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【お問い合わせのきっかけ】
担当:白石
八千代市八千代台南にお住まいのY様は屋根に載せているソーラーパネルが使用できなくなり、必要性が無くなってしまったことをきっかけに屋根の補修工事をご検討されていました。 現状として瓦屋根では雨漏り等の不具合も起きていないようですがしばらくメンテナンスはされていないようですので、ソーラーパネルを撤去するタイミングで必要なメンテナンスをとのことでした。ただし隣家が解体中で新たに建築する前の補修をご希望されており、早く対応できる屋根工事業者を探されていたようです。私たち街の屋根やさんはお客様のご都合に合わせ出来る限り柔軟に対応させていただきますので、気になることはぜひご相談ください。 今回は急勾配屋根に設置されたソーラーパネルの撤去及び、乾式工法による棟の取り直し工事を行いましたので、注意点を踏まえ施工の様子をご紹介したいと思います。
担当:白石
調査にお伺いしたのは2階建て、白い外壁とオレンジの屋根が特徴的なお住まいです。以前は隣家があり屋根の様子を確認することも難しかったようですが、隣家が工事中ということを踏まえ迷惑をかけないこのタイミングでのメンテナンスをご希望されていました。近隣周辺の環境で梯子がかけられないというお住まいもございますので、ぜひこのようなタイミングは活かすべきです。
ちなみに私たち街の屋根やさんでは狭小地住宅や梯子では届かない建物の場合、ドローンでの点検を承っておりますのでお気軽にご相談ください。
早速屋根の様子を見ていきます。使用されているのはオレンジに着色された釉薬瓦です。洋風な雰囲気を漂わせるオレンジ色の瓦は洋瓦とも呼ばれることがありますが、洋瓦はどちらかというとS瓦・M瓦のような、波を打ったような大きな凹凸が印象的です。施工やメンテナンス方法自体に違いはありませんが、瓦の形状だけでお住まいの印象すらも変わるのも瓦の面白いところだと思います。
メンテナンスを検討されたきっかけでもあるソーラーパネルは寄棟屋根の1面に固定されていました。修理をすれば使えるようですが、修理費用が掛かる割にはリターンが少ないという事で撤去される方も多いようです。ソーラーパネルがある事で屋根のメンテナンスが出来ないと頭を抱える方も多いようですので、何事も一長一短です。
大棟と呼ばれる頂部の棟を見るとセメントのような漆喰のようなものが剥がれてしまっています。また内部に入っていたであろう瓦の破片も顔を出しており、いつ滑り落ちてしまってもおかしくない危険な状態です。現状雨漏りは起こしていないようですが、棟と平瓦の間から雨水が入り込んでしまい雨漏りを引き起こすことは多々ありますので、この機会にしっかり補修をしていきましょう。
屋根の上部から見下ろしたようです。中央にある小さな屋根の下には窓があるお住まいですが、ドーマーや鳩小屋と呼ばれる部分です。採光や通風を目的として取り付けられているお住まいは多いのですが、その形状がおしゃれという理由から好まれる方も非常に多いです。
ドーマーや鳩小屋の注意点としては雨漏りです。見ての通り屋根の流れを遮るように新たな屋根を葺くため、両側は谷板金、小さな棟と大きな屋根の取り合い等雨漏りを起こすリスクが若干高くなります。よっぽどのこだわり等がない場合はシンプルな切妻屋根や寄棟屋根が最も雨漏りリスクが低いのです。
谷板金にはガルバリウム鋼板が使用されているようですが、既に表面が劣化し錆が発生してしまっているようです。谷板金の交換を行う場合はその周辺の瓦は全て取り外さなければなりませんので補修費用も高くなるということを頭に入れておきましょう。
気になる他の部分としては棟瓦を固定する釘の浮き、雨どいに溜まる瓦の破片です。数段積み上げられるような棟の場合は漆喰に合わせ銅線で瓦をまとめるように締め固定したり、瓦に銅線を通し固定することもあるのですが今回は冠瓦のみの棟です。下地は後程ご紹介しますがビスや釘で固定されているだけですので抜けてしまえば飛散してしまいます。釘を打ち込んでみてしっかり固定されれば問題有りませんが、すぐに浮くようであれば下地の腐食が起きていると考えられます。しっかり状態を確認した上でメンテナンスを検討しましょう。
今回は棟部分の漆喰が剥がれてきている事、釘の浮きが多くみられたことから棟の取り直し工事をご提案させていただきました。漆喰の詰め直し工事を行えば表面は綺麗に仕上がりますが、下地の腐食を改善することはできません。棟全てですと計25mになり費用も掛かってしまいますので、お客様とご相談させて頂いた結果、特に劣化のひどい部分(7m)を漆喰を使用しない乾式工法で補修していきます。
また今回はソーラーパネルの撤去もありますがそもそも勾配が急な屋根ですので、安全性・施工性の簡単から屋根足場も設置させていただきます。
品番・品目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
仮設足場工事 | 227,000 | ||||
仮設足場 | 180.0 | ㎡ | 900 | 162,000 | |
屋根足場 | 1 | 式 | 45,000 | ||
メッシュシート | 1 | 式 | 20,000 | ||
屋根工事 | 300,000 | ||||
太陽光パネル撤去 | 1 | 式 | 85,000 | ||
解体・手下ろし2名 | |||||
棟取り直し工事 | 7.0 | m | 25,000 | 175,000 | |
残土・廃材処分費 | 1 | 式 | 40,000 | ||
隣家・アパートへ近隣挨拶を実施し早速補修工事を行っていきます。まずは工事に欠かせない足場と施工時の埃飛散防止にメッシュシートを設置します。ソーラーパネルは2人がかりで解体し慎重に卸していきます。
ソーラーパネルを設置しているスレート屋根等はその部分だけ塗装メンテナンスができない為、撤去時に色のギャップがありますが塗装の必要がない瓦は全く問題有りません。ただし固定方法によっては瓦の差し替えも必要になりますので、あらかじめどのような固定がされているのかを確認しておかなければなりません。
ソーラーパネル撤去後の屋根ですが、棟を見ると隙間が出来ており向こうの空が見えています。今までソーラーパネルがあったことで隙間にも気づかず過ごされていたようですので、今回しっかりメンテナンスをしようとご検討されたのが正解でした。
瓦の重なり部分に白いシーリング材が打設されていることが確認できます。これはラバーロック工法と呼ばれる瓦を固定するための施工方法ですが、瓦は長く使用すると瓦同士で削りあい角が丸くなっていきます。その分隙間もできますので瓦が動きやすくなり浮きやずれを起こすようになります。そのようなずれ等を抑えるためにシーリング材を打設するのですが、注意点もあります。
こちらの現場を見て「シーリング材が少なくないか?」と心配になられている方、実はこの施工方法が正解です。これよりも施工箇所が広い、すべての重なり部をシーリング材で埋めている屋根は、いずれ雨漏りを起こす可能性がありますのでご注意ください。一時期施工数が多くなったラバーロック工法ですが補修時には瓦が再利用できず、飛散リスクの軽減率は高くなく、誤った施工で雨漏りを引き起こす等、トラブルの多い施工方法です。訪問業者によるトラブルが多いようですが、ラバーロック工法を薦められた場合は一度別の屋根工事業者に状態を見てもらうようにしましょう。
棟の取り直し工事です。まずは冠瓦を取り外し屋根上で保管しておきます。下地となっていた漆喰等を取り除き清掃しますが、水平に見えている木材が棟の下地だったのです。専用の金物で木材を固定し漆喰や土で土台を作ることで雨水の浸入を防ぐ施工です。しかし瓦の釘穴からや漆喰の剥がれ等で木材が雨水と接触することで腐食が進行してしまいますので、15~20年程度で一度メンテナンスは行うべきです。
今回下地は木材ではなく、木材よりも劣化しにくい樹脂製の下地材を使用します。加工性は木材と同等ですが吸水しにくい為木材よりもはるかに長く使用することができ、瓦の桟木や棟板金の下地となる貫板にも樹脂製の下地材が使用されることが増えています。また今回のメンテナンスでは漆喰を使用せずに雨水を浸入させない土台を形成します。
漆喰や土を使用する施工方法は【湿式工法】と呼ばれる施工です。昔から当たり前のように施工されている工法ですが、只でさえ重たい瓦屋根を更に重たい仕上がりにしてしまっている為、軽量な漆喰を使用したりと度々改善されてきました。しかし今回は漆喰や土を使わず、乾式面戸シートと呼ばれるブチル系の防水シートを使用します。
シートを下地に対してタッカーで止め両面のテープを隙間なく瓦に張り付けていくことで雨水を全く浸入させませんが、通気性はあり下地材の腐食等はしっかり防ぎます。これが【乾式工法】と呼ばれる施工で、周りも汚れず軽量な仕上がりが実現できます。
よけていた冠瓦を下地材に対して抜けにくいパッキン付きのビスで固定することで、以前よりも強固に固定が出来ました。棟部分には雨水が入り込まないようシリコン系のシーリング材を打設し劣化も最小限に抑えます。
乾式面戸シート「ロールスター」を使用した棟の取り直し工事が完了しました。蛇腹状のシートを瓦の形状に合わせてピッタリ貼り付けることで雨水の浸入をしっかり防ぎます。近年では従来の湿式工法よりも軽量で高品質な乾式工法の方が注目されています。しかし昔ながらの施工方法にこだわる業者さんもいらっしゃいます。どちらの施工方法の方が良いのか、お住まいに向いているのか、また施工費用はどうなのかは数社相見積もりを取ってでも話を聞き決めていくことが大事です。
私たち街の屋根やさんは点検・お見積りも無料にて承っておりますので、屋根の状態が気になる方、瓦屋根のメンテナンスについてお悩みの方はお気軽にお問い合せ下さい。この度は工事のご用命をいただきまして誠にありがとうございました。
八千代市にお住まいのお客様に工事後のアンケートに答えて頂きました!
どのリフォームが最適?屋根リフォームの種類【街の屋根やさん】
今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。