ガルバリウム鋼板屋根材・外壁材を選ぶ際のポイント!チェックしておきたいメリット・デメリットとは?
お住まいの屋根や外壁が年数を重ね、ガルバリウム鋼板製のものにリフォームをご検討されている方も多いかと思われます。
近頃、ガルバリウム鋼板は屋根・外壁に頻繁に利用されています。しかし、業者からの勧めはあるものの、メリットばかりが強調されても本当に良い建材かどうが疑念を抱くこともあるでしょう。
・屋根・外壁のリフォームをご検討中の方
・ガルバリウム鋼板の屋根材・外壁材にご興味をお持ちの方
・ガルバリウム鋼板のデメリットを理解したい上で検討したい方
今回は、ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットを詳しくご紹介させて頂きます。お住まいの屋根・外壁にガルバリウム鋼板が適切かどうかを判断される基準になる様、ぜひご覧ください。
ガルバリウム鋼板が多くの方に選ばれる理由である、そのメリットをご紹介いたします。
まずはガルバリウム鋼板が多くの方に選ばれる理由である、そのメリットをご紹介いたします。
☑錆びにくい
☑熱反射性に優れる
☑汚れが付着しにくい
☑ひび割れを心配する必要がない
☑施工性に優れる
☑緩勾配屋根でも施工可能
☑シンプルでありスタイリッシュなデザイン
錆びにくい
ガルバリウム鋼板の素晴らしい特徴の一つは、何と言っても錆びにくいことです。金属製の屋根・外壁材は、すぐに錆びるのでは?と心配される方も多いと思われます。
ガルバリウム鋼板も金属製であるため、どのような状況・環境下でも錆びないわけではありませんが、その耐錆性の高さから優れた建材として選ばれています。
その錆にくさは、ガルバリウム鋼板に施されためっき組成にあります。なにも施していない鋼板(鉄の板)であれば当然錆が発生してしまいます。しかし、アルミニウム・亜鉛をメッキすることで、耐久性が向上しています。
ガルバリウム鋼板に施されているめっき組成
ガルバリウム鋼板には、亜鉛が43.4%、アルミニウムが55%、そしてシリコンが1.6%の合金がめっきされています。
アルミニウムは、錆びにくい性質を持つステンレスと同じように、空気中で酸化皮膜を形成します。この酸化皮膜とは、金属が酸化反応を起こした際に表面にできる酸化物の膜のことであり、この安定した膜が錆や腐食の発生を防ぐ役割を果たします。
また、亜鉛も含まれており、錆を防ぐ犠牲防食機能も備えています。この犠牲防食機能とは、もし鋼板に傷がついて鉄が露出してしまっても、亜鉛が優先的に腐食されるため、鉄自体が腐食から保護されるメカニズムです。
したがって、ガルバリウム鋼板は金属製の外装材として非常に優れた建材と言えます。かつて、金属の屋根・外壁では「トタン」がよく用いられましたが、ガルバリウム鋼板はそのトタンの4倍の耐錆性を持つと言われています。
軽量であり耐震性に優れる
ガルバリウム鋼板は、金属素材であることから非常に軽量である為、耐震性にも秀でた建材です。最近では大地震の心配が増えており、特に屋根材として注目を集めています。
建物の屋根が重いと、建物自体の重心が高くなります。そのため、地震が起こると大きく揺れやすくなり、建物には大きな負担がかかります。屋根材が落下する危険性や、梁や柱に与える影響、さらには室内の家具の倒壊などが発生してしまうリスクがあります。
☑スレート屋根材の約5分の1
☑瓦の約10分の1
と他の屋根材と比較しても非常に軽量です。
また、外壁材にも同様のことが言えるため、地震が発生した際には外壁材も軽量であるほうが建物への負担が小さいです。
ガルバリウム鋼板外壁材の重量は、
☑モルタル外壁材の約10分の1
☑窯業系サイディングの約4分の1
と、外壁材として使用する際においても重量の観点から耐震性に非常に優れています。
カバー工法に適している
その為、ガルバリウム鋼板は屋根・外壁のカバー工法によく使用されます。
カバー工法とは、既存の屋根・外壁に被せるように新規の建材を設置する工法です。ガルバリウム鋼板は、軽量である為、既存の屋根・外壁材を残したままであっても重量がそれほど増加しないため、カバー工法に適した屋根材といえます。
熱反射性に優れる
ガルバリウム鋼板は、めっきの主要な成分であるアルミニウムの割合が非常に高く、容積比で80%に達します。さらに、この鋼板の表面には、独自の模様(スパングル)を持つ結晶があるため、他のめっき鋼板と比較して約2倍の熱反射率を持っています。
特に夏の時期になると、屋根は太陽の光を受けて非常に熱くなりやすいです。しかし、ガルバリウム鋼板を使用することで、表面の温度上昇を抑制することが出来るため、室内の温度上昇も抑えることが可能です。
屋根材・外壁材に省エネルギー効果を期待したいと考えた際、最適な材料といえます。
※日鉄鋼板株式会社:ガルバリウム鋼板カタログ参照
汚れが付着しにくい
ガルバリウム鋼板は金属でできているため、湿気や雨水を吸収しない性質を持っています。その結果、他の屋根材や外壁材と比較して苔やカビなどの汚れがつきにくい素材となっています。
一般的なスレート屋根は年月が経つにつれて塗膜が薄くなり、その結果、苔やカビが発生しやすくなります。同様に、昔から使われてきたモルタル壁や一般的な窯業系のサイディングなども、塗膜が劣化すると苔やカビが付着してしまい、その根がしっかりと定着します。この現象は、スレートやモルタルが水分を吸収する性質によるものです。建物の北側の外壁にはコケがよく生える傾向がありますが、これは日照が少なく湿度が高いためです。
ガルバリウム鋼板自体は、水分を吸収することはありません。しかし、塗膜の劣化が進行するとともに薄く苔・カビが繁殖してしまうこともあります。耐久性・防汚性を考えますと、可能であれば低汚染塗料・フッ素塗膜の製品をおすすめいたします。
ひび割れを心配する必要がない
ガルバリウム鋼板の外壁材は、ひび割れしにくい特性を持っています。
特に、モルタル外壁などは「クラック」と呼ばれるひび割れがしやすい外壁材であり、一般的な窯業系サイディングも主成分がセメントであるため、地震や外部からの衝撃によってひび割れが発生しやすいです。
外壁に生じるひび割れは地震が発生した際に破損し、落下や外観の美しさを損なうリスクがあります。
また、屋根・外壁材がひび割れる主な原因の1つが凍害です。特に瓦の場合、吸収した水分が凍って膨張するために破損してしまうことがよく発生します。
しかし、ガルバリウム鋼板製の屋根・外壁材は、耐久性に優れている金属素材であるため、凍害や衝撃によるひび割れの心配が無い建材として注目を集めています。
施工性に優れる
ガルバリウム鋼板製の屋根・外壁材は、軽量で加工しやすく、施工性に優れた建材と言えます。短時間で葺き替え可能なため、補修作業も他の建材と比較して簡単に行うことができます。そのため、人件費を削減し、コストを抑えることに繋がります。
また、大規模な台風や地震などの自然災害による被害を受けてしまった場合、屋根瓦や外壁が窯業系サイディングであれば、葺き替え・張替えに多くの時間が必要になります。
一方でガルバリウム鋼板製の屋根材や外壁材の場合、施工が比較的簡単であることから、修復作業も迅速に進行することができるでしょう。このように、ガルバリウム鋼板製の金属建材は、被災者の負担を軽減するだけでなく、リサイクルも可能な為、人・環境に優しい建材といえます。
緩勾配の屋根でも使用可能
ガルバリウム鋼板を屋根材として使用する場合、緩やかな勾配の屋根でも使用できる柔軟性の高さがあります。
最近では、シンプルな形状の住宅が増えつつありますが、その中でもデザインの観点から、屋根勾配を可能な限り緩やかにしている建物が多いです。
ガルバリウム鋼板製の金属屋根の場合、屋根の傾斜に沿って縦に配置する立平葺きという方法を用いると、1寸勾配から施工できます。ガルバリウム鋼板を使用したこの立平葺きは、緩やかな勾配でも雨水が溜まることなく、雨漏りのリスクに対して非常に強い屋根となります。
さらに、一枚の屋根材のスパンが長いため、縦方向に重ねて葺くと継ぎ目が少なくなり、雨漏りの危険性が低減されます。
緩やかな勾配の屋根を希望する場合は、1寸勾配から施工可能なガルバリウム鋼板の屋根材がおすすめです。
シンプルでスタイリッシュなデザイン
最近の住宅では、シンプルでスタイリッシュなデザインが人気です。シンプルでモダンなデザインスタイルは、都会的な雰囲気だけでなく、自然に囲まれた風景にも馴染む柔軟性のある特徴を持っています。
ガルバリウム鋼板は、シンプルで洗練されたデザインを表現するために非常に適した建材と言えます。素朴なフォルムで凹凸が最小限であり、シンプルなデザインが求められる箇所でも優れた表現が可能です。また、耐久性も高く長期間使用しても品質が保たれるため、将来中古住宅として売却する際にも資産価値を維持してくれます。
前述いたしました通り、ガルバリウム鋼板は多くのメリットがあります。しかし、当然ですがデメリットもございますので、以下にご紹介いたします。
☑導入コストが高い
☑凹みが発生することがある
☑傷に注意が必要
☑低い断熱性
☑過度にシンプルなデザイン
導入コストが高い
ガルバリウム鋼板製の建材のデメリットとしてまず挙げられるのが、導入コストが高い点です。
ガルバリウム鋼板などを含める金属建材は、一般的にスレートや窯業系サイディングなどと比べて、導入時の費用が比較的高額です。しかし、これらの金属建材はスレートや窯業系サイディングに比べてメンテナンスサイクルが長いため、手間や費用が削減されることで、全体的なメンテナンスコストは低く抑えられます。
つまり、初期費用(導入コスト)はやや高くても、長期的な視点で見ると、メンテナンスにかかるコストはそれほど高くないという考え方も出来ます。
スレートと比較した場合
製品によって異なりますが、スレートの場合、価格は1㎡あたり5,000~8,000円です。一方で、ガルバリウム鋼板の屋根材の場合、1㎡あたりの価格は6,000~10,000円程度です。しかし、ガルバリウム鋼板屋根材はスレート屋根材より長い耐用年数を持ち、また、再塗装が必要とされるまでの期間も長いため、お手入れが楽と言えます。
凹みが発生することがある
ガルバリウム鋼板は、金属で造られた薄い建材です。その為、衝撃には弱く、凹みやすい性質があります。
一度凹むと、元に戻すことは非常に難しく、実質的には不可能です。
ガルバリウム鋼板は「ひび割れしにくい」というメリットがありますが、凹みや歪みを避けるためには、物をぶつけないように注意が必要です。自転車や車などをぶつけたり、物を当てたりしないように気を付けましょう。特に、ガレージ周辺や自転車置き場、庭に面した外壁など、障害物がある可能性のある場所では、気をつける必要があります。
また、台風などで発生した強風などにより飛来物が落下してしまったばあいでも凹みや変形が発生してしまう可能性があります。ですが、凹みだけであれば機能的には問題ありません。
凹みを気にされるといった方は、厚さが0.35mm以上のガルバリウム鋼板製建材を選ばれることをおすすめいたします。
傷に注意が必要
ガルバリウム鋼板は高い耐久性をもっていますが傷がついてしまった場合、めっきの剥がれた部分から錆が発生してしまいます。
屋根の場合、台風・強風による飛来物の落下などが原因で傷が付き、それが錆に繋がります。台風が通過した後に大きな傷の有無や剥がれ・捲れなどの不具合が発生していないか点検をされることをおすすめいたします。
外壁に関しても同様に、ものをぶつけたりしないように注意が必要です。また、台風が過ぎ去った後などには点検を実施し、傷を発見したらすぐに補修を依頼することが大切です。
軽微のきずであれば塗料を塗ることで補修が可能です。錆が広がってしまう前に傷を塞ぐことが重要です。
低い断熱性
金属で造られた製品は、他の材質の建材と比べて熱伝導率が高い特徴があります。したがって、ガルバリウム鋼板の屋根材の場合も、材料自体の断熱性は低く、それをカバーするために工夫が必要です。
屋根や外壁にガルバリウム鋼板製のものを勧められても、金属製の材料が暑くなりやすい点を心配される方は多いです。
具体的な対処方法として、屋根材と外壁材の両方において、断熱材が組み込まれた製品が最も信頼できる選択肢です。断熱材が直接裏面に設置されている為、断熱性が均一に保たれています。屋根材の場合、スーパーガルテクト(アイジー工業)や横暖ルーフ(ニチハ)などがあります。外壁材であれば、ほとんどの主要製品が断熱材を一体にしたタイプです。
現在のお住まいの断熱施工の状態も併せて確認・対策をしてもらえば、暑さを心配する必要はほとんど無いと思われます。
他の対策として、表面を白に近い明るい遮熱塗料で塗装することや、小屋裏に発泡タイプの断熱材を設置する方法などがあります。
いずれの場合でも、屋根・外壁を二重構造とするカバー工法であれば、あまり心配する必要はありません。
過度にシンプルなデザイン
ガルバリウム鋼板の屋根材・外壁材に関して、シンプルすぎて高級感や重厚感に欠けるという印象を持つ方もいます。
外壁については、窯業系サイディングなどは多種多様な種類があり、デザインや色の選択肢も豊富です。また、タイル調や石積調などを好む人には、やや安っぽく感じられることもあります。これまで瓦屋根だった方々にも、物足りなさを感じることがあるようです。
逆に言えば、それだけシンプルでスタイリッシュな建材とも言えるでしょう。個人の好みはさまざまですが、スパンサイディングやラップサイディングなど、ガルバリウム鋼板のシンプルなデザインを好む人々が増えているのも確かです。
最近では、非常にデザイン性の高い外壁材が登場しており、多くの注目を集めています。一目では金属に見えない模様が表面に施された金属サイディングや、瓦のような形状に成形されたガルバリウム鋼板製の屋根材も存在しますので、ご相談ください。
ガルバリウム鋼板屋根の施工事例
地震の不安を軽減する軽量な屋根材へ葺き替え
頻発する地震に不安を感じ、軽量な屋根をご希望されたため、ガルバリウム鋼板屋根材「横暖ルーフα」へ葺き替えました。重量が約10分の1になり、瓦の落下の心配もなくなった事で安心です。
緩い勾配のスレートの雨漏り修理
2.5寸と緩い勾配が原因の水はけの悪さから、雨漏りが発生していました。下地には粘着式の防水紙を設置し、軒から棟までひとつの板金で仕上げる縦葺きで施工させて頂いたため、将来的な雨漏りの危険性が大幅に低減されました。
ガルバリウム鋼板お役立ちリンク一覧
ここ最近10年ほどで、ガルバリウム鋼板を屋根材として選ぶ方が急速に増えています。新しい建材であることから不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はガルバリウム鋼板は日本でも40年以上前から使用されており、確固たる実績があります。
ただし、どの建材にも共通して言えることですが、メリットがあればデメリットも存在します。建材の特性をしっかりと理解したうえで採用し、長期間ご使用頂けるように適切なお手入れも行いましょう。
「こんな屋根材はありませんか?」
「ガルバリム鋼板屋根材の種類について知りたい」
上記のようなリフォーム・屋根工事に関して疑問・質問がございましたら、街の屋根やさんまでご相談ください。
点検からお見積りの作成まで無料にて実施させていただきます。お住まいをしっかりと点検し、ご希望・ご予算をご相談させて頂いた上、最適な施工方法をご提案させて頂きます。
ガルバリウム鋼板屋根材・外壁材を選ぶ際のポイント!チェックしておきたいメリット・デメリットとは?まとめ
- ●ガルバリウム鋼板のメリット
- -ガルバリウム鋼板は、トタンの4倍サビに強いと言われるめっき鋼板です
- -ガルバリウム鋼板は金属素材である為、屋根材として最も軽量の分類です
- -熱反射性が高いため、表面温度の上昇が軽減されます
- -ガルバリウム鋼板は水分を吸収しないため、汚損も付着しにくいです
- -セメント系建材・モルタルに発生するひび割れや凍害の不安がありません
- 軽量・加工しやすいことから施工性に優れている建材です・縦葺き(立平葺き)であれば、緩い勾配の屋根であっても雨漏りに強い屋根となります
- ●ガルバリウム鋼板のデメリット
- -導入コスト(イニシャルコスト)が比較的高いですが、メンテナンスコストは低いといえます
- -物がぶつかると凹みが発生するリスクがありますが、軽微であれば機能的に問題ありません
- -傷が付き、めっきが剥がれてしまうとそこから錆が発生してしまいます。早期に補修することが大切です
- -ガルバリウム鋼板は、金属の特性上断熱性が低いです。しかし、断熱材一体型の屋根材・外壁材でカバーできます
- -デザインが過度にシンプルで不満という方もおられます。しかし、デザイン性の高い製品も存在しますのでご相談ください
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