文京区にてルーフバルコニーからの雨漏りを通気緩衝工法によるウレタン塗膜防水で改善
【お問い合わせのきっかけ】
ビフォーアフター
【点検の様子】
点検にお伺いいたしましたのは、東京都文京区にある2階建てのお住まいです。雨漏りに気づいたのはつい最近の様で、天井・壁どちらのクロスにもヒビが見られますがカビや雨染み等は見当りませんでした。雨漏り部分の真上はちょうどルーフバルコニーですので、早速原因特定を行っていきたいと思います。
タイル仕上げのルーフバルコニー
こちらがちょうど雨漏りがあった室内の真上ルーフバルコニーです。少し話は逸れますが、お問い合わせを頂く際に「ベランダの屋根が…」「バルコニーで雨漏りを…」と、同じ場所にも思えますが呼び方が違うことがありますよね?我が家はバルコニー?ベランダ?と悩まれる方もいらっしゃると思いますが、ベランダは住宅の外壁よりもせり出した形状で、屋根のあるスペースを呼びます。対してバルコニーは同じ条件で取り付けられるスペースですが、屋根はありません。更にベランダよりも広く設計されている傾向があります。洗濯物干しやガーデニング等を楽しむことが出来るスペースですが、同じ用途で利用されるのがテラス。こちらは1階部分のスペースを指し、専用庭と呼ばれることもあります。ベランダとバルコニーは形状や広ささえ違いますが防水仕上げに違いはありませんので、どちらで仰っていただいても問題ありません。
こちらのお住まいは1階の屋根部分をルーフバルコニーのタイル仕上げでした。一般住宅のバルコニーやベランダを仕上げるのはウレタン塗膜防水かFRP防水が主流です。鉄筋造はシート防水のケースもございますが、今では耐久性に優れ乾燥も早いFRP防水が主流となりつつありますね。ウレタン防水とFRP防水は見た目に大きな違いはありません。触ってみて弾力がある場合はウレタン塗膜防水、表面が硬く表層に細かな凸凹がある場合はFRP防水です。FRP防水はガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂を一体にすることで強靭な防水層を形成する為、繊維が細かな凸凹として現れることがある為です。今回平場と呼ばれる歩行面はタイルですが、タイル部分から雨漏りを起こす原因は大抵「目地の劣化」です。
タイルのサイズは施工場所やメーカーによっても異なりますが、およそ100~300㎜角程度のタイルが貼られているかと思います。タイルは大きくなるだけ費用も高くなりますが目地数が減るメリットもありますので、一概にどちらが良いとも言い切れませんね。タイルは吸水性が低くメンテナンスフリー素材の物が多いですが、タイル間にある目地が徐々にひび割れてしまう為、定期的な点検・補修が必要不可欠です。これはバルコニーや外壁に限ったことではなく、キッチンや浴室、玄関ポーチにも当てはまります。雨水が入り込んでしまうとタイルの防水性能には意味がありませんので、雨漏りを起こす可能性が格段に上がってしまいます。
立ち上がりはFRPの様ですね。目地部分はタイルよりも低く仕上がる為汚れも溜まりやすく、経年劣化を見落としがちになってしまいます。定期的な清掃を行い水が溜まりにくい状況に仕上げ、ひび割れが起きていないかをじっくりと確認する必要があります。また盲点となるのは手摺やフェンスとの接地面です。鉄柱の場合は錆びて腐食した場合に雨水が入り込むことが考えられますが、アルミ製も錆びにくいというだけで耐久性は確実に低下してしまいます。隙間が無い場合にも見えにくい場所から雨水が防水内部に入り込む恐れがありますので、今回は防水工事に加えてアルミ製の補強もご提案させて頂きました。
層間剥離したスレート屋根材
街の屋根やさんでは無料点検時にお問い合わせを頂いた箇所だけでなく、お住まい全体の状況を確認させて頂いております。特に屋根は滅多に見ることができる場所ではありませんので、原状の状態報告をさせて頂いております。スレート屋根材には酷い色褪せも割れもなく室内にも雨漏りがあるわけではありませんが、所々に捲れのような物が見られます。このようにスレートの表層が捲れたり剥がれたりする現象は「層間剥離」と呼ばれますが、全てのスレートに起こる現象ではありません。
2004年を境に、屋根材には健康被害のあるアスベストを使用されなくなりましたが、ノンアスベスト屋根材の先駆け商品に『ニチハのパミール』があります。これは屋根材が層間剥離を起こし、ミルフィーユ状に屋根材の表面が剥がれてしまうという問題点が挙がりました。築10年以内であればメーカー・施工店に確認して頂きたい屋根材ですが、既に10年経過してしまっているお住まいが大半です。メンテナンス方法は現在問題がなくとも塗装ではなく、屋根カバー工法もしくは屋根葺き替え工事をご提案させて頂いております。今回は層間剥離を起こした原因が【強風】ですので、屋根補修に火災保険や共済を利用することが出来ます。原状雨漏りも起こしていないためお急ぎではありませんが、火災保険・共済の申請期限は被災後3年以内ですので、期限内に申請を行っておきましょう。
【点検報告】
早い時点で雨漏りに気づけたことは不幸中の幸いですが、強風によって様々なトラブルが発生してしまいました。まず補修するべきは現在生活に害を及ぼしているバルコニーの防水です。表面タイルはこの機に取り外し、ウレタン塗膜防水で仕上げていこうと思います。雨漏りを起こした場合、下地が雨水を吸い込んでしまっており、補修後に蒸発も出来ずに新規防水層に閉じ込められる形になってしまいます。すると防水塗膜を押し膨れや剥がれを起こしてしまいますので、水蒸気を逃がす為の通気緩衝工法(絶縁工法)で対応していきたいと思います。
【ウレタン塗膜防水工事(通気緩衝工法)】
作業車の駐車・足場仮設の前に近隣にお住まいの方へご挨拶を行ってからの作業です。まず、タイルを丁寧に剥がし下地の劣化状況を確認します。もし仮に腐食が目立つ場合は下地の交換から行わなくてはなりませんので、予めご説明しております。今回は雨漏りからそれほど時間が経過していませんので、著しい腐食も見当たりませんでした。タイルを全て剥がしたところで清掃し施工に取り掛かっていきたいと思います。
この状態は防水性能が無いため確実に雨漏りしてしまいますので、まずは表面の清掃と簡易洗浄です。プライマーを塗り下地の密着性を高めます。
通常の密着工法ではそのままウレタン塗料を塗っていくのですが、通気緩衝工法は無数の穴が開いたシートを敷き、下地と塗料が密着しない状態を作っていきます。シートの隙間にはジョイントテープを貼りシートが捲れないように接着していきます。この状態で下地と防水層の密着を防ぐことが出来ますが、まだ内部からの水蒸気を逃がすことが出来ません。
脱気筒の取付
通気緩衝工法はシートと脱気筒(脱気盤)がセットになります。25~100㎡に対し1箇所ずつ取り付けることで、シート部分に溜まる水蒸気を逃がすことが出来ますが、雨水は浸入させない構造になっています。躓くと怪我の原因になりますので邪魔にならないコーナー部分に取り付けました。
こちらが通気緩衝工法を施工した状態です。ようやくこの上にウレタン塗料を塗り防水層を形成していきます。必ず立ち上がり→平場(歩行面)の順に施工を繰り返していきますが、一定の厚みを形成しながら均一に塗るのは難しい作業です。お問い合わせを頂いた際に「以前自分で直したんだけど雨漏りが…」「ひび割れの部分補修をしたんだけど見栄えが悪くなった」というご相談があります。防水層にひび割れがある場合は、ひび割れた部分を撤去しなくてはなりません。また、補修方法を誤ると、雨漏りの原因が特定しにくくなったり、補修箇所を取り除き再補修…といったように手間・費用がかかってしまう恐れがあります。どうすれば良いのかわからない場合は、まずはお気軽にご相談ください。
ウレタン塗膜防水は1回塗りでは仕上がりません。何度か薄く塗り重ねることで一定の厚みに形成出来、防水性能を確保することが出来ます。防水層を形成した後は、太陽光による劣化を防ぐ為、トップコートを塗り表面保護を行っていきます。建築後・補修後5年程度で見られるひび割れは、大半がトップコートのひび割れです。トップコートに防水機能はありませんので雨漏りは発生しませんが、見栄えが悪くなり防水層の保護が出来なくなってしまいますので、早めの塗り直しをお奨めしております。
ウレタン塗膜防水工事が完了致しました。耐用年数はおよそ13年前後ですので、今後は屋根外壁と同時にメンテナンスをしていきましょう。この上にタイルを貼りなおして頂いても構いませんが、メンテナンスの際にはまた剥がす手間がかかってしまいます。多くのお住まいで見かけるのはホームセンター等でも購入できる人工芝やタイルパネルです。敷くだけでお洒落になりますし、防水層の保護にも有効的で費用もお手頃です。湿気がこもり易くなりますので、定期的に剥がし清掃・乾燥させてあげると良いかも知れません。足元が滑りやすくなりますので素材を比較し選んでいきましょう。
エアコンの室外機があるお住まいも、移動が可能ですのでご安心ください。スペースが狭く室外機の移動が難しいお住まいは、一度室外機を取り外し室内に保管していただくこともございます。点検時にエアコン移動の有無は確認しご相談させて頂きます。
最後にアルミ製フェンスの補強です。まず下側に穴を開けます、
小さな穴からエポキシ樹脂を注入していきます。エポキシ樹脂の特性(高強度・低収縮性・接着性・反応熱の抑制)を活かし、手摺下端の経年劣化を抑え補強していきます。エポキシ樹脂は湿気が高くとも水中でも施工できますので、既に水が入っているような状態でも補強が可能です。穴開け部分は補修せずに、今後は水抜き穴として入り込んだ雨水を排水していきます。
【工事を終えて】
通気緩衝工法(絶縁工法)によるウレタン塗膜防水工事で雨漏りが改善致しました。。密着工法とは施工方法が違いますが、脱気筒以外見栄えは全く変わらず綺麗な継ぎ目の無い表面です。雨漏りを起こしている場合はもちろん、築年数が経過し傷んでいる場合にも下地の影響を受けることなく強靭な防水層を形成することが出来ますので、一度無料点検にお伺いし密着工法で対応が可能なのか、通気緩衝工法が適切なのかを確認させて頂きます。また防水の種類・特徴・施工費用に関してのご質問も受け付けておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
記事内に記載されている金額は2018年10月31日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。
工事を行なったお客様のご感想をご紹介いたします
工事前アンケート
- リフォームを検討したきっかけは何ですか?どんなことで悩まれていましたか?
- ルーフバルコニーからの雨漏り
- 弊社をどのように探しましたか?
- インターネット
- 弊社を知りすぐにお問合せ頂けましたか?もし悩まれたとしたらどんなことがご不安でしたか?
- すぐに問い合わせをしました。しかし、御社に問い合わせるより以前に別の会社に問い合わせ、現場の下見までしてもらったにもかかわらずその後見積り書の提示もなく何も連絡がなかったので同様の事が起きるのかが不安でした。
- 何が決め手となり弊社にお問い合わせ頂きましたか?
- ルーフバルコニーからの雨漏りの場合、屋根の塗装ができる業社でなくては対応できないと助言されたため。
- 実際に弊社担当者がお伺いしていかがでしたか?
- とても丁寧に対応していただき、こちらの疑問、質問にもわかり易く答えてもらいました。
アンケートを詳しく見る→
文京区ではたくさんのお客様にご依頼をいただいております!
関連動画をチェック!
防水工事で雨漏り防止!陸屋根・屋上のチェックポイント【プロが解説!街の屋根やさん】
今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!
こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。
このページに関連するコンテンツをご紹介