陸屋根・屋上を雨漏りを守る!屋上防水の必要性や工事の種類を紹介!
屋根の形状はさまざまです。ビルやマンションで多く見られる陸屋根は、おしゃれな印象もあるため一般的な戸建てでも用いられることがあります。戸建ての屋上にルーフバルコニーをつくり、洗濯物を干したりくつろぎのスペースにしたりする方もいるようです。安心して使い続けられるように、屋上防水についてもしっかり考える必要があります。紫外線や雨風に晒される場所でもあるので、排水溝の掃除をきちんとおこなうことが必要であるのはもちろん、メンテナンスも定期的におこなう必要があります。
屋外防水については、いくつかの種類がありそれぞれ違いがあります。大切な建物を守っていくためには、状況に合わせて適切な方法で対策をおこなうことが大切です。ここでは屋上防水について、屋上防水が必要な理由や複数ある工法の種類と特徴も含めてご説明します。
雨漏りを防ぐことを目的に陸屋根など建物の屋上に施すのが屋上防水工事です。これは、木造、RC造など建物の構造に限らず必要な工事です。防水機能は、施工方法によっても異なりますが、耐用年数が短いものであれば10年程度の間隔で必要になります。耐用年数が長いものであっても、20年程で必要になってくるものなので、忘れずに点検やメンテナンスをおこないましょう。
劣化が進むとひび割れが生じたり、水溜まりや防水シートのヨレなどが見られたりするようになります。これらの症状をそのまま放置してしまうと、雨漏りが発生する危険が出てくるため定期的に劣化症状が発生していないか確認しましょう。
雨漏りは建物そのものを傷めてしまう原因となります。修理をするにも高額な費用がかかることになるため、雨漏りを未然に防ぐための防水工事は非常に大切なものだと言えます。
屋上防水の主な種類は、以下の通りです。
このようにそれぞれ費用と耐用年数に違いがあります。これら4種類の防水工事について特徴を踏まえて詳しくご紹介します。
シート防水
防水機能があるシートを張り付けることで、水の侵入を防ぐ方法です。以前は、ゴムシートがよく使用されましたが、最近では厚くて丈夫な塩化ビニールシートが採用されることが多いようです。
下地処理が比較的簡単であるため短期間で工事ができ、広い面積を一度に施工できますが、陸屋根の形状によっては施工が難しい場合があります。
ウレタン防水
ポリウレタンという防水性・柔軟性・衝撃耐性をもったプラスチック樹脂を液状にして塗布する工法です。乾いて硬化するとゴムのような材質になり、高い密着力を発揮することから優れた防水材とされています。
液体を塗布する工法のため屋上の形状を選ばず、比較的安価に施工することができますが、乾燥に時間を要するため、他の工法に比べて工期が長くなります。
FRP防水
ガラス繊維のシートと液状のポリエステル樹脂を重ねていくことで防水層を形成する工法です。硬化スピードが早いので短期間で施工ができ、素材が軽いので建物への負担も抑えることができます。
とても頑丈で高い耐久性を誇りますが、伸縮性に乏しいため、建物の動きが出やすい木造住宅などではひび割れをおこしやすく、不向きな工法です。
アスファルト防水
合成不織布にアスファルトを含侵させた防水シートを貼り重ねて防水層を形成する工法です。丈夫であり耐用年数が非常に長いのが特徴で、ビルやマンションの屋上(陸屋根)などに多く見られます。費用が高めですが、防水工事の頻度を抑えられるといった良さもあります。
一方、重量が重く施工時に強い臭いや煙を伴うため、一般住宅で用いられることはあまりありません。
密着工法と通気工法(通気緩衝工法・絶縁工法)の違い
これまで紹介した防水工事の種類とは別に、「密着工法」と「通気工法(通気緩衝工法・絶縁工法)」と呼ばれる工法の種類があります。状況や施工場所によって向いている工法が異なるため、工事を依頼する際は業者に確認してみましょう。それでは、それぞれの工法についてご紹介します。
密着工法
防水層を下地に密着させる基本の工法です。人が歩くことが多い場所の施工に向いています。防水層が軽いため建物への負担を抑えられるほか、費用が安く短期間での施工ができるのも良いところです。ただし、下地の状態によっては用いることができない場合があります。
通気工法(通気緩衝工法・絶縁工法)
密着工法と異なり、下地と防水層が密着しないのが通気工法の特徴です。下地から発生する水分が取り除かれるようになっているため下地の状態に左右されずに施工ができますが、工程が複雑になるため、密着工法に比べて費用と時間がかかります。
下地にひび割れなどが起こっている場合に密着工法を選択してしまうと、下地のひび割れた部分に含まれた水分の逃げ場がなく、防水面が膨らんで裂けてしまうこともあります。通気工法であれば、そういった心配がありません。雨漏りなどの問題がある場合は、通気工法(絶縁工法)をおすすめします。
防水面の劣化にはさまざまな症状が見られます。そのまま放置していることで雨漏りなどのトラブルにつながることもあるため、以下に紹介する症状が見られた場合は一度点検することをおすすめします。それでは、防水面の劣化症状として多く見られる症状と劣化が招く危険性についてご説明します。
色あせ
紫外線などの影響で防水面が白っぽく色あせてくるようになります。色あせが起こっている場合、表面のトップコートが劣化している可能性が高く、再塗装の検討が必要な時期であることのサインです。防水を長持ちさせるためにも、5年くらいで再塗装することをおすすめします。
ひび割れ
地震や経年劣化の影響で表面がひび割れることがあります。さっと見渡して目につくような大きいひび割れがある場合は、防水層や下地までひびが入っている可能性があります。放置しているとその部分から雑草が生えてさらに症状を悪化させることもあるため注意が必要です。小さいひび割れの場合はトップコートの再塗装で対応できるので、いずれにしても早めに業者に相談することをおすすめします。
剥がれ
防水層や防水シートの継ぎ目などが経年劣化により剥がれてしまう症状です。剥がれが起きてしまった部分は当然ながら防水性能が失われていますから、容易に雨水が侵入し、腐食や雨漏りなどが起こりやすくなります。
膨れ
経年劣化の症状の一つで、部分的に表面が膨らんでくることがあります。下地から蒸発してきた水分が下地と防水層との間に溜まって膨らんでしまう症状で、下地が水分を含んでいるのに密着工法で施工された場合や、通気工法が正しく施工されなかった場合など、施工不良が原因となっているケースが多い症状です。
これまで紹介した「ひび割れ」「剥がれ」「膨れ」といった症状は部分的に補修することも可能ですが、被害が大きいときには全体に防水工事をやり直す必要がありますので、被害が拡大する前にメンテナンスを行うようにしましょう。
水溜まり
排水口がゴミなどで詰まり、排水機能に問題があると水溜まりが生じます。水溜まりを放置していると防水層の劣化を早め、ひび割れや剥がれといった他の劣化症状を招く可能性がでてきます。
また、排水機能に問題がなくても防水シートのヨレや地震に伴う建物の傾きや凹みが原因で水溜まりができることもあります。これらが原因で水溜まりができている場合は早急な対処が必要ですので注意しましょう。
ドレン周りや笠木にも注意
ドレン周りや笠木の劣化も屋上からの雨漏りで多い原因の一つです。防水層や下地の劣化症状も気になるところですが、併せてドレン周りや笠木についても注意しておきましょう。
ドレン周り
ドレンとは、排水口のことです。屋上の雨水を排出するために設けられており、屋上に設けられた緩やかな傾斜を流れ集まった雨水が、ここから雨樋や排水管、下水道へと流れていきます。
特に劣化しやすい場所でもあるため、日頃の確認を忘れてはいけないのがドレン周りです。
ドレンにかぶせられているキャップや排水管とのつなぎ目部分は金属製品が数多く使われており、錆の問題がついて回ります。錆びることでずれたり外れたりすると雨漏りの原因となりますし、雨水がスムーズに排出されなくなることでゴミが溜まりやすくなり、詰まりの原因にもなります。
立ち入れる設計の屋上であれば、目視できる範囲で問題がないか確認したり、堆積したゴミを掃除したりすることで不具合を未然に防ぐことができます。
笠木
笠木とは、落下防止を目的として屋上の外周に設置された壁やパラペットなどの頂部を雨や紫外線から守るために設けられているパーツです。基本的に防水性が高い素材が使われていますが、やはり経年によって劣化してしまいます。
劣化して継ぎ目などから雨水が内部に侵入してしまうと笠木に穴が開いたり下地である木材が腐食したりすることもあります。さらに状態が悪化すると壁の内部にまで雨水が入り込み、雨漏りにつながることもあるため注意が必要です。
屋上防水工事の事例をご紹介
事例1:ゴムシートから塩ビシート防水へ全面改修
築30年のアパートオーナー様からのご依頼で屋上の防水工事をいたしました。確認すると、経年による色あせや剥がれなどが目立つ状態にありました。元々施されていたゴムシートでの防水施工の上から、厚くて丈夫な塩ビシートを通気緩衝(機械固定方式)工法でカバーする改修工事をおこないました。
元々のシートの上から通気用のシートを敷き、さらに塩ビシートを敷きました。端部や継ぎ目もしっかり納めていきます。
通気シートの上に600㎜間隔でディスクを取り付け、塩ビシートをしっかり融着したら完工です。ところどころに突き出ているのは下地の湿気を逃がすための脱気筒です。しわや膨れもなくきれいに仕上がりました。
事例2:雨漏りのある屋上をウレタン通気工法で修繕
屋上からの雨漏りがひどい状態にあり、天井の染みやクロスの剥がれが見られました。点検していく中で、雨漏りの原因が塩ビシートに空いた多数の穴であることが分かり、その修繕工事をすることになりました。梅雨が近かったため、その前に修繕したいとのご依頼を受け、緊急で対応させていただきました。
ウレタン防水の通気工法(通気緩衝工法)で上からの雨水をシャットアウトするとともに、既に雨漏りしている下地からの水分を蒸気として脱気させます。
ウレタン防水は屋上の形状を問わず境目のない綺麗な防水膜を作れることが特徴です。お客様には「雨漏りが完全に止まった。思い切って工事してよかった。」とお喜びいただけました。
屋上は室内に比べ、あまり気にすることがない場所かもしれません。しかしながら、建物の中で一番天候の影響を受ける場所なので、定期的なメンテナンスが必要です。
屋上には「使用頻度が高く、日頃からよく出入りがある屋上」と「そもそも立ち入るように造られていない、あるいは滅多に人が立ち入ることがない屋上」の2種類があります。
洗濯物を干したり、くつろぎの場所として屋上を使っていたりする方であれば、異変に気付きやすいでしょう。剥がれやひび割れ、水溜まりなどを見つけることもあれば、排水口の汚れや詰まりにも気づきやすいと思います。気になることが見つかったら、早めに業者に見てもらうことをおすすめします。悪化する前に対応できれば、修繕費用を抑えられるからです。
また、使うことがほとんどない屋上の場合は、劣化や異変になかなか気付くことができません。なかには一般の方が出入りすることを想定していない造りの屋上もありますので、無理をせず業者に相談してください。5~10年程の間隔で定期的な点検を依頼されることをおすすめします。
メンテナンス方法や修繕の必要性について、分からないことも多いと思います。街の屋根やさんは、そんなお客様に代わって丁寧に点検を行い、最適なメンテナンスをご提案するプロフェッショナルです。点検とお見積もりは無料で承りますので、屋上防水の点検、雨漏りや気になる症状などでご不安な方も、ぜひお問い合わせください。
屋上防水の必要性のまとめ
- 屋上(陸屋根)は屋根と同じ役割を持っていますから、防水施工が必須です
- 木造、RC造に関わらず雨漏りを起こし建物の耐久性を維持するために屋上防水は大切です
- 一般的な住宅に使われるのは主に以下の3種類です。それぞれ耐用年数や向いているケースが違います
- ・シート防水
- ・ウレタン防水
- ・FRP防水
- 防水工事には密着工法と通気工法(通気緩衝工法・絶縁工法)があります。通気工法(絶縁工法)なら下地に影響されず施工ができます
- 屋上防水層に色あせ、ひび割れ、膨れ、剥がれ等が見られる場合は補修やメンテナンスをご検討ください
- 屋上からの雨漏りを起こさないため、ドレン周りや笠木の不具合も確認しましょう
- 屋上の点検は危険な場合もあるので街の屋根やさんへお任せください
街の屋根やさんが施工している様々な、屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
お客様の不安を解消できるように、お問い合わせから工事の完成までの流れをご紹介しています。
街の屋根やさんが施工している様々な屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
お客様から寄せられた屋根に関する疑問を、当店スタッフが親身に回答しています。
弊社で行った施工事例をご紹介しています。詳細な説明と写真でわかりやすくお伝えします。
弊社の会社概要になります。街の屋根やさんとはこんな会社です。