破損した棟板金の点検調査

令和元年に発生した台風により、Ｔ様邸（金属屋根）の棟板金の一部が落下しました。

落下した板金は玄関付近に置かれており、僅かに錆びが見られることから、飛散していない板金も劣化が進んでいる可能性が考えられます。

早速、屋根に上がって調査を実施しましたが、応急処置や養生が行われた形跡は確認できませんでした。

剝き出しになっている貫板には変色が見られ、雨水を吸収して腐食が進んでいる状態でした。

腐食や劣化が進行すると、棟板金を固定している釘が抜けやすくなり、飛散のリスクが高まります。

屋根点検で貫板の劣化を確認し、調査報告を元に相談したところ、Ｔ様から「この機会に屋根全体の棟板金を交換したい」とのご要望をいただきました。

お客様は火災保険に加入されており、今回、保険を適用した棟板金交換工事を実施する運びとなりました。

棟板金交換工事

既存の棟板金を撤去

工事では、貫板も含めて全て新しいものに取り替えるため、飛散していない棟板金も撤去します。

棟板金を全て取り外すと、下地の貫板が露出しました。

確認したところ、貫板は腐食がかなり進行しており、手で触れるだけで簡単に崩れてしまう状態でした。

新規の「貫板・棟板金」を取り付け

撤去作業では、ゴミや埃（ほこり）が発生するため、作業後に箒で丁寧に清掃します。

その後、新しい貫板と棟板金を取り付けていきます。

板金自体は既に加工されていますが、屋根の形状は建物ごとに異なるため、繋ぎ目や端部の折り曲げる加工などは現場で職人が行います。

まさに熟練の技が求められる工程です。

完工

工事は無事に完了しました。
今回のように「台風で棟板金が飛散した」という相談は非常に多く寄せられています。

貫板は棟板金で覆われているため、飛散して初めて腐食に気づくケースがほとんどです。
私たち「街の屋根やさん」では、屋根の無料点検を行っており、屋根だけでなく外壁などの調査も実施しています。

住宅の劣化を早期に発見するためにも、ぜひ一度ご利用ください。