【お問い合わせのきっかけ】

ビフォーアフター

点検の様子

　調査にお伺いしたのは横浜市戸塚区上矢部町にある2階建てのお住まいです！

　棟違いの切妻屋根が印象的で見る方向で雰囲気が大きく変わるお洒落なお住まいでした。
　今回は台風で屋根の板金が外れてしまったという事でしたので、さっそく大屋根に梯子をかけ調査を行いました。

　屋根の板金で風災の影響を最も大きく受けるのは、屋根頂部に取り付けられた棟板金です！

　釘が浮いていたり抜けている状態ですと、台風時に一気に煽られ飛散する事故は珍しくありません。
　また調査時に被害があればすぐに気が付く部分です。

　しかし今回棟板金は外れてもいない状態でした。

　被害を受けたのは屋根面です。

　屋根材はアスファルトシングル材と呼ばれるシートのような柔らかい素材の屋根材ですが、アメリカではほとんどのお住まいで使用されているメジャーな屋根材です。

アスファルトシングル材とは

 

　近年日本でも多く使用されるようになった屋根材ですが、その特徴は柔軟性と軽さです！

　カッターで切断できる為加工が容易で、専用の接着剤と釘を使用しながら葺いていくという簡単な施工ですのでDIYでも使用することも可能です。
　金属素材やセメント素材とは異なりますので経年によるヒビや錆もなく、表面に吹き付けられた石粒が高い意匠性・防音性を発揮させます。

　表面に吹き付けられている石粒は施工直後落ちることがありますが、表面の余分な分だけですので屋根材自体に問題はありません。
　劣化が進行すると必要以上に石粒が剥がれてしまうことがありますので、コケや藻の付着防止等も兼ね、水性塗料での屋根塗装を検討しましょう。

　また、1㎡あたり9～12㎏程度と軽量で耐震性向上にも効果的ですし、カバー工法を行うこともできます😄

　注意点としては強風に弱いという事です😥

　非常に薄く柔らかい屋根材ですので、風で捲れてしまうことがあり、接着が不十分な場所は一気に剥がれてしまうこともあります。
　今回、台風時にものすごい風が吹いていたということで、アスファルトシングル材が一部剥がれてしまっていました！

　筋のように色が変わっている部分は接着剤で固定していた部分、丸状に白く見えるのが釘の頭です。

　上に重なっていたシングル材が剥がれてしまっていた為、下部の固定部が露出してしまっていました。
　幸いにも確認が早く雨漏り等も起きていませんが、釘穴が露出していると雨漏りのリスクも高まってしまいますので早い復旧工事が必要となります。

 

　ご存じの方も多いと思いますが、今回のような風災における修繕には火災保険を利用することが可能です！

火災保険の利用条件

 

　お住まいを購入・建築された際、リフォームローンを使用された方は必ず加入されている火災保険は火災による被害の補償だけではありません！

　風災や雹等の自然災害等での補償も加入時に選択されていれば、被害に応じて申請することができます。
　火災保険で申請できるのは3年以内の自然災害で被災した部分の復旧工事を目的とした工事費用の補償です。

 

　例えば棟板金が2m飛んでしまった場合、棟板金を復旧するための新規の下地・棟板金、作業費、そして屋根の勾配や高さによっては欠かせない足場仮設工事費用、処分費もあわせて請求することができます！
　だからといって、ついでに交換しておこうと被害を受けていない残りの棟板金の交換工事費用は申請できません。

　申請時に破損した製品が廃盤になっている場合は、後継商品を使用しての補修は申請が可能です。
　ですが木材からガルバリウム鋼板等、グレードを上げるような申請は出来ません！

　そのため一定の条件は必ず存在しますが、現状復旧のための費用は申請することができますので、ぜひご活用いただければと思います😊

ご提案内容

　今回剥がれてしまったアスファルトシングルは数枚です。

　ですがアスファルトシングルだけでなく横葺き屋根材は軒から棟に向かって重ねながら葺いている為、部分的な張替ができません😰
　現状復旧を行うにはその部分まで屋根材を剥がし葺き直すのですが、その過程で防水紙も傷んでしまうためどうしても該当する面の葺き替え工事が必要です。

　また、2階建てですので安全性・作業性を考慮しての足場仮設・飛散防止用のメッシュシートも必要となります。
　これらの内容で火災保険を申請し、１～2週間程で補償範囲の結果を待ちます。

　工事内容によっては減額等もありますので、火災保険を期待しての工事をご検討中の方は結果を待ってからの工事依頼を行うようにしましょう。

 

　ちなみに火災保険は申請後、それどおりの工事を行う義務はありません！
　申請はしたが補修範囲を狭めて補修することも可能ですし、極端な話工事を行わなくても良いのです。

　その補償金に関しての用途は決められておりません。
　ただし、同じ場所の復旧工事として再度申請することはできませんので慎重にご検討ください！

品番・品目	数量	単位	単価	金額	備考
仮設工事					193,800
作業用足場架け払い	228.0	㎡	700	159,600
養生メッシュシート	228.0	㎡	150	34,200
面葺き替え工事					522,390
既存シングル材撤去	29.0	㎡	3,600	104,400	役物含む
野地板補修　調整	29.0	㎡	1,600	46,400
下葺き	29.0	㎡	900	26,100	改質ゴムアス
本葺き	29.0	㎡	4,850	140,650	リッジウェイ
換気棟　2P	1	ｶｼｮ	35,000	35,000
棟板金	5.8	m	5,500	31,900
雪止め金具	7.8	m	2,300	17,940
役物復旧調整	1	式		45,000
発生材処分	2.0	㎥	25,000	50,000
資機材運搬費	1	式		25,000

点検後のアンケート

施工の様子

　工事の様子です！

　まずは足場仮設ですが道路に面したお住まいの為人や車の通りも多くなるため、周りを確認しながら慎重に作業を進めます。
　飛散防止用のメッシュシートは風で煽られやすくなるため、必要な作業時にのみ張るように対応致しました。

　今回補修を行う屋根面です。
　かなり綺麗な状態ですが一度剥がせば再利用できなくなります。

　その点和瓦は割れない限り再利用ができるので便利ですね😊

　屋根材を剥がすにあたってはまず頂部にある棟板金を取り外します！

　棟板金も取り外す際に傷がついたり多少の変形が起きますので、撤去後は新規棟板金を取り付けます。

　板金を取り外すと下地の木材が出てきます。
　貫板と呼ばれる下地材ですが、こちらも取り外し撤去していきます。

 

　ちなみに棟板金の釘浮きや抜けが起こり屋根材との間に隙間ができていると、雨水が吹き込み貫板を更に腐食させてしまいます。
　今回は非常に綺麗ですが、黒ずみが酷かったり貫板が割れているというお住まいも見かけることがありますので、10年程度で一度点検を行うようにしましょう！

　貫板を剥がした状態です。

　アスファルトシングル材は柔らかい為、棟もシングル材で施工されているというお住まいもございます。

　今回は換気棟を取り付けるために板金だったのでしょう。
　ここから補修する面のアスファルトシングルを剥がすにあたって一本一本釘を抜いていきます！

　途中まで屋根材を剥がした状態です。

　緑色のシートが防水紙と呼ばれる下葺き材です。
　アスファルトシングル材はこの防水紙の強度を高めたイメージですね。

　ちなみに屋根材を剥がす際にどうしても防水紙にも穴が開いてしまいます。
　このまま屋根材を葺き直しても防水紙の穴部分から雨水が入り込む可能性もありますので、しっかり屋根材を剥がしきってから防水紙を葺き直します！

　

　グレーのシートが新規防水紙です。

　軒側から棟に向かって重ね葺くことで雨水を浸入させない仕上がりになります。
　防水紙にもいくつか種類・グレードがありますが、今回使用したTAJIMAのPカラーEX＋（プラス）は改質アスファルトルーフィングと呼ばれるタイプで、シール性がありタッカーで開けた穴を自発的に埋めてくれる性能を持ちます。

　それによって劣化しにくく雨漏りを起こしにくい下地を維持してくれます。

　他にも粘着式の防水紙や60年以上の寿命を持つ製品もありますので、屋根材の耐用年数に応じて選ぶようにしましょうね！

 

　新規屋根材は同等品として旭ファイバーグラスのシングル材、リッジウェイを使用します！
　2層の構造とランダムな粒状彩色石のグラデーションカラーで織り成す仕上がりが屋根に立体感を与えます😄

　屋根材を釘が隠れる十分な長さまで重ねながら、丁寧に釘で固定していきます。

　軒先3列程度までで雪止め金具もしっかり釘固定をし、ここから棟までは同じ作業を繰り返していきます！

　施工範囲が広がる程グラデーションから、膨大な量の屋根材を使用しているかのような錯覚を起こしますが、化粧スレートや金属屋根材とはまた違う柔らかい印象を受けるのもアスファルトシングルの良さですね。

　換気棟、棟板金を取り付け直せば工事は完了です！

工事を終えて

　火災保険を利用し台風被害を受けた片面の屋根葺き替え工事が完了しました！

　上述しましたが、施工直後はアスファルトシングル材表面の余分な石粒が剥がれて雨樋や敷地内に落ちるかもしれませんが、余剰分が無くなればそれ以上の剥がれは無くなります。
　今後は今回のような台風被害をチェックすることが大切ですし、定期的なメンテナンスとして水性塗料での屋根塗装メンテナンスを推奨しています！

 

　私たち街の屋根やさんでは今回の屋根葺き替え工事で施工保証8年をつけさせていただいております。
　それに合わせ隔年定期点検にお伺いいたしますので、屋根の状態だけでなくお住まいに対して不安や気になる点がございましたらお気軽にお申し付けください！

　今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m

　記事内に記載されている金額は2023年12月06日時点での費用となります。
　街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
　そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。

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