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【お問い合わせのきっかけ】
担当:谷
館山市神余にお住まいのお客様少々築年数が経っている住宅を購入し、DIYが好きな事から出来るだけご自分で手直しをやり今後住んで行きたいのだが、屋根の事だけは難しいとの事で、インターネットで調べると事例が沢山記載してあるとの事で、お問い合わせを頂きました。元々建物が古いとの事で、屋根の荷重を減らし、住宅の負担を減らしたいとの事が第一優先で、出来るだけ安く耐候年数が高い資材を希望でした。瓦はメンテナンスが大変高額となるので、せっかく葺き替えをするのであればランニングコストを減らせられれば、今後安心して住んで行けるはずとの事でした。
担当:谷
館山市神余にお住まいのお客様は築年数が少々経過している日本家屋を中古で購入したそうです。お客様はDIYが好きでいろいろな物を作ってきた経験を活かし、少しずつ住宅を修復していきたくて購入したそうです。住居というアイテムでフルに趣味を楽しめるため、いろいろな想像をしながら生活するのが楽しいとおっしゃっていました。しかし、屋根の工事となると失敗が許されるものではないので、DIYではなく専門業者にやってもらわないといけないとお考えになっていました。屋根だけは業者をしっかり調べてから頼みたいとのことでした。DIYのご経験が長いだけあって、素晴らしい考え方だと思います。もし、DIYで失敗した場合、どれだけのリスクがあるのかを考えてから行動しないと大変なことになりかねません。(屋根の葺き替えの事でしたらこちらまで)
築年数が大分経っているので瓦屋根は所々に不具合があり、できるだけ早くメンテナンスをしないといけない状態でした。瓦をランダムに剥がしてみるとほとんどの場所に土が溜まっています。当時の屋根には瓦を設置する際に瓦の角度やズレを補正するために葺き土という練った土を設置していました。それだけでなく、長年の年月で吹き込んだ土や砂、埃のせいでより土埃が溜まっている状態です。雨水が瓦の下に入り込んでしまう状況では雨漏れのリスクが増えてしまい、水分を必要以上に含んでしまった屋根土は屋根下地に悪影響を与えます。
お客様のお家は平屋を増築したものなので異なる瓦が設置されていました。茶色い瓦は現在の三州瓦で、釉薬を塗って焼かれたものです。下地の防水紙に大きな損傷は無いようです。元々の建物は瓦も古く、地瓦と呼ばれるものが使われていました。千葉県かあるいは近隣地域で作られた素焼き瓦でほとんどで、瓦自体の寸法も現在よりも小さくなっています。現在は同じ寸法の瓦は生産されておらず、破損してしまうと交換できないため、修理が困難になってしまいます。
地瓦が造られていた時代は現在のように粘土の質も、焼成の温度管理も精度が高くなかったため、瓦の品質もバラバラでした。そのため、経年で水分を吸収してしまうものもあり、含水が凍結・膨張し、割れてしまうこともあります。昔から良質の粘土が取れた三州瓦と較べると耐用年数は短くなる傾向にあります。1400年前の瓦が未だに現役である元興寺の例もありますから、耐用年数が一番長い屋根材は粘土瓦で間違いないと言われています。
瓦自体は耐用年数が100年以上とも言われています。しかし、だからと言って屋根が100年持つわけではありません。現在の瓦屋根の耐用年数は約20年と言われており、それを目途にメンテナンスをした方が良いようです。表面の屋根材自体は耐用年数が長いのですが、下地に貼られている防水紙の耐用年数が約20年程度だからです。屋根は完全に防水されているわけではなく、雨漏れがしにくくなるように様々な工夫がされているものなのです。
屋根瓦は建築資材ですので交換が可能ですが、下地の躯体や防水紙は簡単に交換できません。適切な時期にメンテナンスを行わないと、浸入してくる雨水で住宅本体の方が劣化してしまい、修理する事が困難になってしまう事もありますので、目安として約20年と言われているのです。もちろん40年間、何も問題ないという方も中にはいらっしゃいますが、劣化は進んでしまっている事は確かです。あくまでも手遅れにならないようにするメンテナンス時期の目安になります。(住宅メンテナンスサイクルの事でしたらこちらまで)
お客様は瓦屋根から金属屋根に葺き替える工事を選択いたしました。住宅が古いということもあり、屋根資材は金属系屋根にしたいとのことでした。瓦も良いことは良いのだが、修理費用のコストが高く、今後の地震や台風のような自然災害に備えたいとのことで、金属屋根に決めたそうです。
まずは既存の瓦を取り除き、新規の金属屋根が貼れる状態に致します。瓦おろしは重労働でありますので、少人数だと時間がかかります。屋根を葺き替え終わる前に雨が降ってしまっては雨漏れのリスクが生じるので、なるべく大人数で短時間にて工事いたします。
少々古い住宅ですと、屋根に設置してある板は貫野地下地と呼ばれる強度が低い物です。したがって屋根を葺き替える場合には野地ベニヤ(12mm)を補強を兼ねて設置して行きます。ベニヤを貼る事により屋根の強度が高くなり、耐震性が向上いたします。せっかく瓦をやめて軽い金属屋根材にする屋根なのに、ベニヤを追加するとその重さが気になりますよね。金属屋根材は瓦の10分の1程の重量しかないのでベニヤの重さを加算しても、瓦よりも格段に重量が削減されます。
ベニヤ補強が終わり、防水紙を貼る重要な工程となりました。防水紙はアスファルトルーフィングと言い、ハンマー状のタッカーと言う簡単に言えば大きなホッチキスのようなもので止めて行きます。防水紙をハンマータッカーで止めると防水紙に穴を開けることになりますが、アスファルトルーフィングは打たれた摩擦熱により穴が塞がるものとなり、雨漏れがしにくくなっています。
防水紙はあくまでも繊維状のものなので打ち損ないや切れが生じます。しっかりと確認し、施工を進めていきます。(防水紙の重要性に関して)
今回使用した屋根資材は稲垣商事のヒランビーという商品です。ガルバリウム鋼板製ですので劣化には強く、ガルバリウム鋼板の屋根材の中では比較的安価な部類の商品になります。ただヒランビーは断熱材と一体型の屋根材ではないため、天井の上や小屋裏の中に断熱材を設置することをお勧めいたします。金属ですので豪雨の雨ですと雨の音がかなり大きく、気になる方もいると思います。断熱材を天井の上や小屋裏の中に設置すれば、音は聞こえにくくなります。断熱材が無いために安価にガルバリウム鋼板を屋根に設置できるものでトラブルも少なく、施工もやり易いことから屋根業者にも人気の商品になります。どうしても屋根と断熱材が一体型のものが必要であれば、スーパーヒランビー断熱材付属もあります。
お客様の住宅は増築を重ねている建物ですので、必然的に谷板金が多くなります。谷板金は名前のとおり、屋根の谷、凹部に設置する板金のことを差します。左右の屋根傾斜より雨水が集中し集まる部分になりますので、あまり目立たちませんがとても重要な物となります。
谷板金の劣化による雨漏れも多いのですが、簡単に交換できる資材ではありません。交換する場合は屋根材ごとの交換となるので大きな工事になってしまいます。常にメンテナンスを心掛けてやらないといけない部分です。屋根を塗装する際などは必ず塗装してもらいましょう。また雨水が滞留しないよう、落葉などのゴミの詰まりにも気を付けてください。
お客様の住宅は増築を重ねていますので、屋根も複雑かつ複合になっています。ヒランビーは色々な屋根の形に適用でき、設置しやすい物となっていますので、色々な形にも対応できます。横葺きの場合、屋根の勾配が3寸勾配以上ないと雨水を上手く流す事ができないので雨漏れが生じてしまう可能性があります。必ず3寸勾配以上の屋根に設置してください。お客様の住宅は5寸勾配ですので、問題なくヒランビーを設置する事が可能でした。複雑ではありましたがヒランビーにより施工のしやすさにて問題なく納まりました。
お客様のイメージどうりの金属屋根が完成いたしました。屋根はガルバリウム鋼板により耐用年数が長く災害に強いとなりました。今後のメンテナンスとしては屋根塗装が主体となりますが、20年近くノーメンテナンスで大丈夫です。瓦のような突発的な修理などのリスクも少なくなり、自然災害時に住宅自体に与える負荷も軽減できます。お客様も屋根が完成し雨漏れの心配が無くなり、趣味であるDIYに集中できるようになり、お喜びしていました。
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どのリフォームが最適?屋根リフォームの種類【街の屋根やさん】
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