屋根から漆喰のかけらが落下してきた

　市原市君塚にお住いのお客様は、ある日屋根から漆喰のかけらが落下してきたそうです。

　今まで震災もたびたびあったのだが破損することもなく、屋根のことはあまり考えていなかったそうですが、屋根から漆喰が落下してきたことから、雨漏りなどの不安がでたそうで、インターネットで修理業者を調べて、私達、街の屋根やさんにお問い合わせをいただきました。

現地調査

　築年数が約35年以上経過するとの事でしたが、今まで大きな台風や地震を経験しているが、雨漏りもなく瓦の破損もなかったことから、丈夫な瓦なのでメンテナンスをすることを知らなかったそうです。

まずは屋根に上がり瓦の状態を現地調査しました。

　確かに屋根の状態は瓦の大きな破損やずれもなく問題はなさそうに感じましたが、棟瓦の部分にはのし瓦のずれが生じ始めていたことや、漆喰部分に剥がれや劣化が目立っておりました。

棟積み直し工事

　このまま大きな破損がないことで数十年経過していることがあり雨漏りもありませんが、のし瓦がズレを放置していると、確実に棟が倒壊いたします。

今回は年数も経過しているため、棟瓦の積み直し工事をご提案させていただきました。

まずは棟瓦の解体から始まります。

棟瓦の見えない劣化状況

屋根の大きな棟は8段重ねの立派な棟瓦です、解体してゆくと劣化状況がよくわかります。

　当時の瓦屋根には瓦の下や棟瓦の土台となる部分には屋根土を入れていることが多くあり土葺き屋根と言います、一番下の平瓦との取り合わせ表面に屋根土が雨で浸食しないように漆喰を塗っております。

　只、瓦の隙間などから入り込む雨水や湿気などにより、屋根土は年々劣化が進み流れ出してしまう事が多く積み重ねている瓦のズレが発生してくるものとなってしまい、放置し続けると瓦の倒壊につながります。

棟の撤去が終了したら、積み直しの始まりです。

　メンテナンス工事では既存の瓦を元に戻すために既存瓦を使用いたしますが、瓦職人の工事方法は多数あるためもとに戻すことは非常に難しいことで、長さや厚みを同じようにはなかなかできなく、簡単に見えますがベテラン技術が必要です。

　今までの棟瓦とは違い、南蛮漆喰を使用することで、劣化とともに瓦の沈み込みなどが少なくシリコンが配合されていることから雨水も浸透しづらくなっています。

　全体が漆喰のようなものになっているため、棟瓦でよく訪問業者が漆喰の塗り直しをしないといけないという訪問業者が多くいますが、漆喰のメンテナンス工事がいらない為、きっぱりと断れる事と、今後ランニングコストも減らされる利点がありお得な工事となります。

工事完成

棟瓦の積み直し工事が完成いたしました。

　今回の工事費用は税込み1,340,000円（部分仮設足場含む）代金となりました。

　既存の瓦を再利用していることから、一見代わり映えがなく工事費用も大きな工事ですが、瓦を剥がして新規に積み直す工事では大きな費用となります。

ただし今までとは違い災害に強く倒壊しにくい棟瓦に生まれ変わっております。

　お客様のご自宅は本棟瓦がもともと8段ととても大きな棟瓦でしたが、棟瓦の積み直し工事では段数で修理費用が大きく変わることから、今後のメンテナンス費用を少しでも軽減できるように本棟瓦の段数を減らして施工しております、8段の棟瓦用に大きな鬼瓦が設置してありましたが、再利用するには鬼瓦の大きなが重要になってきます土台となるエブリ台瓦の調整を考慮して、今回8段から5段に下げてつみ直しています。

　今後数十年後のメンテナンス工事で少しかもしれませんが今後の工事費用が抑えられることと、丈夫になったことから雨漏りの心配も軽減できます。