外壁の状態を点検調査

お客様が気にしていた雨垂れは、こちらの部分です。
少し錆が混ざっていました。

外壁と通路の隙間から流れ出ており、ちょうど真上の通路と建物の接合部にあたります。
扉の下は特に汚れが多く付着し、また床にも苔（こけ）が目立ちます。

通路側は北向きのため、外壁や通路に苔（こけ）や汚れが残りやすい環境です。
築20年が経過すると、このような状態になることがあります。

外壁は窯業系サイディングですが、継ぎ目のシール（シーリング）に亀裂が見られました。
触れると、本来は弾力があるはずのシールが硬化してバリバリの状態です。

サイディングの表面を触ると、黄色い粉が指に付着します。
これはチョーキングと呼ばれ、塗膜の劣化を示すサインです。

既存の塗膜は撥水性が低下しており、このまま放置すると外壁材自体に亀裂や欠損が生じる可能性があります。

こちらは雨上がりに撮影した2階通路の状態です。

コンクリートの床は苔で覆われており、この状態では雨天時に歩くと滑る恐れがあります。

サーモアイＳiを用いた屋根塗装工事

まず建物全体を高圧洗浄で清掃します。

屋根はご覧の通り、汚れがすぐに落ちていきます。

屋根材の表面も劣化により汚れと一緒に除去されます。

今回は上塗り材にサーモアイＳiを塗布するため、下塗り材として「サーモアイシーラー」をムラなく塗布していきました。

サーモアイシーラーが乾燥した後、サーモアイＳiの塗布に移ります。

サーモアイＳiは2回塗りのため、まず中塗り作業を行います。

続いて上塗りを施し、塗装工程は完了です。

今回はクールミラノグリーンを使用しており、鮮やかな緑が美しい仕上がりとなっています。

屋根材の間に塗料が溜まらないよう、隙間を確保するために切断作業を行います。

この工程が欠けると、雨水が入り込んだ際に排出できなくなるため、この作業は非常に重要です。

ファインシリコンフレッシュを用いた外壁塗装工事

壁面の塗装においても、屋根と同様に高圧洗浄で汚れを落としてから塗装を進めます。

外壁材は窯業系サイディングで、目地にはシール（シーリング）が打たれています。

既存のシールは一度撤去し、新たに打ち替えを行います。

サッシ周りも同様に打ち増しを行いました。

シールが乾燥した後、下塗り材としてパーフェクトサーフを塗布します。

この下塗り材は微弾性を備えており、追従性に優れているのがメリットです。

下塗り後に、塗料の乾燥時間を十分に確保します。

下塗りが乾燥した後、中塗りとして上塗り材のファインシリコンフレッシュを塗布します。

中塗りでは下塗り材の白色が残らないよう確認しながら作業を進めます。

最後に上塗り材の2回目を塗り、塗装工程は完了です。

ファインシリコンフレッシュは、雨だれなどの汚れが付きにくい超低汚染タイプの塗料で、外壁の美観を長く保つことが可能です。

上塗り作業が終了したら、仕上がりをチェックしていきます。

特に「塗り残し、塗りムラ」の有無をしっかりと点検していきます。

最終確認が終わったら、次の工程に進んでいきます。

通路（床）塗装工事

2階通路の床に防水層を施工します。

まず高圧洗浄で苔や汚れを取り除きました。

清掃後、大きなひび割れが確認されたため、補修を行い乾燥させます。

次にプライマーを塗布作業です。
この工事ではウレタン防水の密着工法で施工します。

プライマーは床面とウレタン主剤をしっかり密着させる役割があります。
続いてウレタン主剤を塗布します。

ウレタン防水ではこの主剤が主要な材料で、主剤と硬化剤を撹拌して初めてウレタン樹脂が形成されます。
この撹拌作業が防水性能に直結するため非常に重要です。

ウレタン主剤の2回目（上塗り）を塗布します。
2層にすることで厚みを持たせ、耐久性を高めます。

最後に、ウレタン表面を保護するためトップコートを塗布します。
ウレタンは紫外線に弱いため、この保護が必要です。

今回は通路で人が歩く箇所の施工のため、滑り止め効果を持たせるために珪砂入りのタイプを使用しました。

完工

工事は無事に終了しました。

当初は2階通路床の防水調査の依頼でしが、「これまでいろいろな方に見てもらった中で、一番わかりやすく説明してもらえた」とのことで、屋根や外壁の工事もお任せいただくことになりました。

今後、他の建物でもお困りのことが出てくるかと思いますが、その際に思い出していただければ幸いです。

この度はご依頼いただき、誠にありがとうございました。