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屋上、ベランダ・バルコニー、どこでもFRP防水が最強である5つの理由
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一般的な戸建て住宅で雨漏りの原因として意外と多い部分がベランダやバルコニーです。
街の屋根やさんで雨漏りの原因を調べていると、ベランダやバルコニーが水の浸入口となっているケースはかなり多いのです。ベランダやバルコニー、陸屋根はほぼ勾配がなく、しかも四方を壁に囲まれていることがほとんどで、構造的にも排水性が悪い部分です。そのため、極めて雨漏りの原因となりやすい場所なのです。
現在、雨漏りに悩まれている方、二度と雨漏りさせたくない方、最も防水性が高い防水方法に興味はございませんか。建物によって向き不向きはございますが、現在において最も防水性が高いのは間違いなくFRP防水です。FRP防水が最強と言われる理由をご説明します。
【動画で確認「FRP防水」】
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防水性なら絶対No.1!なのがFRP防水
現在のお風呂、その浴槽のほとんどはFRPが使われています。FRPは見た目や触った感じがプラスチック樹脂のようなもので、ほとんどの方が目にしたことのあるものです。
「ウチのお風呂もFRP」という方も多いと思います。この浴槽にも使われるFRPで防水工事できたらと思ったことはありませんか。お湯(水)を大量に溜められるくらいですから、そこから漏水してくることはまずありません。ある意味、最強の防水方法ですよね。浴槽にも使われるFRPで防水層を作ってしまうのがFRP防水なのです。防水性では間違いなくNo.1なのがFRP防水なのです。
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
FRPとは
浴槽や貯水槽、船体に用いられるほどの防水性、深海や宇宙で活躍する機体に使われる頑丈さ、これだけの条件でもFRPがとても優れた材料ということが分かると思います。
しかし、FRP防水が最強である理由はこれだけではないです。ここではより具体的にFRP防水の優れている5つの理由を挙げていきます。
FRPの主な用途~身近なところから人類未踏のところまで~
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FRPは一般家庭の浴槽の他、さまざまなものに使われています。
屋外に設置されるベンチ、自動車や鉄道車両の内装や外装、モーターボートやヨットなど小型船舶の船体、貯水槽や浄化槽などの住宅設備などです。
またFRPは深海で調査活動を行うしんかい6500の外郭、人工衛星の素材としても用いられています。深海や宇宙で活躍する機体にまで使われているという頑丈さ、とんでもないものです。
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見た目がほぼプラスチックなので、他の樹脂製品に紛れ込んでしまいがちですが、実はとてつもなく凄いのがFRPなのです。
FRPはFiber Reinforced Plasticsの略称で、日本語にすると繊維強化プラスチックになります。つまり、繊維とプラスチックの複合材で、繊維が内包されることによってプラスチック単体では耐えることができない引っ張りなどに耐え得る材料になるわけです。
繊維に使われる物質にはガラスの他、炭素繊維が用いられることもあります。建物の防水ですと、ガラス繊維とプラスチックの組み合わせが用いられます。
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1.貯水槽、プール、浴槽と水を大量に溜めるものに使われている
貯水槽、プール、浴槽と漏水が起こったら大問題になるものに使われているということです。同じく漏水が起こったら、すぐに事故に繋がってしまう船体にも使われています。水を漏らさないという性能についてはさまざまなところで証明にされており、折り紙つきということなのです。極めて雨漏りしにくい防水方法と言えるでしょう。
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2.継ぎ目がないシームレスな防水層を形成できる
FRP防水はメンブレン防水と呼ばれる施工方法です。メンブレンとは「膜」という意味で、この場合は塗膜防水という意味で用いられます。
基本的に防水する場所に繊維となるガラスマットを敷き、液状のポリエステル樹脂を塗布して硬化させます。シート防水などのように継ぎ目ができず、複雑な形状のところにも防水層を形成できます。
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3.屋上駐車場の防水層に使われるほど頑健
深海や宇宙に対応できるほど、FRP自体が頑健です。人の歩行はおろか、自動車の走行にも耐えられるほどの強度があります。
低層の大型ショッピングセンターで、屋上が駐車場として利用されている場合、ほとんどがFRP防水と言われています。屋上緑化にもFRP防水は用いられており、植物の根にも屈しない強さを持ってています。

4.錆びないし、腐食しない
水が浸透しない材料として金属が知られています。ガルバリウム鋼板などは防水性を高めるために水切り金具としても用いられますが、こちらは年月とともに錆などが発生し、腐食していき、最後は崩れてしまいます。
それに対してFRPは錆などの酸化と無関係ですから、腐食しません。ただし、紫外線などによって劣化はしていきます。

5.軽いから使う場所を選ばない
仕上げや仕様にもよりますが、通常のベランダの軽歩行仕上げの場合、1㎡で3kg未満です。その重さを気にせず、どんな場所にも施工できるということです。軽いと言われるガルバリウムなどの屋根材でも1㎡で約4kgですから、その軽さが際立っていることが分かります。
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最強であるFRP防水のデメリット
数ある防水方法の中でも最強と言われるFRP防水ですが、やはり弱点はあります。
最大の弱点は頑健、その固いことと丈夫さがデメリットになってしまうのです。世の中にはFRP防水が向かない場所や建物も存在します。
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1.FRP防水に向いた建物と向いていない建物が存在する
FRP自体の特性として伸縮性がほとんどないことがあげられます。縮みにくいし、伸びにくいのです。建物は強風や地震の際にどんなものでも変形しており、その変形量が少ないつくりのものと多いつくりのものが存在します。
伸縮性がほとんどないFRPによる防水は変形量が少ない鉄骨造やコンクリート造の建物のに向いています。しかし、変形量が多いとされる木造住宅で特別に大きなベランダやバルコニーとなると、FRP防水は不向きとなるのです。変形量が多い建物の場合、地震や強風などの建物の変形時にFRP防水は縮まないし、伸びないので、ひびが入ったり、割れたりする可能性があります。
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
また、FRP防水自体に変化が無かったとしても、下地から浮いてしまったり、FRP防水層と壁や床の間に隙間ができてしまったりということが起こりえます。ただ、一般的な木造住宅の場合、それほど大きなベランダやバルコニーが備え付けられているわけではなく、10㎡未満のものがほとんどでしょうから、問題になることはほぼありません。
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
2.他の防水方法と較べると費用が高い
シート防水やウレタン防水に較べると平米あたり500~1500円高くなります。一般的な戸建ての場合、ベランダやバルコニーの面積は10㎡程度でしょう。総額で5,000~15,000円程度、高くなるということです。
面積が広いルーフバルコニーなどでは総額の差がより大きくなります。

FRP防水のメンテナンス方法
基本的に約7~10年ごとにトップコートを塗り替えて紫外線による劣化を防ぎます。環境と立地にもよりますが、メンテナンスをした場合の寿命は25年程度です。
寿命を迎えた場合でも表面の状態が良好ならば、その上に再度、FRP防水層をつくることも可能です。
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

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
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他の防水方法との比較
一般的に防水工事には下地と防水層を密着させる密着工法と下地と防水層の間に通気層を設ける通気緩衝工法があります。下地と防水層の間の湿気を排出できる通気緩衝工法の方が耐用年数は長くなりますが、施工費用も高くなります。

メンテナンスと寿命後の改修方法
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FRP防水の実際の施工例
FRP防水工事
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以前、屋根工事のご依頼をいただいたK様のところへ1年点検にお伺い致しました。その点検に訪れる前にご連絡をすると「屋根工事をした部分と別のところで、雨漏りがするようになってしまった」とのことです。屋根の定期点検の他に雨漏りの調査をしたところ、バルコニーから浸水していました。ウレタン防水されていたバルコニーですが、今回はより強力なFRP防水を行います。
点検時の様子
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まずは雨漏りしているというお部屋を拝見させていただきました。水が染み出てくるところを応急処置としてガムテープで塞いであります。そして、天井のクロスにも歪みが出てきています。室内側の被害拡大を食い止めるためにも早い対処が必要です。
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雨漏りしているお部屋の上はバルコニーになっており、どうやらここが怪しいようです。1年前に屋根工事をした際にこちらも点検し、「傷んでいるから早めに工事した方がいい」とお伝えはしていたのですが、このような結果になってしまい残念です。ウレタン防水の塗膜が限界に達しており、避けて穴が開いていました。
養生
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室内側の立ち上がり部分に大小、さまざまな裂け目と穴が開いています。取り敢えずは防水性の高いブチルテープで塞いで養生をしておきます。「軽度の雨なら、これで防げます」とお伝えしたところ、K様はかなりほっとしたようです。
バルコニー防水工事(FRP防水)
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まずは清掃からです。施工する部分のゴミや防水を撤去していきます。その上に新たな下地を作りますので、コンパネ(合板)を隙間無く敷き詰めていきます。この段階から排水性を考えて床面の勾配には気を配って工事を進めていきます。
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床面のコンパネ設置が完了しましたら、立ち上がり部分(周囲の垂直部分)にもコンパネを敷き詰めていきます。こちらも隙間がでないよう加工して組み込んで生きます。床面と立ち上がりの直角になるような部分、バルコニーの角にはこの後、二等辺直角三角形の形をした面目を設置して隙間対策を徹底します。
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まずはプライマーを塗布します。この上にガラスマットやポリエステル樹脂を塗布していきますので、これらの密着性を上げるためです。床面と立ち上がり部の色が変化したことを画像でもご確認できると思います。
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防水層の一層目となるガラスマットの張り込みとポリエステル樹脂の塗布を行います。ガラスマットもポリエステル樹脂もほぼ透明ですので、画像では艶やかになったな程度でしょうが、実は表面はケバケバしています。立ち上がり部を確認してみますと、ガラスマットの繊維を確認することができます。
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防水層の二層目となるガラスマットの張り込みとポリエステル樹脂の塗布を行います。防水層が厚み増したことでガラス繊維のザラザラ感がなくなりました。防水層の施工は通常、二層目で完了です。三層目を作ることもできますが、伸縮性が少なくなってしまうことと防水性は二層目までで十分な性能を確保できています。
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トップコートを塗布していきます。サンダーやサンドペーパーでケレンして、トップコートを密着しやすいようにします。他の建材と同様にFRPも紫外線に弱いため、トップコートで保護します。
バルコニーへのFRP防水工事、竣工
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バルコニーへのFRP防水工事が竣工しました。これで雨の日も安心して過ごせるようになりました。今後、メンテナンスとして定期的にトップコートを塗布して紫外線から守ってあげましょう。約10年に1度の割合でメンテナンスを行っていけば、耐用年数も長くなります。
FRP防水のまとめ
●FRPは繊維とプラスチックの複合材です
●FRPは浴槽やプールといった水を溜める設備として使われているので防水性は最高です
●FRP防水はシームレスな防水層を形成でき、屋上駐車場の防水層に使われるほど頑健で、錆びない・腐食しない、その上軽いという特長があります
●FRP唯一の弱点は伸縮性がないことで、変形の量が大きい木造の広いバルコニーやベランダの防水には不向きです。
●FRP防水は他の防水方法よりも少し費用が高めです