雨漏りした瓦棒屋根の状態を点検調査

青色の金属屋根は見た目には大きな破損がなく、一見すると健全に見えました。

ですが、日差しの影響で塗膜の艶にムラがあり、以前から部分的な補修が行われていた形跡も見受けられました。

このような状態は雨水の流れに癖が出やすく、雨漏りのサインとなることがあります。

屋根勾配に対して水がスムーズに流れていない部分を中心に細かく点検しました。

ベランダの基礎と屋根の取り合い部分では、影の差し方からわかるように段差が複雑で、雨水が滞留しやすい構造でした。

金属パイプのような部材が近接しており、それが雨水の動線を乱していた可能性も考えられます。

こうした取り合い部は雨漏りの原因になりやすく、特に慎重にチェックを進めました。

屋根材の裏側にあたるスペースでは、金属部分が一部錆びており、雨水が染み込んだ跡が確認できました。

雨染みの形状から、水が一定方向に流れつつ滴下していたことが推測できます。

このような痕跡は原因特定の大きな手掛かりとなり、職人も慎重に推察を進めました。

別角度から確認すると、埃が溜まっている部分と比較して、明らかに濡れた跡が薄く伸びており、水の侵入経路が具体的に浮かび上がりました。

構造材には今のところ大きな腐食は見られませんでしたが、早めの補修が必要な状態です。

お客様にも現場写真を共有し、現状を丁寧に説明しました。

瓦棒屋根の補修工事

補修箇所はバルコニーの真下にあたるため、作業スペースを確保する目的で、いったん撤去作業を行ってから工事に入ります。

周囲への影響にも配慮しながら、順を追って作業を進めていきます。

棟から軒先にかけての板金を順に剥がしていきます。

その後、新しい板金を使用し、下地の状態を確認しながら、浮きやズレが出ないよう丁寧に施工を進めます。

屋根裏側のスペースも再度確認し、以前見られた濡れ跡が新たに広がっていないかチェックしました。

補修前に比べて隙間部分がしっかり保護されており、湿気の気配もなく、施工の効果を実感できる状態でした。

青色の屋根材は一枚ごとにしっかり固定されているものの、水が浸入した箇所では微細な歪みが見られました。

そのため、下地の木材が湿っていないかを確認しつつ、必要な部分には補強材を追加しています。

職人が踏み込む写真でもわかるように、作業中もバランスを崩さないよう安全第一で進めました。

完工

工事が無事に竣工しました。

傷みが進んでいた数枚の屋根材は差し替えを行い、新しい金属材を既存の形状に合わせて施工しました。

金属屋根は寸法がわずかにずれただけでも雨水の流れが悪くなるため、高さや角度を微調整しながら慎重に取り付けています。

表面の色艶が均一になり、仕上がりの精度にもこだわりました。