屋根リフォームを代表する3種類の工事について特徴と費用感をご紹介!【塗装・葺き替え・カバー工法】
新築から10年経つけれど、このまま何もしなくても良いのだろうか。なんとなく屋根の色がくすんできたように思うけれど、塗装しなくても良いのだろうか。
多くの方が一度きりの買い物となるお住まいの購入ですから、リフォームやメンテナンスに詳しくない方が多いのは当然です。耐用年数は屋根材や塗料の種類によって異なりますが、10~20年程度が経ったら点検やリフォームを検討するタイミングになります。見た目を良くすることだけが目的ではありません。ほかにもさまざまな理由があり、目的に合わせたリフォームが必要になります。
ここでは、屋根のリフォームが必要である理由と、「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3種類の代表的なリフォーム方法についてご紹介します。
現在、屋根のリフォームを検討されている方も、いつごろリフォームをしたら良いのか迷っている方もぜひご参考ください。
新築と異なり、長い年月が経った屋根は色あせが目立っていることも少なくありません。建物全体が古く見えてしまうこともあり、塗装を検討したいと思う方も多いでしょう。その反面、屋根が色あせることくらい大したことではないと思う方もいるようです。しかし、屋根塗装は見た目を良くするだけでなく、ほかにもいろいろな目的があります。そのなかでも特に大きな目的が、屋根そのものの劣化を防ぐことです。
24時間外気に触れ雨風や紫外線を直接受け続ける屋根は、月日と共に劣化が進んでいきます。場合によっては台風や雪の影響を受けることもあるでしょう。屋根の塗料はこういったさまざまな刺激から屋根材を守っています。つまり、屋根の塗料が劣化すれば屋根材を守る力も落ちてしまうということです。屋根材が劣化すれば、躯体にまで影響が出てくる可能性もあります。そうなってしまえば、建物の大きな補修工事が必要になるかもしれません。工事の規模が大きくなれば、それだけ工期も延びてしまいます。このようなトラブルを防ぐために屋根塗装が必要なのです。
また、建築してから長い年月が経っている建物は、塗装だけではリフォームが不十分な場合もあります。防水紙などを交換して雨漏り対策が必要であったり、葺き替えなどが必要なタイミングが来ていたりする場合もあります。
現在、何らかの気になる症状が見られる方も、長くリフォームをおこなっていない方も、ぜひ一度業者に点検してもらうことをおすすめします。早めに異常に気付いて対応できれば、補修にかかる時間も費用も抑えることができます。何かトラブルが起こる前に、業者に確認してもらい状態を把握しておきましょう。
このページでは、屋根リフォームが必要になるタイミングについてご紹介していますので、ご参考ください。
また、劣化に対するリフォームだけでなく、耐震性を向上させるために軽量の屋根に葺き替えを検討される方も増えています。屋根の重さが、耐震性に影響する理由についてご説明します。
屋根の重量が重い建物は重心が高くなります。そのため、地震の際に建物の揺れが大きくなり、建物に負担がかかりやすくます。逆に屋根の重量が軽ければ、重心が低いので揺れも小さく、建物への負担を減らすことができます。壁や梁などが頑丈であれば、確かに安全な建物だと言えますが、長い年月によって躯体が劣化して耐震性能が下がっていることもあるため、屋根を軽くするとより安心できます。
お住いの地域によっても屋根が受ける影響に違いがあります。たとえば、海のそばにある建物であれば塩によって金属部が錆びやすくなりますし、積雪が多い場所では屋根に積もった雪の重みも影響してくるでしょう。ぜひ、屋根の点検と併せてどのような影響を受けやすいのか業者に聞いてみてください。
街の屋根やさんでは、無料点検で屋根の状況を確認し、ご希望に応じて最適なリフォームをご提案いたします。
屋根リフォームで特に多いのが、「屋根塗装」「屋根葺き替え」「屋根カバー工法」の3種です。それぞれのリフォーム方法について詳しくご紹介します。
屋根塗装
屋根塗装はスレート屋根や金属屋根に必要なメンテナンスで、葺き替えやカバー工法に比べると安価でできるリフォームです。
様々な塗料があり、性能や耐用年数に違いがあります。一般的に価格が高くなるほど性能が良く耐用年数も長くなる傾向があるのですが、どの塗料であっても経年劣化は避けられないので、定期的に塗装し直す必要があります。
定期的な塗装を行うことで屋根材の防水性能を維持し、雨漏りなどのリスクを下げることができます。もちろん屋根の外観も綺麗で鮮やかになりますので、気分的にもリフレッシュできるでしょう。
多くの場合、外壁塗装と合わせて屋根塗装が行われます。一緒に塗装すれば足場仮設費用が一回分に抑えられるからです。
屋根カバー工法
現在ある屋根の上から新しい屋根を重ねる工事です。既存の屋根を撤去する必要がないので短い期間で施工できるほか、費用が比較的安く抑えられるとったメリットがあります。また、屋根が二重になることで防音性や断熱性の向上に期待できます。
ただし、注意が必要な点もあります。屋根が二重になるため、屋根の重量が増加してしまうことです。そのため、屋根カバー工法で施工する場合は、ガルバリウム鋼板などの軽量な屋根材をおすすめします。また、下地の劣化が激しい場合や、元々の屋根材の種類によっては屋根カバー工法が難しいこともあります。
葺き替え
屋根リフォーム工事で一番手間と費用がかかるのが葺き替え工事です。
葺き替えとは、現在の屋根材を撤去してから新しい屋根材を取り付ける工事のことです。屋根材にはそれぞれ耐用年数がありますので、どうしても新しい屋根材に替えなければならないタイミングが訪れます。その際、屋根材だけでなく防水紙や野地板などの下地まで劣化が進んでいたりする場合は葺き替えを検討したほうが良いでしょう。
屋根材の寿命を延ばします。
築10年~20年程度の屋根
雨漏りなどの重大な問題が起こっていない屋根
上記のような屋根には塗装メンテナンスが適しています。
スレートやトタン、ガルバリウム鋼板の金属、セメント・コンクリート瓦のお住まいの方は定期的な屋根塗装が必要になります。日本瓦の陶器瓦は塗装が必要ありません。
スレート、金属、セメント瓦などの屋根材は、すでに塗装された状態で販売されていますが、これは色付けだけでなく屋根材の保護のためでもあります。
色あせが目立ってきたら、塗膜が劣化しているサインです。放置していると塗料が屋根材を守れなくなるため、早めにリフォームすることをおすすめします。
一般的な延べ床面積30坪の建物の場合、足場代込みの屋根塗装の費用の目安は約40~60万円です。塗料によっても費用が大きく異なってくるため、慎重にご検討ください。
塗料はグレードによって分類され、耐用年数もそれぞれ異なります。
新築から10年経ったら一度は業者による点検を受けることをおすすめします。劣化状況を考慮しながら、塗装の必要性について検討できるでしょう。塗装をおこなう場合はカラーを変えることもできますので、建物の雰囲気を変えたい方はご検討ください。また、断熱塗料や遮熱塗料といった付加機能を持った塗料もあるので、お住まいが「寒い」「暑い」といったお悩みがある場合は業者に相談してみると良いでしょう。
屋根塗装の施工事例をご紹介
棟板金の補修に併せ苔の生えたスレート屋根を塗装
建坪約48坪
築年数18年
施工期間8日間
費用71.5万円
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
強い風が吹くと屋根から異音が聞こえるとのご相談を受けました。点検の結果、頂部の棟板金が緩んでいることがわかりました。さらに、屋根材であるスレートもすっかり色褪せて苔が生えている状態にあったため、屋根リフォームをご提案しました。棟板金の補修、一部のスレートの差し替え、屋根全体の塗装メンテナンスをおこないました。
スレートの劣化が進んでいたのでエポキシ樹脂系下塗り材を使用してカバーし、上塗りに遮熱効果のある塗料を使いました。3階建てで太陽光を浴びやすい屋根ですが、室内が暑くなりにくいなどの効果が期待できます。
塗装10年目、錆の目立ち始めた折板屋根を塗装
建坪約15坪
築年数25年
施工期間3日間
費用35万円
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
10年程前に塗装メンテナンスをされている折板屋根です。点検によって塗膜の劣化がわかったのですが、錆の目立ちも気になりました。
錆と古い塗膜をサンドペーパーやワイヤーブラシなどで丁寧に削り取り、錆止め下塗り後、中塗り、上塗りをおこないました。
ボルトも全て錆びていましたので、塗装後に保護用のボルト用キャップを被せました。10~15年の耐候性が期待できる塗替え工事です。
現在の屋根の上から新しい屋根材でカバーします。
築20年~30年程度の屋根
大きな破損などなく野地板が丈夫な屋根
上記のような屋根には屋根カバー工法が適しています。
屋根カバー工法は既存の屋根を撤去せずに、上から新しい屋根材を被せる方法です。屋根材を撤去したり、撤去した屋根材を処分したりする必要がないので、その分費用も安くなります。できるだけ費用を抑えて屋根工事をしたい方にもおすすめです。
スレート屋根や金属屋根などフラットな屋根材であれば、屋根カバー工法が可能です。瓦屋根は表面に凹凸があるため施工できません。また、下地が良い状態かどうか確認することも必要です。防水紙や野地板などの傷みが進んでいると、せっかく施工しても長持ちしないからです。
また、注意しなければならないことがあります。それは「アスベスト」についてです。
2005年以前の建物にはスレートにアスベストが含有している可能性があります。アスベストを撤去する場合、手作業でおこなう必要があり、産廃処理費用も必要になるため費用が高額になりやすく、そこにお悩みの方もいるようです。予算オーバーの場合にはカバー工法を選択して費用を抑えることもあります。
とはいえ、アスベストの根本的な問題の解決にならないので、いつかは向き合う必要がある問題です。
令和4年4月1日より、建築物等の解体・改修工事をおこなう施工業者は、大気汚染防止法に基づき石綿(アスベスト)含有建材有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務づけられています。
街の屋根やさんでは基準に則った正しい調査・報告を実施しています。
カバー工法を選んだ場合の費用の目安は、30坪で約100~200万円程度となっています。屋根材の種類などよっても異なりますので、詳しく知りたい方は見積もりを依頼すると良いでしょう。
屋根カバー工法の施工事例をご紹介
塗装できない屋根材パミールをガルバリウムでカバー工事
建坪約27坪
築年数22年
施工期間8日間
費用139.7万円
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
ご近所の方から屋根が剥がれているとご指摘を受けてリフォームを検討されたそうです。こちらの屋根材はパミールという製品で、劣化すると写真のようにミルフィーユ状に剥がれてきます。塗装をしてもすぐに剥がれてしまうほか、すでに築20年以上経っているため、屋根カバー工法をご案内いたしました。
カバー工法の場合、あらかじめ屋根を平坦にしておく必要があるため、棟板金などの部材を撤去し、既存の屋根材の上から防水紙を敷きます。こうすることで、元々の屋根に問題があっても確かな防水対策ができます。
新しい屋根材は軽量さが魅力のガルバリウム鋼板です。遮熱顔料が塗布されているほか、断熱材入りの屋根材をお選びいただいたため、金属製の屋根ではありますが暑さの心配もなく、快適にお過ごしいただけるでしょう。
劣化が目立っていた屋根がきれいな屋根に生まれ変わりました。お客様からも、「予想以上の出来栄え」と喜んでいただけました。
風で剥がれかけた立平葺き屋根をカバー工法でリフォーム
建坪部分工事
築年数40年
施工期間1日間
費用18.5万円
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
屋根がバタバタしているとのご相談でお伺いすると、金属屋根の端に取り付けられたケラバ板金が歪んで外れている状態でした。既存の屋根に雨漏りなどの不具合はなかったので、部分的に、薄くて丈夫なガルバリウム鋼板を上から被せる形で補修しました。
屋根の端部は傷みやすいので注意が必要です。今回も端部に設置されているケラバ板金の破損が原因でしたので、新しい板金は入念に取り付けます。部分的な補修が可能であったことで費用を抑えられ、お喜びいただけました。
屋根を下地から新しくします。
築20年~30年以上の屋根
カバー工事出来ない瓦屋根
下地までダメージがある屋根
上記のような屋根には屋根葺き替えが適しています。
カバー工法は、現在の屋根の上からあらたに屋根を取り付ける方法ですが、葺き替えは全て撤去した上で新しい屋根を設置します。
屋根材によってそれぞれ耐用年数が違いますので、目安にしながら検討しましょう。ただし、下地である野地板と防水シートの耐用年数が20~30年となっているため、屋根材だけでなくこれらの耐用年数を把握した上で葺き替えのタイミングを検討する必要があります。
日本瓦などの耐久性が高い屋根材のお住まいの場合、劣化が進んでいなければ一旦瓦を降ろして再度葺き直すことも可能です。
→屋根葺き直しについて詳しくはこちら
一般的な30坪の建物で屋根の葺き替えをおこなう場合、費用の目安はトータルで100~300万円程度となり、下地の状態や新しく取り入れる屋根材によって費用が大きく異なります。正確な金額が知りたい方は業者へ見積を依頼しましょう。
葺き替えの場合、豊富な選択肢の中から屋根材を選ぶことができます。これを機に軽量の屋根材を選ばれることをおすすめします。ガルバリウム鋼板などの軽い屋根材に葺き替えれば建物への負担が減り、耐震性の向上が期待できます。
スレートからスレートへ葺き替えできる?
結論から言えば可能です。葺き替えの際に選択できる屋根材は、現在の屋根材と同等以下の重さの屋根材となります。なるべく軽い屋根材への葺き替えをおすすめしますが、スレート屋根の雰囲気を変えたくない等のご要望がある場合にはスレート屋根からスレート屋根の葺き替えが可能です。
屋根葺き替えの施工事例をご紹介
雨漏りのあるセメント瓦屋根を葺き替えリフォーム
建坪約18坪
築年数40年
施工期間6日間
費用150万円
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
長くお住まいのセメント瓦屋根の劣化が進んでいて、雨漏りが起こっている状態でした。地震や台風に備え、軽量な金属屋根材にて葺き替えをおこなうことになりました。
野地板はバラ板で施工されていましたが、耐久性に不安があるため上から合板を増し貼りして強化しました。
野地板を増し張りした分重量は増しましたが、それでも元々の屋根の1/4~1/5程度の重量に収まっています。
軽量瓦ルーガに葺き替えで耐震性アップ
建坪約32坪
築年数30年
施工期間14日間
費用270万円
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
耐震性を上げることを目的に屋根リフォームをしたいとのご依頼を受けました。土を使った工法で1坪約300kgあった屋根を軽量瓦に交換しました。
瓦と下地の葺き土、杉皮のすべてを撤去しました。野地板と防水紙の傷みが激しかったため、野地板を補強してから新しい防水紙を敷設しました。防水対策もばっちりなので、これからはより安心して暮らしていただけるでしょう。
新たに設置した屋根材のルーガは重量が非常に軽く、一般的な瓦の半分程度の重さしかありません。また、葺き土も撤去したので屋根が大幅に軽くなりました。
スレートからスレートへの葺き替えで直らない雨漏りを解決
築年数40年
施工期間3週間
費用約200万~300万
※費用は一例です。施工面積、工法、屋根の状態等により変わります。
すでに雨漏りを改善するために補修工事をされていたそうですが、解消できずにお困りとのことでした。雨漏りは原因が一つだけではない場合も多いため、一度補修しただけでは改善されないこともあります。点検によっていくつかの経年劣化が見つかったため、屋根全体の葺き替えをすることになりました。
スレートを外したところ、防水紙と野地板がだいぶ劣化していることがわかりました。新しく敷設し直し、ケイミューのコロニアルグラッサできれいに仕上げました。
屋根材を守るためにおこなう屋根塗装、劣化が進んだ屋根全体を交換する葺き替えやカバー工法など、さまざまな屋根リフォームがあります。検討される方にまず考えていただきたいことは、「今後お住まいをどれくらいの間使っていくのか」ということです。なぜなら、維持したい期間によっておすすめできるリフォーム方法が異なるからです。
10年程度であれば塗装や瓦の差し替えだけで対応できますが、これから15年、20年と長い期間維持させたい場合は、葺き替えやカバー工法で屋根全体のリフォームをおこなうほうが安心です。
リフォームローンを利用することで、少ない予算でも希望通りのリフォームを行うことも可能です。自治体によっては助成金が出る場合もあるので、こちらも併せて検討してみてはいかがでしょうか。
10年に一度は点検を!
屋根は高い場所にあるため、自分で確認するのが難しいものです。そのため、釘の緩みや下地の劣化に気づけないことも少なくありません。雨漏りなど、目に見える範囲に影響が出て初めて問題が起こっていたことに気づく場合も珍しくありません。
こういったことをできるだけ防ぎ、安心して暮らすためにも10年に一度は業者に点検してもらうことをおすすめします。被害が小さいうちにトラブルを把握できれば、補修の規模も小さくて済むので費用も抑えられます。
街の屋根やさんでは点検・お見積もりは無料です。
気になることがある方も、長い間リフォームをおこなっていない方も、まずはお気軽にお問合せください。
代表的屋根リフォーム3種のまとめ
- 屋根は毎日紫外線や雨風にさらされ劣化を続けています。雨漏りなどの被害に遭う前にリフォームをご検討ください
- 代表的な屋根リフォームは、屋根塗装、屋根カバー工法、屋根葺き替えです
- ・屋根塗装
- ・屋根カバー工法
- ・屋根葺き替え
- ・新築から20~30年以上で検討
- ・屋根の問題が全て解決
- 屋根リフォームはご家族や将来のことも考慮し検討しましょう
- 10年に一度は屋根の点検をおすすめします
街の屋根やさんが施工している様々な、屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
お客様の不安を解消できるように、お問い合わせから工事の完成までの流れをご紹介しています。
街の屋根やさんが施工している様々な屋根工事と屋根リフォームの一覧をご紹介します。
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