足立区にて火災保険を利用しアパート3棟の修繕工事、足場仮設時に雪止め設置も実施
【お問い合わせのきっかけ】
ビフォーアフター
【1棟目のアパート点検】
まず道路に面していて雨樋の歪みを発見した1棟目、築39年の木造2階建てのアパートです。大きな建物ですしいくつかの賃貸物件を所有されていますので、不具合を感じた際に部分的な補修を繰り返してきたようですが、今回は自然災害による可能性があるようです。台風や積雪といった自然災害による破損には火災保険による補償が適用しますが、申請するには被災後3年以内に限られますので気づいた時点で補修を行っていくようにしましょう。特に雨樋や波板といった耐久性が低い素材は自然災害の影響を受け破損しやすい為、異常を感じられなくとも建物点検を行うように心がけましょう。
不具合が感じられる雨樋は瓦屋根部分とトタン(瓦棒)屋根にそれぞれ取り付けられていました。左右対称のシンプルな切妻屋根ですので、2方向に2箇所ずつ取り付けられていることになります。屋根の端に取り付けられた軒樋には歪みがあり、部分的に水が滞ったような跡がありました。本来は集水器から排水されるはずの雨水ですが、雨樋が歪んでいると集水器にたどり着かず樋からあふれ出してしまう可能性があります。雨樋は屋根材や勾配によって取り付けるサイズも異なりますので、部分補修を行う場合は既存雨樋を参考にすると良いでしょう。雨樋のメーカーやサイズの確認は、軒樋の端(右画像)や集水器の付け根等で確認できます。
今回被害を受けたのは軒樋のみで、縦樋(外壁に取り付けられている垂直な樋)には問題がありませんでした。恐らく外れた雨樋から流れた雨水はトタン屋根に当たって騒音を発していたでしょう。雨樋が歪めば雨水の流れが悪くなり、溜まった土も流せなくなってしまいます。すると土埃は更に溜まり苔や雑草の繁殖を引き起こしたり、負荷がかかる事で雨樋を破損させてしまう原因になってしまいます。今回は交換を行いますので問題解決ですが、定期的に清掃を行い、枝や落ち葉で詰まりを起こさせないように気をつけましょう。
続いては瓦屋根です。棟を見てみると地震等による建物の揺れで棟が歪んでしまっていました。原状は雨漏りを起こす程の歪みではありませんが、固定がしっかりできていない状態ですので近いうちに補修を行う必要性はあります。近くで見ると「のし瓦」と呼ばれる棟の瓦が抜け落ちてしまっていました。瓦は銅線と漆喰を用いてずれないように施工施工されていますが、こちらの屋根には銅線が見当たりませんでした。棟を積み直す際には一度瓦を取り外しますので、この機会に銅線で締め直していきましょう。
【棟の積み直し・雨樋交換・雪止め設置】
1棟目は棟の積み直し工事と雨樋交換、そして積雪対策の雪止め設置工事を行っていきます。まずは棟の瓦を剥がし内部に詰めた土を取り除いていきます。瓦屋根は瓦自体が重たいため建物に負荷がかかりますが、棟を積むための土もありますので計算以上の重みになります。近年、耐震性を高める為に棟の段数を減らすお住まいも増えてきていますね。この内部にある土が漆喰の剥がれ等で露出してしまうと雨漏りを引き起こしてしまいますのでご注意ください。
南蛮漆喰を詰めながらのし瓦を積み上げていきます。漆喰は白の物が多いのですが、内部に使用する場合は安価な黒を使用することが多いです。施工直後は黒いですが、時間が経過するにつれ白くなりますので外部に使用しても問題はありません。ちなみに南蛮漆喰はシリコン等が含まれていますので通常の漆喰よりも撥水性・防水性に優れていて屋根に多く使用されています。銅線で大きく囲う様に締めて瓦のズレを防ぎました。
工事中にご相談を頂いて雪止め設置を行いました。瓦屋根に雪止め対策を行う場合は今回の様にステンレス製の金具を使用するか、雪止め用の瓦を差し替える方法があります。雪止め瓦の方が耐久性に優れ自然に仕上がりますが、築年数によっては瓦の色が褪せて差し替えた部分のみが異なる色になりますので、予めご了承ください。雪止め金具は見ての通り引っ掛けがありますので、瓦を少し持ち上げて差し込んで固定をしていきます。屋根材によって雪止め金具の形状は変わりますが、どの屋根材にも後付けできる金具がございますので、お気軽にご相談ください。
瓦の1列ごとに高さを交互にし取り付けていきます。近年は今まで降雪の無かった地域にも積雪が見られますので、去年雪が降った・降雪量が増えた地域は、トラブルが起きないように雪対策を行いましょう。屋根の傾斜(勾配)が緩い場合は足場仮設なしに作業を行える可能性がありますので、無料点検で判断させて頂きます。
【2棟目のアパート点検】
2棟目は1棟目と連なったアパートになり形状も同じです。こちらの赤い屋根に青い瓦も載っていましたので強風で飛散したのでしょう。赤い屋根の方が強風の影響を受け、アンテナが倒れ棟の中間も崩れてしまっていました。
アンテナは倒れる際に瓦を割って雨漏りを引き起こす可能性もあります。既に使用していない場合は撤去してしまった方が今後も安心です。屋根に載せている温水器や太陽光パネルも使用していなければ屋根への負担となるだけですので、撤去を検討していきましょう。
こちらの瓦はのし瓦ではなく「冠瓦」と呼ばれる棟の頂点にある瓦が外れてしまっていました。こちらも銅線が見られませんでしたので、ずれてしまうのも仕方がありません。実際にのし瓦はガタガタとし綺麗に整列されていません。また瓦の端に取り付けられた「鬼瓦」と棟の間にも隙間が出来てしまっていますので、どこから雨水が入り込んでいても仕方がありません。こちらの棟も一度全てを取り外し下段から積み直し整えていきましょう。
雨樋は1棟目同様に歪みが見られていますので交換を行います。以前は針金で固定補強されていたようですが、針金も緩んでしまっていたため軒樋が外側に傾いてしまっていました。雨樋交換は金具ごと取り付け直しますので今回のような不安定な雨樋になることはありません。右画像は左画像の逆側の雨樋になりますが、軒樋には破損が見当たりませんでしたが、竪樋に接続するための這樋が破損してしまっていました。雨樋は多くの材料を接続させて建物に取り付けていますので、破損してしまった箇所のみの取替が可能でコストを削減することが出来ます。今回は3棟の修繕工事という事で費用も掛かる事が予想出来る為、火災保険で対応できる必要最小限の補修をご提案致しました。
【棟の積み直し・雨樋交換・雪止め設置】
2棟目も1棟目と同じ補修工事です。棟ののし瓦を段ごとにずらして積むことで安定した棟に仕上げ、のし瓦の継目をずらすことで雨水の浸入を防ぐことが出来ます。のし瓦の上段は銅線で締め固め、冠瓦の継目は雨漏り防止と固定にシーリング材を打設します。隙間を塞いでいる漆喰は、のし瓦よりも外側に出ていると雨水をせき止めてしまいますし、塗り厚が薄いと割れや剥がれの原因となってしまいます。適度な厚み・量での施工が非常に大切ですので、瓦屋根の特徴を熟知している専門業者に任せましょう。
雨漏りを起こす恐れのある部分の積み直し工事で、瓦屋根の経年劣化による二次被害、三次被害を防ぐことが出来ました。1棟目同様、雪止め金具を取り付け瓦屋根工事は完了です。築年数が経過することで瓦が徐々に欠け、浮きやズレを起こしやすくなってしまいます。シーリング材を使用して【ラバーロック工法】で瓦を固定しているお住まいの場合は簡単に瓦を動かす事は出来ませんので、固定前に補修や雪止め設置等の対策を行いましょう。
雨樋は破損箇所の交換と既存雨樋の接続を行いました。受け金具はステンレス製ですので錆びにくく耐久性にも優れていますので、長期に渡って雨樋を固定することが出来ます。
2棟目のアパート修繕工事が完了致しました。ここまでで火災保険の適用対象外は、雪止め設置工事のみです。足場仮設も補修工事に必要な為、保険で申請することが可能です。ぜひこの機会にトタンや外壁の塗装も行いたいところですが、まずは建物の維持の為に優先順序の高い場所から補修していきましょう。塗装はメンテナンス時期を逃し雨漏りを起こさないように注意して見ていきましょう。
【3棟目のアパート点検】
最後は2棟とは離れた場所にある築30年のアパートです。こちらも強風や積雪により、雨樋に不具合を感じられるそうです。一部分は雪止めが設置されていますが、雪止めのない場所での被害が気になるという事で、全面設置をご検討されていました。既に雪止めを設置しているのに効果が感じられない場合は、雪止めの追加設置や雪止めネット、ゆきもちくん等で積雪対策が可能ですのでお気軽にご相談ください。太陽光パネルを設置したお住まい、屋根塗装後は以前よりも雪が滑り落ちやすくなりますので、施工時にしっかりと確認しましょう。
こちらの建物はトタンではなく波板を使用していたため、強風により飛散してしまいました。もちろんこちらも火災保険が利用できますが、【原状回復】が原則ですので、塩ビやガラスネット製を使用している場合は既存素材のままでの交換となります。耐久性に優れたポリカーボネート製や、ガルバリウム鋼板での張替をご希望の方は差額分が自己負担ですのでこの機会を逃さないように補修しましょう。
雨樋が取り付けられている場所は木製ではなくモルタルですが、もちろん交換等は可能ですのでご安心ください。但し、下地が腐食したり剥離している場合は一度下地の補修を行ってからの雨樋取付になります。それは木製も同じですが、モルタルはパターン付けで仕上げを統一したりと費用がかかってしまいますので、無駄な補修が必要にならないように定期的なメンテナンスを心がけましょう。
多くのお住まいでも使用されている、薄くて軽量なスレート屋根材にはひび割れがありますが、この程度では雨漏りは発生しません。瓦とは違い塗装メンテナンスを行う必要がありますので、色褪せや苔・藻の付着が目立ち屋根材が劣化してしまう前に塗膜保護をしましょう。
【雨樋交換・雪止め追加・波板張替】
こちらも修繕工事の為に足場を仮設し、破損した雨樋の交換を行います。2口ある接続部は「合わせ枡」と呼ばれ、2方向からの雨樋を繋ぐための部材です。ベランダからの雨樋と屋根からの雨樋を接続し、1本で地上に流すことが出来ます。竪樋が少なくする程、美観性の向上と破損個所を少なくすることが出来ますので非常に便利な部材ですね。今回の様にこの部分で取り外し破損個所の交換も可能ですが、ゴミが詰まっている場合はしっかりと清掃をしてから復旧していきましょう。
3棟目のアパートには耐久性に優れた角樋が使用されていたため、金具の形状も異なります。半丸を下で支えていたのが「受け金具」、角樋を上から留めているのを「吊金具」と呼びます。吊金具の方が受け金具よりも破損しにくいと言われていますので、金具や雨樋の形状に少し着目して補修してみても良いかもしれませんね。
新たに交換した雨樋を既存雨樋に接続、再確認して工事完了です。波板はフックボルトを使用し張り替えていきます。波板は重ねて取り付けてありますが、火災保険の適用は破損箇所のみになりますので色が異なる場合もあります。アルミ製下地の場合は錆びないため高耐久ですが、木製下地は雨水に晒され続けることで劣化してしまいます。塗膜も剥がれやすい為、頻繁に塗り直しても腐食してしまった場所は木材の取り替えを行いましょう。
波板から雨樋を通すときには波板に穴を開けますが、その穴周辺から雨水が漏れてしまわないようにコーキング材で塞いで工事は完了です。
最後に雪止めの追加設置です。スレート屋根材に使用される雪止め金具も、瓦に取り付けるタイプと同様に差し込んで引っ掛けていきますが、今回使用された後付けタイプと先付タイプで形状が異なります。先付タイプはビス等でしっかりと固定できますので、後付けよりもズレにくい仕上がりです。雪止めを設置しようかどうしようかとお悩みの場合は、取り付けておくと安心ですね。もし必要のない場合は次回の屋根工事で雪止めを取り付ける必要はないでしょう。
以上で所有されている3棟のアパート修繕工事が終了致しました。恐らく雨樋の歪みに気づかなければ、瓦の外れにも気づかずに雨漏りに発展してしまっていたかもしれません。普段生活をされていない場所だからこそ、定期的な点検と築年数に応じたメンテナンスが必要になります。今回は被災後時間が経過していなかったため火災保険を利用することが出来ましたが、3年経過していると利用できませんので、台風通過後・地震発生後は特に見直し適切な修繕を行っていきましょう。街の屋根やさんでは無料点検を承っておりますので、気になる際はお気軽にご相談ください。補修が必要な箇所がない場合も点検費用等は一切かかりませんのでご安心ください。火災保険の申請方法、屋根材等の部材に関するご質問等も受け付けておりますので、どんなことでもお申し付けください、お待ちしております。
記事内に記載されている金額は2018年11月19日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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