屋根の状態を点検調査

屋根材表面の劣化状況

調査時に屋根に上がると、化粧スレートの表面に広範囲の退色や苔の付着が見られ、ところどころで層状に剥がれている様子が確認できました。

雨筋による変色も進んでおり、塗装で保護したとしても下地の状態が悪く、長持ちさせるのは難しい印象です。

職人も慎重に歩かないと割れそうなほど脆くなっている箇所があり、適切なメンテナンスが急がれる状態でした。

さらに近い距離で表面を確認すると、スレートの塗膜がほとんど残っておらず、細かなクラックが無数に入っています。

苔やカビが広がっていることから、屋根材自体が水分を吸い込みやすくなっている様子が伺えました。

このような状態では塗装をしても密着が弱く、数年持たずに剥がれてしまう可能性があります。

室内天井の確認

屋根裏の湿気状況を調べるため、天井の一部を開口して内部の状態も確認しました。

開口部から差し込んだ光で見える木材の色味や質感に、わずかに変色した跡が見られ、屋根からの湿気の影響が疑われる状況です。

天井裏に潜って野地板の裏側を直接確認すると、表面が湿っており、水分を含んでいる箇所が点在していました。

染みになっている部分もあり、このまま放置すれば腐朽が進む可能性が高いと判断できます。

お客様にも直接見ていただいたことで、葺き替えの必要性をしっかりご理解いただけました。

スーパーヒランビーきわみを用いた屋根葺き替え工事

既存屋根材の撤去

工事は足場をしっかり設置し、安全性を確保するところから始まります。

調査で確認した劣化したスレートを順番に剥がし、昇降機を使って効率よく搬出していきました。

職人たちは割れやすい屋根材を慎重に扱いながら作業し、屋根の形状に合わせた動線を工夫して作業を進めます。

撤去段階から慎重さが求められる工程ですが、スムーズに進み屋根の全貌が見えてきました。

野地板の増し張り

既存スレートの撤去が完了すると、防水紙が露出した状態になります。

まず全体を清掃し、次に新しい野地板を増し張りしました。

写真のようにきれいに並べられた新しい木材は、今後の屋根の耐久性を左右する重要な基盤です。

まっすぐ、隙間なく張ることで屋根全体の強度が安定し、職人の丁寧な仕事ぶりが感じられる工程となりました。

防水紙の敷設

野地板が整ったところで防水紙を軒先から棟に向かって丁寧に貼り進めました。

防水紙（ルーフィング）は雨水から建物を守る重要な層であり、重ね幅や釘の位置を正確に守る必要があります。

現場では風の影響を受けないよう二人一組で作業し、屋根全体がしっかりと包み込まれるよう施工しました。

屋根材「スーパーヒランビーきわみ」の敷設

防水紙の上からいよいよ新しい屋根材を葺いていきます。

今回、使用した「スーパーヒランビーきわみ」は、ガルバリウム鋼板の裏に断熱材が一体化した高性能屋根材です。

軽量でありながら耐久性が高く、見た目にもスタイリッシュな仕上がりが特徴です。

職人たちは一枚ずつ水平を確認しながら葺き進め、屋根全体が美しく整っていく様子にお客様も安心されたご様子でした。

換気棟の取り付け

仕上げとして棟部分には換気棟を取り付けました。

屋根裏にこもる湿気を外へ逃がすことで、野地板の劣化を抑え、建物全体の寿命を延ばす効果が期待できます。

３階建て住宅は熱気がこもりやすく、換気棟を設置することで夏場の室温上昇を抑えるメリットもあります。

完工

棟部分に換気棟を取り付けて、工事は無事に竣工となりました。
今回の葺き替え工事により、劣化していた屋根は新しい金属屋根となり、軽量化と耐久性の向上が同時に実現しました。

屋根裏の湿気対策も施されたことで、建物全体のコンディションも良い状態で維持できるようになります。

ご依頼当初は屋根塗装をご希望されていましたが、調査の結果、塗装では十分な耐久性を確保できないほど屋根材の劣化が進行している状態でした。
そこで今回は、軽量で耐久性に優れた「スーパーヒランビーきわみ」を使用した葺き替え工事をご提案し、しっかりとした防水性能と将来の安心を確保する施工となりました。

工事後にお客様からは、「葺き替えにして本当に良かった」というお声をいただき、私たちも安心していただけたことを嬉しく感じております。
屋根の劣化が気になる方は、ぜひ街の屋根やさんへお気軽にご相談ください。