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【お問い合わせのきっかけ】
担当:白井
葛飾区堀切にお住いのH様邸にて施工を行った庇屋根交換工事の様子をご紹介しております。H様よりお問い合わせを頂いたきっかけは「屋根の板金が落下しているので調査、見積りをお願いしたい」と屋根調査の依頼でした。屋根調査を行い大きな問題はありませんでしたが今後のメンテナンス面も考え金属屋根への屋根カバー工事のご依頼を頂きました。(屋根カバー工事の施工事例はこちらになります)
屋根工事の際に足場の仮設を行いましたので、建物全体の状態も確認したところ庇屋根の下地に腐食が見られ板金の固定が弱くなっているのが確認できました。近年は台風の勢力も強くなり建物への強風での被害も多く発生しておりますので、板金の固定が弱くなっている現在の状態では今後強風の際に板金が捲れてしまう等の心配がありました。H様に庇の状態をご説明し工事のご提案を行ったところ、屋根工事をせっかく行ったので修理が必要な部分があるのであれば今回の工事でまとめて直してしまいたいと庇屋根交換工事のご依頼を頂きました。
担当:白井
施工前 |
施工後 |
庇(霧除け)調査の様子になります。H様邸には庇屋根が2階に4カ所、1階に1カ所ありました。築20年が経過しておりメンテナンスを行っていなかった為、既存の庇を見ると塗装の色褪せが全体に出ており部分的には錆の発生も見られました。庇屋根には板金が使われており、板金の表面は塗装で保護されておりますので年月が経過してしまうと塗装が劣化し鉄部の錆へと繋がってしまいます。
庇板金の下地となっている野地板には、表面がはがれてしまっている部分が多くあり下から覗き込んだところ腐食が進行し穴あき等の症状が発生しておりました。野地板に触れてみると前日の雨の影響か湿っている感じがあります。また、腐食が進行している部分では野地板が柔らかくなっており下地の交換が必要な状態でした。
庇屋根の板金は木下地に釘で固定されていますので、下地の劣化が進んでしまうと釘が下地に効かなくなってしまい固定力が低下してしまいます。強風の際に庇屋根の板金が捲れてしまうといった事例も多く発生しておりますのでこのままの状態では、台風シーズンに入った際に強風で板金が捲れてしまったり、飛ばされてしまうといった危険性がありました。
木下地の劣化以外も複数の気になる症状が見受けられました。板金を木下地に固定している釘を確認すると5カ所ある庇屋根全てに釘の浮きや抜けが複数個所確認できました。板金の釘浮きや抜けは、主に温度変化による板金の膨張や収縮により発生します。夏場の日中は気温が上昇し板金の膨張が発生する事に伴い釘が外側に引っ張られてしまいます。気温が下がる夜には、板金が収縮し元の大きさに戻りますが引っ張られた釘は置き去りにさてれしまいますので釘の浮きへとつながります。要因は、板金の収縮以外にも貫板の劣化等の様々な要因があげられますが、板金の固定が弱まることで強風により板金が飛散し周囲の建物や人に当たってしまう二次被害や雨漏りの恐れが考えられまので定期的な点検・メンテナンスが欠かせません。
また、板金と外壁の取り合い部分にはシーリングが施されておりましたがひび割れ等の劣化症状が発生しており、木下地の劣化を考えると壁際の取り合い部分から雨水が浸入し下地の劣化を招いたと推測できます。
上記の症状をお客様にご報告し庇屋根交換工事をご提案したところ、メンテナンスの必要性をご理解いただき追加での工事依頼を頂くこととなりました。
庇(霧除け)交換工事の費用は税込み132,000円より承っております。庇の交換にあたり外壁の交換等が必要となる場合には別途お見積もりが必要です。
今回の施工ではご予算の都合もあり野地板の劣化が著しく発生している2カ所の庇屋根交換を行います。残りの3か所では、下地の傷みがなく気になる症状としては釘の浮きでしたのでこちらは、ビスへの打ち換えを行います。
庇屋根交換の様子になります。先ずは既存の庇板金の撤去を行います。板金は下地に釘で固定されておりますのでバールやハンマーを使用し釘の撤去を行い板金の固定を緩めます。壁際部分は外壁に埋め込みとなっておりましたのでディスクグラインダーと言う電動工具を使用し壁際で板金に切り込みをいれて外壁との縁を切ります。釘の撤去と壁際との縁が切れましたので板金の取り外しが可能となります。
既存の板金を取り外すと野地板との間には防水紙が敷設されておりましたが軒先部分の長さが少し短くなっておりました。板金内部に回った水分は防水紙を伝い軒先に運ばれますので軒先にかけ腐食の症状が多く出ています。軒先以外にも野地板が水を吸ってしまい雨染み等の腐食が発生しておりました。
野地板の撤去が完しました。庇屋根の内部は中々見る機会が無いと思いますが写真のように木材で枠組みを作成し回りを板金やボードで覆っている構造になっています。庇を構成している木材には表面の変色はありましたが、腐ってしまい強度がなくなっている様子はありませんでしたので枠組みは既存の物を活かして施工を行います。
傷んでしまった野地板を撤去したら新たな野地板の設置を行います。野地板は構造用合板12㎜を使用しました。厚みがある野地板を使用し庇の垂木(枠)にビスを使用し固定を行いますので、強固な下地を形成することが出来ます。
野地板の張替え後は縁周りに板金を加工した唐草の設置を行います。唐草の設置を行うことで上に被せる板金と唐草を嵌合させ一体化できます。唐草を固定しているビスは野地板に固定を行いますがこの後防水紙の敷設を行いますので万が一水が回り込んでもビス穴から水が浸入してしまう心配もありません。
続いて防水紙の敷設を行いました。防水紙敷設の際には、雨水の浸入も考慮し壁際に立ち上げを設け縁周りに設置した唐草板金に被るように敷設を行います。このように設置を行うことで万が一雨水が壁際から浸入した際に水が壁際に立ち上げている防水紙を伝い軒先に排水されますので野地板に水が触れず腐食のリスクを低減することが出来ます。
板金の設置を行います。事前に寸法を測り加工を行った板金を使用しましたのでスムーズに施工が進みました。板金を被せたら壁際に設けた立ち上がり部分をパッキンが付いたSUSビス(ステンレス製)で数カ所固定を行います。ゴムパッキンが付いたビスなのでビス穴からの水の浸入リスクが低くステンレス製なので腐食しにくく耐久性にも優れています。ビスでの固定は壁際のみとなりますが、先ほど設置を行った唐草に板金の縁を折り込み嵌合させますのでビスでの固定をしなくても強力に固定を行うことが出来ます。
板金の固定が完了したら、壁際との取り合い部分にシーリング処理を施し雨水の浸入をシャットアウトします。庇屋根の傷みの原因は、壁際からの雨水の浸入によるものが殆どです。壁際の雨仕舞は、しっかりとした対策が必要になりますので注意して施工が必要です。
施行が完了となりました。野地板の腐食により板金の固定が弱くなってしまっていた庇屋根ですが今回の施工で野地板を含めた全体の交換を行いましたので心配していた強風での飛散リスクを最小限に抑えることが出来ました。お客様にも工事完了後にご確認いただき仕上がりにも満足いただきました。
私達「街の屋根やさん」では、引き続き新型コロナウイルスの感染対策を徹底して行っております。飛沫感染のリスクを防ぐ為必ずマスク着用でお伺いさせて頂き、お客様やスタッフの安全管理を徹底しておりますのでお困りの際はお気軽にご相談頂けますと幸いです。
【工事前】
【工事後】
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