屋根の騒音対策！ガルバリウム鋼板屋根の静音性は？
「トタン屋根の雨音が響いて気になる」
「瓦屋根からのリフォームを考えているけれど、ガルバリウム鋼板は騒がしいのでは？」
このようなお悩みをお持ちの方へ。
軽量かつ耐久性に優れたことで人気のガルバリウム鋼板屋根ですが、「大雨や台風の際に雨音が響くのでは？」と不安を感じる方も多いでしょう。実際に、金属屋根は音を通しやすい性質を持っていますが、適切な対策を講じることで騒音を大幅に抑えることが可能です。
本記事では、屋根材ごとの遮音性の違いや、ガルバリウム鋼板の防音対策について詳しく解説していきます。
屋根材の中でも特に防音性能に優れているのが、日本で古くから使われている「瓦屋根」です。
瓦は厚みと重量があり、さらに重ねて施工されるため、その間に空気の層が生まれ、優れた遮音性を発揮します。そのため、瓦屋根から金属屋根へリフォームした後に「雨音が気になるようになった」と感じる方がいるのは、瓦の高い遮音効果に慣れていたためといえるでしょう。
・スレート屋根（厚さ約5mm）：セメントを主成分とし、一定の遮音効果が期待できる
・アスファルトシングル：表面の石粒が雨音を吸収・拡散し、比較的静か
・金属屋根（ガルバリウム鋼板など）：薄く硬いため雨音が響きやすい
近年、施工のしやすさやコスト面から、軽量な屋根材が主流となり、瓦屋根はあまり見かけなくなりました。特に耐震性を考慮すると、軽い屋根の方が建物への負担が少なく好まれています。
とはいえ、「やはり金属屋根は雨音がうるさいのでは？」と気になる方も多いでしょう。
金属屋根は熱や音を伝えやすく、雨が当たると振動しやすい特徴があります。そのため、そのまま施工すると雨音が響きやすくなるんですね。シンバルのような金属板を想像すると、音の伝わりやすさがイメージしやすいでしょう。
しかし、次のような対策を施すことで、雨音を大幅に軽減することができます。
吸音材を取り入れる：屋根裏に吸音シートや防音材を敷くことで、音の反響を抑える
断熱材一体型の屋根材を使用する：断熱材が組み込まれた金属屋根なら、雨音だけでなく断熱性も向上
カバー工法を活用する：既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねることで、間に空気層ができ、防音効果が高まる
金属屋根の雨音が気になる場合でも、適切な対策を講じれば快適に過ごすことができます。リフォームを検討されている方は、事前にしっかりと防音対策について相談してみることをおすすめします！
かつて金属屋根といえば、主流は
トタンでした。しかし、近年ではガルバリウム鋼板が広く普及し、施工のしやすさやコストの面で多くの注目を集めています。
この屋根材は「軽量」「高耐久」「長寿命」「デザイン性の高さ」など、多くのメリットを兼ね備えており、新築や屋根リフォームにおいて採用されるケースが増えています。
しかし、金属屋根全般に共通する課題として「遮音性の低さ」が挙げられます。金属は音を反響しやすいため、何も対策を講じないと雨音がダイレクトに響いてしまうことがあります。
そこで今回は、ガルバリウム鋼板屋根の遮音性を向上させるための効果的な3つの方法をご紹介します。
ガルバリウム鋼板の下に吸音材や断熱材を敷くことで、音の反響を抑え、屋根の防音性能を高めることができます。
特に、屋根の下地部分に専用の遮音シートやボードを追加すると、効果的に騒音を軽減できます。
また、断熱材を導入することで、遮熱・保温効果も向上し、一年を通じて快適な住環境を実現できます。断熱材自体が吸音の役割も果たすため、施工後は雨音がほとんど気にならないレベルまで軽減されるでしょう。
この機会に、小屋裏（天井裏）の断熱材が適切に設置されているか確認するのもおすすめです。
より簡単に防音対策を施したい場合は、「断熱材一体型」の屋根材を選ぶのも有効な手段です。
これは、ガルバリウム鋼板の裏側に高密度の断熱材を貼り付けた構造になっており、通常の金属屋根に比べて防音性・断熱性が向上しています。
下の写真のように、ニチハ株式会社の「横暖ルーフ」（上）と、アイジー工業の「スーパーガルテクト」（下）の断面を見ると、高密度の断熱材がガルバリウム鋼板の裏側にしっかりと接着され、一体化しているのが確認できます。
■ニチハ株式会社「横暖ルーフ」 雨音が68dB → 33dB（ささやき声程度）に軽減
■アイジー工業「スーパーガルテクト」 2023年、文部科学大臣賞を受賞
これらの屋根材は、遮音性に加え、断熱性・耐久性にも優れているため、屋根リフォームの際に検討するのもおすすめです！
現在の屋根がトタンやスレートの場合は、「カバー工法」でリフォームすることで防音効果を高めることができます。
既存の屋根を撤去せず、その上に新しい屋根を重ねて施工する工法です。
この方法では、新しい屋根材の下に野地板や防水紙を敷くため、屋根の層が厚くなり、その結果、遮音性が向上します。さらに、吸音材や断熱材を組み合わせれば、より高い防音効果が得られます！
低コスト … 既存の屋根を撤去しないため、解体・廃材処分費を削減できる
工期短縮 … 短期間で施工可能
二重構造で防音性アップ … 屋根が二重になり、雨音の響きを抑える
この方法は、一般住宅だけでなく、工場や倉庫など「コストを抑えて防音対策をしたい」というケースにも適しています。
ガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板の表面に、セラミック加工された細かな石粒を吹き付けた金属屋根材は、雨音を効果的に分散させるため、防音性能が向上します。
このタイプの屋根材は高い耐久性と優れた安全性を兼ね備えており、新築やリフォームにおいて採用されるケースが増えています。
国内では、デクラ屋根システムの「セネター」やディートレーディングの「ディーズルーフィング」が代表的な製品で、主にニュージーランド・韓国・中国などから輸入されています。
石粒付き金属屋根材は、防音性や耐候性に加え、施工のしやすさやデザイン性の高さも魅力です。美観を重視する方におすすめですが、石粒が付いている分、一般的な金属屋根よりもやや重量が増す点には注意が必要です。
屋根の遮音性を高める方法のひとつとして、
防音効果のある塗料を使用して屋根塗装をするという選択肢もあります。
例えば、日進産業が開発した
防音塗料「ガイナ」は、特殊セラミックを多層構造で配合した塗膜が特徴です。
この塗料の表面には微細な凹凸を持つセラミック球体が形成され、一般的な塗料と比べて表面積が大きくなることで、効率的に音を反射し、屋根に当たる雨音を大幅に軽減できます。
現在、雨音が気になっていて屋根塗装を検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。
ただし、塗膜は時間の経過とともに劣化するため、防音塗装は一時的な対策として捉えておくのが良いでしょう。
屋根に当たる雨音が気になる方に向けて防音対策をご紹介しましたが、室内の音漏れが気になる場合も基本的な考え方は同じです。
「
ピアノの練習を始めたら外に音が漏れてしまうのが気になる」
「
子どもが生まれたので、できるだけ静かな環境を作りたい」
このようなケースでは、屋根の防音だけでなく、建物全体の遮音対策を検討することが大切です。まずはお客様のご要望をしっかりとお伺いし、最適な防音対策をご提案いたします！
音楽スタジオからのご依頼を受け、防音に関する専門家やメーカーの意見も取り入れながら、屋根の防音工事を実施しました。
既存の折板屋根の上に吸音材を全面敷設し、その上から遮音シートをコンパネで挟み込む形で設置。
さらに、その上に金属屋根を施工し、破風や軒天部分にも吸音材を充填することで、隙間を極力なくし、遮音性を向上させることができました。
雨音の問題でご相談いただくケースでは、古いトタン屋根の雨音にお困りの方、またはこれから金属屋根へのリフォームを検討されている方が多いです。
確かに金属屋根は、単体では遮音性が低いため雨音が響きやすいですが、適切な対策を行えば騒音を大幅に軽減できるため、現在では多くの方に選ばれています。
屋根のリフォーム時に雨音が気になる場合や、その他のお悩みがございましたら、街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください！
まとめ
●最も防音性が高い屋根材は瓦ですが、耐震性への関心が高まる中で採用される機会が減っています。
●軽量な金属屋根（ガルバリウム鋼板など）が主流ですが、「雨音がうるさくないか」と気にされる方も少なくありません。
●金属屋根は遮音性が低いものの、防音対策が可能なので、過度な心配は不要です。
●吸音材・遮音シート・断熱材を組み合わせて施工することで、雨音をしっかりと抑えることができます。
●断熱材一体型の屋根材は、雨音の軽減が実証されており、対策として有効です。
●屋根カバー工法でのリフォームなら、防音性の向上も期待できるため、雨音の問題はあまり気にしなくても大丈夫です。
街の屋根やさんが施工している様々な、屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
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