「外壁・屋根」の状態を点検調査

サイディングの継ぎ目に設置されているパッキンが、途切れている状態でした。
このままでは雨水が入り込み、両側のサイディングに亀裂といった不具合を招く恐れがあります。

そのため、早めの交換が望ましい状況です。
また、別の箇所ではサイディングが大きく浮いており、側面が見えるほど隙間が生じていました。

ここから雨水が浸入すると、サイディングの割れや欠損につながる可能性があるため、適切な処置が必要です。

破風板では塗膜の剥がれがかなり進んでおり、見上げるだけで容易に確認でき状態です。

さらに、窓まわりの化粧板でも表面の塗膜が剥がれ、中の材質が露出していました。

また、化粧板とサイディングの取り合い部分には本来シールが施されていますが、現在は欠損しており、雨水が化粧板の裏側へ入り込む状態でした。

放置すると劣化が進行するため、適切な手当てが必要です。

すでに亀裂（ひび割れ）が入っているサイディングの状態です。

継ぎ目に施されているシールやパッキンの劣化を放置しておくと、まさにこのような症状が起こします。

シールが裂け、両側のサイディングが黒ずんでいる事から、雨水が内部へ入り込み、サイディング材にまで染み込んでいる状況が窺えます。

サイディングが大きく欠け、抉れたような状態になっていました。

現状のままでは塗装が難しく、パテやシール材で欠損部分を補う必要があります。

また、屋根は表面の色が変わり、広範囲に苔が付着していました。

苔（こけ）が厚く残っているため、塗装に進む前にしっかりと洗浄し、下地を整える必要があります。

サーモアイ４Ｆを用いた屋根塗装工事

大屋根の洗浄前の様子です。
苔の影響により、全体がオレンジ色がかった状態に見えます。

まずは、高圧洗浄を行い、塗装に適した状態へ整えていく工程となります。
高圧洗浄を終えた後は、先ほどのオレンジ色とは全く異なり、本来の黒みを帯びた色がはっきりと確認できました。

長年の汚れがどれほど蓄積していたか、１８年分の変化が視覚的に分かる状態となっています。

屋根の下塗り作業に進みます。
今回はサーモアイ４Ｆを使用するため、下塗りには専用のサーモアイシーラーを採用しました。

遮熱塗料であるサーモアイシリーズは、このシーラーを用いることで遮熱性能が十分に発揮される仕組みになっており、欠かせない工程となります。
続いて、上塗り材の１回目となる中塗りを行います。

サーモアイシーラーの色がしっかりと覆われるよう、均一に塗り重ねていきます。

屋根材の腐食を防ぐため、屋根材同士の隙間へタスペーサーを挿入して通気を確保します。

その後、屋根塗装の仕上げとなる上塗り材２回目の工程に進みます。

今回の上塗りにはサーモアイ４Ｆを使用し、色はクールネオサファイアブルーを選定しました。

上塗り作業が完了したら、塗残しや塗りムラの有無を細かく点検していきます。

塗装後の仕上がりを確認することも大事な工程の一つです。

今回は、艶やかで深みのある色合いが屋根全体を整える仕上がりとなりました。

ファインシリコンフレッシュ用いた外壁塗装工事

外壁の工程に進みます。
まずは、既存のコーキングやパッキンを取り外し作業です。
ただし、パッキンについては手前の部分のみを撤去し、奥にある樹脂層までは取り除かないよう細心の注意が必要です。

パッキンを使用した建物の構造は、そのさらに奥に水抜きが設けられている場合が多く、誤ってそこまで撤去してコーキングで塞いでしまうと、本来確保されている排水経路が失われてしまいます。
打ち替えが可能かどうか、事前の確認が欠かせない工程です。

今回撤去した長さは合計95.2ｍとなりました。
その後、清掃、プライマー塗布、そして新しいコーキングの充填へと作業を進めていきます。

コーキングの打ち替えは、外壁塗装に取り掛かる前に済ませておくべき重要な工程となります。

続いて外壁の下塗り作業に進みます。

今回はファインシリコンフレッシュを採用するため、下塗りにはパーフェクトサーフを使用しました。

きめが細かく、上塗り材の吸い込みが抑えられることから、仕上がりの美しさに優れた下塗り材です。

中塗り作業に入る前に、軒天とサイディングの取り合い部分にコーキングを充填しました。

ここは、あらかじめ既存材を撤去し、下塗りを済ませてから作業を進める位置づけとなります。

また、サイディングが浮いている箇所については、下地に向けてビスを打ち込み、しっかりと固定していきます。

適切に補強することで、今後の不具合を抑えることができます。

上塗り材１回目となる中塗りの工程です。
屋根の塗装時と同様に、下塗り材の色が見えないよう、全体を均一に塗り進めていきます。

特にサイディングの横ラインにある窪み部分は塗り残しが起こりやすいです。
そのため、ひと通り塗り終えた後、１列ずつ丁寧に確認しながら仕上げていきます。

中塗りの乾燥を確認したら、続いて上塗り材２回目の工程に進みます。
今回採用したファインシリコンフレッシュの色は G85-70H です。

中塗りと合わせて塗り重ねることで、発色と耐候性を高め、外観の仕上がりを整えていきます。

窓周り塗装工事

次に、窓まわり（化粧板）の塗膜が弱くなっている部分を丁寧に取り除く作業工程です。

脆い下地の上にどれほど質の高い塗料を重ねても、後から剥がれの原因となるため、この工程は欠かせません。

化粧板そのものが雨水や湿気の影響で弱っていたため、カチオン系シーラーを使用して下地の付着力を強化していきます。

これにより、後工程の塗装が安定した状態で仕上がるようになります。

上塗りにはファインSiの G05-30B を採用しています。

外壁との色合いも調和しており、全体のバランスが整った印象です。

続いて、上塗り材２回目の工程に進みます。

中塗りと比べると、仕上がりの艶に明確な差があり、上塗り後はより滑らかで光沢のある表情となります。

塗装が完了したら、外壁や屋根と同様に最終確認（塗り残し、塗りムラ）を行っていきます。

入念な点検を行うことは、工事後の美観にも影響するので、大事な作業です。

点検が終了したら、次の工程に進んでいきます。

木製バルコニー塗装工事

今回は木製バルコニーの塗装工程があります。
塗装に入る前に、表面の汚れを丁寧に落とし、塗料の密着性を高める下準備を行います。

使用する塗料は、木材内部へ浸透するタイプを選びました。
既存の塗膜も同じ浸透型で仕上げられていたため、今回も問題なく同仕様で施工できます。

なお、塗り潰しタイプの塗膜が残っている場合は、浸透型塗料が内部に入らず十分な効果が得られません。
そのため、既存の仕上げと塗料の種類を合わせることが重要です。

近年では、木材に浸透するタイプの塗料のほうが高性能な製品が多くなっています。

今回使用した木部用塗料はニューボンデンDXで、業界で唯一、防藻と防蟻の双方に対応している点が特長です。

さらに、防腐性能に加えて、蟻以外の害虫も抑制できる仕様です。

使用した色はチークで、浸透型塗料は木材の伸縮にも追従しやすく、仕上がりと耐久性の両面で優れた効果が期待できます。

完工

「点検報告書を拝見した時点でお願いしようと決めていました」と温かいお言葉を頂き、大変励みになりました。

心より感謝申し上げます。

仕上がりについても、ご主人様と奥様のイメージ通りとのことで、安心しております。

「外壁・化粧板・屋根・木部」それぞれの色合いが調和し、全体としてまとまりのある綺麗な仕上がりになりました。

この度はご依頼いただき、誠にありがとうございました。