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【塗装メンテナンスを行ったセキスイかわらU】

　

築35年程になりますが、丁寧にメンテナンスを繰り返された江戸川区のお住まいですね。外壁や破風板にも劣化が見当たらないため、30年超のお住まいにはみえません。今回は18年前に葺き替えを行ったセキスイかわらUのメンテナンスです。5年ほど前に塗装をされたようですが、塗料の耐用年数よりも早く剥離が起こってしまった為、メンテナンスをご検討されています。

　

セキスイかわらUとは？

セキスイかわらUと呼ばれる製品は40年近く販売されていた屋根材です。既に販売中止になっていますが、当時は瓦の形状でありながら屋根カバー工法も出来る非常に画期的な製品でした。かわらUはアスベストが含まれているものとノンアスベストタイプの2種類に分類されますが、現在は全て屋根葺き替え工事を推奨しています。それは耐久性に優れたアスベストタイプも既に築年数が経過しており、塗装が出来ない程傷んでしまっているお住まいが多く見られます。そして今回のお住まいにも使用されているノンアスベストタイプは、屋根材としては非常に寿命が短く、早急なリフォームが必要なケースが多いです。この2種類の判別方法は、使用した年数とロット番号です。

ノンアスベストは1990年8月から2007年まで販売されています。その為、その間に屋根葺き替え若しくはカバー工法を行っているお住まいは、想像よりも早いリフォームが必要になる可能性があります。これはアスベストのような高い粘着性を持つ素材が見つからず、ひび割れや塗膜の剥離が起こってしまうトラブルが発生したためです。

屋根材の製造年数を示すロット番号は棟瓦に刻まれています。X〇〇〇のように数字が続くのですが、Xの次の数字が製造年数の西暦下1桁を示しています。例えば8であれば1978年、1988年、1998年の何れかになりますので、築年数と照らし合わせればアスベストの含有が判別できるかと思います。

　

葺き替え後13年で塗装メンテナンスを行ったようですが。それから2年も持たず剥がれてしまったようです。塗装方法が悪かったのか、塗料と相性が悪かったのかという事ではなく、おそらくかわらU自体の塗膜が剥離したことで、上に塗った塗膜も剥がれてしまったのでしょう。漆喰部分にも綺麗に塗装されていますが、おそらくもう1.2年経過すれば更に塗膜の剥がれが酷くなってしまうと思います。この場合メンテナンスの方法は葺き替えのみです。

今回は18年前に葺き替えを行っていたので通常費用で施工が可能ですが、屋根カバー工法でメンテナンスされているお住まいは2層分の屋根材を剥がすか、かわらUを剥がしカバー工法を行うかになります。

【軽量金属屋根材への葺き替え工事】

　

早速足場を仮設し屋根葺き替え工事を行っていきます。瓦形状ですので、施工方法は和瓦と同じく桟木と呼ばれる木材を下地にし葺かれています。棟から軒に向かって少しずつ剥がして撤去していきます。アスベストは非常に細かく、解体中の粉を吸い込むことが非常に危険な物質です。その為、処理は埋め立て処理・溶融処理、無害処理を行う必要があります。特別管理産業廃棄物に分類されますので撤去費用が高くなります。含有率にもよりますが予めご了承ください。

　

かわらUは通常の和瓦(235㎜×265㎜)よりも大きい瓦ですので、必要枚数も継ぎ目も少なくなることで雨水が浸入しにくい構造でした。重量も和瓦の約1/3ですので地震による揺れを軽減することも出来ました。今回はこのかわらUを撤去し、更に軽量で高耐久の金属屋根材へ葺き替えていきたいと思います。

　

新たな防水紙を葺き雨の浸入を防いでいきます。今回使用したのは改質アスファルトルーフィングのタディスセルフです。粘着性もありますので施工後に隙間をしっかりと塞ぎ高い防水性能を発揮します。粘着性ですのでタッカー等で留める必要もなく雨漏りのリスクを抑えられる優れものです。

屋根材はアイジールーフのスーパーガルテクトです。以前はガルテクトが販売されていましたが更にグレードアップし、その寿命は従来の3倍超と期待されています。今回はシェイドブラウンを使用していきますので、特徴と施工の様子を合わせて紹介していきます。

　

屋根材も防水紙も軒から棟に向かって葺き上げていきます。雪止めは後付けも可能ですが、先付ではビス留めが出来る為固定力が強いという特徴があります。数年内に降雪があった地域は予め設置しておくと安全でしょう。下屋の雨押え部分は今まで瓦が設置されていましたので、薄い金属屋根材では隠れない部分が出来てしまいました。施工後に塗装を行い色違いを無くしていきます。

スーパーガルテクトは断熱材と屋根材が一体になっていますので、金属屋根材で懸念される断熱性能・遮音性能等もしっかりカバー出来ています。小屋裏からの湿気を通しにくいアルミライナー紙によって、内からの劣化もしっかり防いでいます。表面は錆びにくい超高耐久のガルバリウム鋼板を使用、遮熱性の樹脂塗膜で仕上げているため暑くなりにくいのですが、フッ素を使用すれば耐久性も更なる向上が見込めます。

　

壁と接する雨押え部分はしっかりと専用部材を取り付け充分に立ち上げます。壁との隙間はマスキングテープで養生し、シーリング材を綺麗に打設していきます。いかに高耐久の屋根材を使用したとしても、誤った施工方法では雨漏りが発生してしまいます。防水紙が軒から葺かれているのか、シーリング補修がされているのか等、工事後に確認できるように写真を撮ってもらっていると安心ですね。街の屋根やさんは工事完了後に施工写真をお客様にお渡しさせていただいておりますので、今後のリフォーム等でもご活用ください。

スーパーガルテクトの重量はおよそ5㎏/㎡、これは和瓦のおよそ1/10程と非常に軽量です。しかし金属ですので割れの心配もなく、1枚ずつビス止めがされていますので飛散の不安もございません。

　

大屋根の棟板金を取り付け屋根葺き替え工事は完了です。シーリング材は経年劣化によって肉痩せや亀裂を起こしてしまいますので、定期点検と必要に応じたメンテナンスを行っていきましょう。

屋根材表面は特殊な「ちぢみ塗装」を採用、立体感のある質感によって高い意匠性を感じさせます。ガルバリウム鋼板は非常に錆びにくく高い強度を維持出来ますが、塗膜の経年劣化や傷によって錆びてしまう可能性は充分にあります。施工後15～20年程度で塗装メンテナンスを検討し、腐食による穴あきが起こらないように対応していきましょう。

　

最後に下屋の雨押え部分の色違いを塗料を塗り直し無くしていきます。以前外壁塗装工事を行った際に余っている塗料等がございますと、このような時に綺麗に塗り直すことが可能です。色を統一させることで塗料の段差はあるものの、全く目立たない仕上がりにすることが出来ました。

【工事を終えて】

以前まで塗膜の剥離が気になっていたセキスイかわらUを葺きかえることで、見た目の改善はもちろんメンテナンスサイクルを延ばすことも出来ました。更に軽量に仕上げたことで、お住まいの負担も大幅に軽減できました。葺き替えのタイミングで雨樋の交換が必要になるケースもございますが、点検時に確認させて頂きます。街の屋根やさんはご質問はもちろん、点検・お見積り作成も無料にて承っております。屋根材の特徴やメンテナンス方法が分からない、施工費用が知りたいという方はお気軽にご相談ください、お待ちしております。

 

　記事内に記載されている金額は2018年12月25日時点での費用となります。
　街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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