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見た目は問題なくても防水紙は傷んでいる瓦屋根|川崎市中原区
更新日:2017年10月23日
川崎市中原区で屋根の調査をおこないました。台風21号の上陸によって被害の出た建物が多く、特に雨漏りでお困りの方が多い様です。秋の長雨と言いますが、一週間以上雨が続いた最後に大型の台風がきて、これだけ降れば流石にどこかしら建物に不具合も出てしまいます。
雨漏りは、建物にとって良くない事だらけです。木造住宅であれば構造材が腐食してしまうし、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物は鉄筋や鉄骨がサビてしまう事になります。お伺いした建物は瓦葺きの木造住宅です。日本瓦は、瓦だけをとれば50年以上の耐久性をもった非常に優れた屋根材ですが、メンテナンスが必要無い訳ではありません。例えば、棟に使われている漆喰は経年によって剥がれ落ちてしまい、そのまま放置すれば棟が崩れたりします。瓦の下に葺いてある防水紙は寿命が20年~25年といわれていますので、劣化してひび割れたり切れたりすればそのまま雨漏りに繋がってしまいます。
耐久性が高い屋根材を使って見た目が問題なくても傷みが出ているところはあるんです。定期的にメンテナンスをおこなって建物を長持ちさせましょう。
防水紙は50年も持ちません
『棟が崩れているかもしれない』というのがお問合せの内容でした。下からみると棟違いの部分が崩れている様にみえましので、屋根に上って確認しましたが棟に関しては全く心配がない状態です。漆喰も浮いたり剥がれたりしている所もなく、崩れたところもありません。
左の画像の様に入り組んだ部分は、納まりが複雑になるので雨漏りするリスクが高くなります。建物の納まりは、雨仕舞いといって雨水が建物内に浸入しない様にしながら、高いところから低い所へ雨水がスムーズに流れる様に造っていくのですが、複雑な形状になると上手く雨仕舞いが出来ていない建物もありますので、注意が必要です。
瓦をあげると中は笹の葉っぱがギッシリ詰まっていました。建物の回りは大きな竹が沢山生えているので、大量の葉っぱが落ちてきます。一枚一枚は小さいので瓦の隙間から入り込んで溜まっていきます。瓦屋根は、瓦の表面を雨水が流れますが、瓦の下にも必ず雨が入り込んで防水紙の上を軒先まで流れていきます。しかし、この様な大量の葉っぱがあると雨水がせき止められてしまうので、劣化してひび割れたり切れている防水紙の隙間から小屋裏へ雨水が流れ込んでしまい、雨漏りになってしまいます。
葉っぱが入るなら隙間を埋めれば良いんじゃない?と思われたかもしれませんが、それは絶対にやってはいけない方法です。瓦の隙間は雨水の逃げ道と通気の役割をもっています。隙間が有る=埋める、と考えてしまうと余計に雨漏りを助長してしまう事になります。
メンテナンスは早いに越したことはありません
今回の台風21号で被害に遭われた方に話を聞くと、以前からたまに雨漏りしていたけど毎回の雨で雨漏りする訳ではなかった、という事を結構聞きました。雨量や風向きなどで漏ったり漏らなかったりするのですが、一度雨漏りしたという事は必ずどこかに不具合が出ているという事ですので、放置をせずに直す事で費用も最小限に抑える事が出来ます。川崎市中原区の建物の様に見た目は問題なさそうだなと思っても、築年数によっては防水紙が劣化していますので、被害が拡大する前に早めのメンテナンスをしていきましょう。
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