屋根の状態を点検調査

屋根全面の汚れと染み

屋根には広範囲の汚れや黒ずみが確認でき、表面の保護機能が大きく低下していました。

特に屋根材同士の重なり部分には染みが濃く見られ、古い塗膜がすでに役目を果たしていない印象です。

太陽光を反射しにくくなることで熱もこもりやすく、屋根自体の負担が積み重なっていたと判断できました。

露出した屋根材と剥がれ

近くで確認すると、塗膜が剥がれて白く露出した屋根材が点々と残り、指で触れると粉状になるほど脆くなっていました。

保護層が失われると雨水が直接屋根材に触れてしまうため、劣化速度は大幅に早まります。

剥がれ方が不規則であることから、塗装での再生は難しく、構造材を守るためにもカバー工法が妥当であると判断しました。

所々に屋根材の割れや隙間が確認でき、風雨が吹き込めば内部まで水が到達する危険性がありました。

表面が波打つように変形している箇所もあることから、長年の温度変化による負荷が蓄積している状態です。

お客様も写真を見ながら「これは思っていたより傷んでいるね」と驚かれており、安心できる施工方法を求めておられました。

進行した劣化とひび割れ

一部ではひび割れが奥まで伸びている箇所があり、放置すれば確実に雨漏りにつながります。

こうした傷みは補修での対応が難しく、全面的な屋根カバー工法によって耐候性を持たせることが最も現実的な選択肢です。

調査の終盤にはお客様も現状をしっかり把握され、安心して工事の方向性を決められました。

エコグラーニを用いた屋根カバー工法

棟板金の撤去と下地確認

まず既存屋根を高圧洗浄して表面の汚れを落とし、棟板金と貫板を撤去していきます。

洗浄後は屋根の乾燥を確認しながら作業を進め、下地の状態を点検しました。

職人は「長年頑張ってくれた屋根だからこそ丁寧に扱いたい」と話しており、細かな部分まで慎重に作業を進めていきました。

防水紙（ルーフィング）の敷設

既存の屋根にタジマ製Pカラーの防水紙を敷設し、雨水をしっかり防ぐ構造を作ります。

重ね幅や張り方向を細かく調整しながら施工し、屋根全体を均一に覆うことで仕上がりの耐久性が大きく変わります。

風の影響が出やすい場所では、職人同士が声をかけ合い安全に作業を進めていました。

軒先から同質タイプの役物材を配置し、屋根材との取り合いを整えていきます。

役物は屋根の縁を守る重要な部材であり、エコグラーニと同じ石粒コーティング仕上げのため、耐候性と統一感の両方が確保されます。

写真のように材料を整然と並べ、手順を確認しながら慎重に進める姿が印象的でした。

屋根材「エコグラーニ」の葺き上げ作業

軒先から順番にエコグラーニを葺き上げ、専用のパッキン付きビスでしっかり固定していきます。

1㎡あたり約6本、今回の屋根では約600本近いビスを使用するため、職人は膝をつきながらひとつひとつ丁寧に締め込んでいました。

自然石粒の質感が重なり、美しい仕上がりが段階的に姿を現していきます。

棟板金の取り付け

屋根全体を葺き終えたら、最後に棟部分の仕上げです。

新しい貫板をまっすぐに固定し、その上から同質タイプの棟板金を被せてビス留めします。

棟は最も風の影響を受けやすいため、コーキング材も併用しながら気密性を高め、雨水の侵入を確実に防ぐ構造に仕上げました。

完工

今回の工事では、長年の使用で傷んだ屋根をエコグラーニを用いたカバー工法によって、強く美しく再生することができ、お客様にも大変喜んでいただけました。
工事中に台風被害など思わぬ出来事もありましたが、無事に完工を迎えられたことにスタッフ一同ほっと胸を撫でおろしております。

最後に「また定期点検で会えるのね」と声をかけていただき、温かい気持ちに包まれました。
港南区で同じようなお悩みをお持ちの方は、どうぞ街の屋根やさんへお気軽にご相談ください。

築年数が進んだ屋根では、塗装だけでは性能を維持できないケースもあるため、適切な判断が安心につながります。