いからです。
屋根葺き替え
今までの古いトタン屋根を剥がして取り除き、新しい金属屋根材を取り付ける方法が「葺き替え」です。建物の構造によって一概に言えませんが、どんな素材の屋根でも選べるわけではありません。基本的には、軽い金属屋根を選びます。
今まで瓦棒屋根だった場合、立平葺きへと変更しての葺き替えも可能です。立平葺きなら、以前よりも防水性も高まるでしょう。
また、一部だけの葺き替えも可能です。ただ、ほかの部分の劣化状況もしっかりと調査しなければいけません。たとえば、穴が開いている部分だけ葺き替えをしても、それ以外の部分の傷みも進行していれば、いずれ周囲に穴が開くかもしれません。部分的に葺き替えをしても、いずれ全体的な修繕が必要になることもあるでしょう。一部に穴があるなら、全体的に傷みは進んでいると考え全体的な葺き替えをおすすめします。
傷や凹みができている、変形している
わずか0.4mm程度という薄いトタン屋根の鋼板。強風で何かが飛んでくると、凹みやすく、変形もしやすいです。
物がぶつかると表面の塗膜に傷がつくため、錆が発生するのも時間の問題です。せめて見える範囲だけでも定期的に状態をチェックしておくといいでしょう。特に、台風など強い風があった後には、意識的に確認しておくと安心です。
傷の場合は塗装で保護をし、変形が目立つなら部分的な張り替えをしましょう
錆が発生している
トタンは、亜鉛メッキが先に錆び、本体の鋼板が錆びるのを防いでいます。錆びた状態での塗装はNGで「錆を落とす、錆止めを塗布する、それから塗装する」という正しい工程で補修しなければなりません。
ケレン作業で錆を落とし、錆止めを塗ったところに塗装をしましょう
穴が開いている
一部に穴開いていれば部分的な張替えもできます。しかし、穴が複数箇所ならカバー工法、もしくは葺き替えを行いましょう。屋根材選びは、トタンよりも錆に強いガルバリウム鋼板がおすすめです。価格的にはほとんど変わらず、耐久性が向上します。
数ミリ程度の穴なら、錆を除去してシーリングなどで塞ぐこともできます。ただ、いずれほかの部分も穴が開く可能性があるので、基本的には屋根カバー工法や屋根葺き替えがおすすめです。
次に、軽微な補修や塗装、葺き替えの内容ごとに、街の屋根やさんでの修理、メンテナンス費用の目安を見てみましょう。
上記は、トタン屋根の修理費用の目安です。ただ、屋根の不具合状況や補修範囲などはそれぞれの家ごとに異なります。詳しくは、現地調査のうえ、より具体的な内容をお見積りしております。
トタン屋根の修理はDIYでも可能?
屋根工事は高所作業なので業者にお任せした方がいいという気持ちの一方で、突発的な不具合が起こり「DIYでなんとかしようかな…」というケースもあるでしょう。
例えば、「強風でトタン屋根が剥がれた」「急に雨漏りが起きた」などの場合です。突然の屋根の不具合は、すぐに自分で解決したいと思うものです。
屋根の修理はDIYでも可能なのでしょうか?
原則的にDIY修理は地上から手の届く範囲まで
屋根の不具合で雨漏りが起きると「急いで何とかしなければ」という危機感から、自分で補修を考える人も実際多いです。しかし、高い位置・バランスの悪い斜面での補修作業はかなり危険です。工具を持ちながら不慣れな作業をしても、危険な時間が長引くだけです。2019年千葉に上陸した台風15号の際、消防庁の発表によると、被害家屋をDIYで修理しようとした3名が死亡、少なくとも150名以上が重軽傷を負ったとのことです。
私たち屋根工事業者が順守するべき労働安全衛生規則第518条には、高さ2m以上の場所で作業を行う場合、作業者の堕落等による怪我や危険を避けるための措置を講じなければならないと定められています。私たち専門業者であっても、屋根の上では事故のないように万全の対策で作業をしているのです。
「DIYでできる屋根修理」のような記事をインターネットで見かけることがあります。記事を読むと、屋根修理はDIYでもできるという感覚になるかもしれません。しかし、屋根の上という、ふだんは上らないような作業環境のなか、「どうやって補修するか」とスマホ片手の作業は危険なだけです。足場もなく、命綱もないような状態で、手探りでDIYをした代償として、命を落とすなどはあってはならないことです。
住まいの急な不具合でご不安を感じたときには、ご自身の安全のためにも、プロの屋根工事業者に連絡しましょう。
雨漏りの応急処置…自分でやれることはある?
雨漏りが起こっているとき、屋根に上ってDIYをするのは危険です。でも、室内側の応急処置でやっておいたほうがいいこともあります。雨水が天井から垂れてくると、家電や家具へ悪影響。バケツや雑巾などで濡れの被害をおさえる応急処置をした方がいいですね。
大前提として、雨漏りが起こったら屋根業者に連絡して点検と修理を行ってもらうべきです。ただ、それまでの応急処置なら自分でもやれます。
●雨水が落ちてくる下にバケツなどを置き、床が濡れるのを防ぐ
●窓枠付近から雨漏りしているなら雑巾、もしくは吸水性のあるペットシーツを敷くと便利
●ブレーカーをチェックする、そして雨漏りしている部屋の電気は消す
雨漏り時の応急処置は「室内でできること」だけに留めておきましょう。屋根の上は危険なので業者にお任せするようにしてください。
屋根修理は火災保険を使える
ひとくちに「屋根修理」と言っても、経年で劣化したケース、自然災害などで突発的に発生したケースなどがあります。そのうち、台風や強風など自然災害で屋根修理が必要になった場合は、火災保険を使うことで自己負担なく修理を行える可能性もあります。
例えば、
●強風で飛んできた物で屋根が傷ついた
●台風でトタン屋根が剥がれた
●以前の台風から雨漏りが続いている
などの場合、火災保険を利用できる可能性が大きいです。
住まいの新築時に、火災保険に加入しているお客様は多いかと思います。台風や強風、大雪、雹(ひょう)、雷などの自然災害が原因で屋根に不具合が起こっているなら、火災保険の保険金で屋根修理を検討してみましょう。
築年数別で見るトタン屋根のメンテナンスサイクル
7~10年 屋根塗装
築年数が10年以内なら屋根塗装がおすすめです。錆びる前で屋根の寿命を延ばしましょう。塗装の目安は、屋根が色褪せてきたときです。
また、錆があるなら、錆部分だけでなく、周辺も傷んでいる可能性があります。放置するほどに屋根の寿命は短くなるため、早めに対応しましょう。
10~15年 屋根塗装、または屋根カバー工法か屋根葺き替え
築10年を過ぎても「まだ1回も屋根塗装をしたことがない」というケースがあるかもしれません。築年数10~15年は、屋根塗装が可能なラストチャンスとも言えます。
また、塗装はおろか、「錆があるのに放置していた」「屋根の定期点検などもまったくしていない」などの場合、屋根カバーや屋根葺き替えの検討をおすすめします。
15~20年 屋根カバーか屋根葺き替え
築年数15~20年なら、屋根カバー工法か屋根葺き替えが選択肢です。ただし、立地環境によっては築年数の割に傷んでいないこともあるでしょう。恵まれた環境、そして適切にメンテナンスをしていれば、まだ屋根塗装で対応できる可能性もあります。
20年~ 屋根カバー工法か屋根葺き替え
築年数20年を超えると、一見、状態がよく塗装できそうな屋根でも、その後耐えられる年数が短いです。屋根カバー工法か屋根葺き替えがおすすめですがトタンとほぼ同価格で耐用年数がより長いガルバリウム鋼板を選びましょう。
「築年数が古い我が家のトタン屋根はどんなメンテナンスをするべき?」、「トタン屋根に錆があるけど塗装すればいいの?」など、トタン屋根でご不安な点があったら街の屋根やさんにご相談ください。
点検は無料です。状況と状態にあわせて最適なメンテナンス方法をご提案いたします。
トタン屋根の現状とは?
●築数十年が経過した建物に多数見られるトタン屋根、傷み次第では塗装ではなく屋根カバー工法や屋根葺き替えを
日本では1982年にガルバリウム鋼板が登場しました。しかし、実際に普及し始めたのは1990年以降。当時、酸性雨が社会問題でしたが、ガルバリウム鋼板の方がトタン屋根よりも耐久性が良く、需要が高まったからです。15~20年程度と言われているトタンの寿命。立地にもよりますが、1990年頃に建てられた建物なら25年以上が経過し寿命を過ぎている頃です。
何回か屋根塗装をしたケースの場合、錆や傷みはあまりないかもしれません。しかし、耐久性はかなり衰えているため、屋根カバー工法か屋根葺き替えで性能の良い新しい屋根材にした方が今後も安心です。
トタン屋根の実際の施工例
トタン屋根の塗装
前回の屋根塗装から15年、錆びだしたトタン屋根をルーフマイルドSiでリフレッシュ
使用材料:ルーフマイルドSi
ホームページをご覧いただき、お問い合わせをいただいたT様。「屋根が錆びてきたので塗装をしたい」という内容のご相談でした。お話を詳しくお聞きしたところ、新築後十数年後に屋根塗装のメンテナンスをした後、15年ほど経過しているとのことでした。つまり、屋根としては25年ほど過ぎていることになります。屋根塗装をご希望ですが、塗装のメンテナンスはできる状態なのでしょうか。
点検時の様子
実際に屋根を点検したところ、やはり錆が見られました。ただ、前回の塗装から15年経過、築25年以上のトタン屋根とすれば、状態はかなり良い感じです。
トタンとガルバリウム鋼板は一見とても似ているため、目視では判断がつきづらいものの、おそらくトタンだと思います。お客様のお話でもトタンとのことでした。
屋根全体を見ると、塗膜が薄くなっている印象です。部分的な塗装がたくさんありました。お話を聞くと、錆対策としてお客様ご自身で塗装のメンテナンスを部分的に行われたとのことでした。その塗装のおかげで、錆が広がるのを抑止でき、築年数の割にとても良い状態の屋根を保てているようです。
屋根塗装
錆びた部分が水圧で崩れないように、いつもよりも水圧を変えながら丁寧に高圧洗浄をしました。そして、ケレン作業で錆を落とし、錆止めを塗布します。
錆止めの塗布が終わったら、次は中塗りをします。お打ち合わせ時に塗料の選択肢として「遮熱塗料」もありました。ただ、近いうちに屋根カバー工法か尾根葺き替えを視野に入れているとのことだったため、普通のシリコン塗料での塗り替えをしていきます。「どこまで涼しくなるか試してみたい」と、お客様のご希望で白い塗料を選択されました。
最後の工程は、上塗りです。錆びが目立っていたトタン屋根が、まるで新品のように見えます。築25年以上経ったトタン屋根とは思えないほど、状態が蘇った印象です。遮熱塗料ではありませんが、白い色は熱の吸収をおさえるため、涼しくお過ごしいただけると思います。
竣工 トタン屋根の塗り替え
立地の環境も良く、さらにお客様のDIYメンテナンスで錆の広がりを防がれたトタン屋根だからこそ、今回は屋根塗装を選択することができました。塗装によってトタン屋根の寿命も延び、まだまだ現役で頑張ってくれそうです。
トタン屋根の屋根カバー工法
錆で腐食した瓦棒のトタン屋根を屋根カバー工法で新しい屋根へ
使用材料:カバールーフ455
内装工事に入っていた他の業者がたまたま雨漏りを見つけたそうです。実は、こちらのお宅では雨漏り補修の過去があるとのことでした。すでに築年数も古いため、「次に雨漏りしたら本格的に直したい」と考えていたそうで、街の屋根やさんにご相談をいただきました。
屋根葺き替えか屋根カバー工法かのどちらを選ぶかで悩まれたそうですが、「工期を短くしたい」というご希望から屋根カバー工法を選択されました。
点検時の様子
屋根に上ると、全体的に屋根が錆びていました。また、アンテナが倒れていたこともびっくりしました。この状態で、テレビへの支障はないものかと少し心配になりました。
前の雨漏りのときの雨水の浸入口を見つけることができました。穴はシーリングで塞がれていましたがその下にある破風はかなりボロボロになっています。
屋根カバー工法
はじめに、足場の仮設をしていきます。こちらのお宅は住宅密集地でしたが、足場を設置するスペースは確保できました。ただ、片流れの屋根で長尺の屋根材ということもあり、屋根にあげるスペースがなく資材搬入が問題となりました。
そこで、クレーンを使った資材搬入をしていきます。スペースを気にしなくてもいいうえ、資材がスピーディーです。もちろん、事前に道路の使用許可は届出済みです。
瓦棒屋根なので、新しい屋根材のための芯木を取り付けていきます。芯木の取り付け後、屋根材を被せて収まり具合をチェックします。
防水紙を敷き、屋根材をその上に置いていきます。
所定の位置にカバールーフ455を固定します。長尺の屋根材でそれほど重くはないものの、二人がかりで丁寧に運びます。決められた間隔で釘を打ち、雨水が入らないようシーリングで固定していきます。
竣工 トタン屋根の屋根カバー工法
清掃と片付け、スタッフによる最終チェックが終わり、トタン屋の屋根カバー工法が竣工しました。これからは雨漏りの心配もなく、安心して生活を送っていただけます。
屋根葺き替え(張替え)
雨漏りしていたトタン屋根を葺き替えて雨の日でも快適に!
使用材料:ガルバリウム鋼板
今回の施主様のI様から「強い雨が降るたびに毎回雨漏りが起こる」と街の屋根やさんにご相談がありました。当初、雨漏り箇所は1箇所とお考えになっていたI様でしたが、点検をしたところ、実は雨水の侵入箇所が複数あると発覚。「この先、何十年も住み続ける住まいだから」とI様は屋根葺き替えをご選択されました。
点検時の様子
芯木を包んでいるトタンの腐食が目立つため、雨水の侵入経路はここで間違いありません。小屋裏を確認すると、至る所の木材が湿っていることが分かります。このまま何もしなければ、小屋裏の木材までも工事が必要になるレベルです。
芯木を包んでいるトタンの腐食が顕著です。ここから雨水が入り込んでいるのは間違いないでしょう。小屋裏はというと、さまざまなところの木材が湿っています。このまま放置していたらこちらも工事が必要になるでしょう。
屋根葺き替え
まずは、古いトタン屋根を解体します。棟板金、桟の部分の板金などをすべて外したところ、ボロボロの芯木が見えてきます。腐食がひどく、このままでは強い風が吹いたときに屋根が剥がれていたかもしれません。
パネル状の防水紙だったので、かなり古い建物のようです。瓦屋根の場合、杉の木の皮を防水紙の代わりにするケースもありますが今回のようにトタン屋根ではあまり見かけません。防水紙と野地板には穴が開き、ボロボロでした。しかし、野地板も一般的なものとはだいぶ違い、木の繊維をプレスして固めた素材で、板のような役割があるのか不安な素材です。
ちょっと頼りない野地板のうえに構造用合板を全面に増し貼り、屋根の強度を高めました。次は、防水紙を丁寧に敷いていきます。見た目も綺麗になり、これまでよりも格段に性能がアップしたことが分かると思います。
全体に防水紙を敷いたら、軒先への水切り金具、板金を固定する桟を取り付けていきます。この桟は「瓦棒」と呼ばれることから、瓦棒屋根という呼称なのです。
45cm間隔でガルバリウム鋼板を桟の間に取り付けていきます。ガルバリウム鋼板でできたコの字型の板金を桟に被せることで蓋のようになり、雨水が入るのを防いでくれます。
棟板金を取り付け終えたら、トタン屋根の葺き替え工事は完成です。今回葺き替えで使ったガルバリウム鋼板は、トタンよりも3~6倍もの耐久性が期待できます。雨漏りの心配もなく、今後は安心してお過ごしできるかと思います。
竣工 トタン屋根のガルバリウム鋼板による葺き替え
施工前の状態は、「部分的な葺き替え、桟の部分の板金を再利用、木材の樹脂を固めたような素材の防水紙…」など、解体して見ると雨漏りが起こるべくして起こったような状態でした。しかし、今回、正しい工程できちんとした資材で葺き替えをしたので、性能を高められました。ガルバリウム鋼板にしたことで、今後の耐久性も期待大です。これからは、雨漏りに悩むことなく、安心してお過ごしいただけるかと思います。
トタン屋根のメンテナンスのまとめ
●トタン屋根の種類には、「瓦棒葺き」「立平葺き」「波板」があります
●トタンとガルバリウムはとても似ていて、見た目での見分けはほぼ不可能です
●昔はコストと耐用年数に優れたトタン屋根も、今は金属屋根材が進歩したことで優位性は薄れています
●トタン屋根のメンテナンスの選択肢は「屋根塗装」「屋根カバー工法」「屋根葺き替え」のどれかです
●場合によっては部分的な葺き替えも可能ですが、古いトタンは傷みが進んでいるので全体的に葺き替えするのがいいでしょう
●現在、トタン屋根ならほとんどの場合メンテナンスが必要です
●屋根の不具合はお住まいごとに異なるため、現地調査を実施した上で詳しくお見積りを提出しています
●屋根修理のDIYは地上から手の届く範囲でご自身の身を守りましょう。高所での作業は危ないため専門業者に依頼しましょう
●雨漏りが起こっていれば、室内側で「バケツを置いて雨水を受ける」「窓サッシからの雨水対策で雑巾やペットシーツを使う」「ブレーカーを確認する」などで応急処置ができます。実際の雨漏り修理は専門業者に依頼しましょう
●自然災害で起こった雨漏りなら火災保険の適用も検討しましょう
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