軒樋の状態を点検調査

点検時に確認すると、軒先に取り付けられた半円形の軒樋（のきどい）が外側へ向き、雨水を受け止められない状態になっていました。

軒樋が屋根からの水を受け止められない角度で固定されており、このままではバルコニーの防水層にも負担が及びかねません。

実際の状況をお客様にもご覧いただき、交換工事が必要である理由をご説明しました。

軒樋を半円形から角形に交換工事

支持金具の撤去と新規金具の設置

まずは既存の軒どいと支持金具を取り外し、下地の状態を確認しながら新しい金具を取り付ける作業から進めました。

写真にあるように金具を一定間隔で配置し、水糸を張って正確な勾配を測定する重要な工程です。

職人さんが細やかな調整を繰り返し、雨水が左右どちらに流れるかを見極めながら慎重に配置していきました。

勾配調整を行った支持金具の固定

次に、軒どいが自然に水を流せるよう、勾配を10mあたり3〜5mmの範囲で設定していきます。

写真の金具は、勾配を確保しつつ軒どいをしっかり支えられるよう固定されている状態です。

たった数ミリの調整でも排水性能に影響するため、職人たちの経験が問われるポイントでした。

仕上がりが見えない部分だからこそ、精度の高い施工が求められます。

新しい角形軒どいの取り付け

金具の準備が整った段階で、新しい角形軒どいを取り付けていきました。

しっかりとした形状で、半円形に比べて雨水の流量に余裕が生まれるため、強い雨でも安心できます。

軒の長さに合わせて軒どいを丁寧にカットし、無理のない継ぎ方になるよう工夫しながら施工を進めました。

角形への変更により、排水能力の向上だけでなく外観の印象もすっきりと整います。

集水器の取り付け

最後に、竪どいへ雨水を送るための集水器を取り付けました。

軒どいの下部にしっかりと固定され、雨水がスムーズに落ちていく構造になっています。

既存の竪どいとの接続部分は位置の微調整が必要で、部材の相性を考えながら調整する作業は職人の腕が光る場面でした。

全体の通水確認も行い、問題なく流れることを確認して工事を終えました。

完工

今回、たわんだ軒樋を半円形から角形へ交換する工事を行いました。
ポイントは、機能を失った軒どいを形状変更しながら改善することと、適切な勾配調整によって排水性能を確保することです。

施工後、軒どい交換によって、バルコニーへ雨水が流れ出す問題は解決し、安心して過ごせる環境が整いました。
お客様からも「これで雨の日のストレスがなくなる」と喜んでいただき、私たちもお力になれたことをうれしく感じています。

軒どいは普段あまり意識されない部分ですが、住まいを守る大切な役割を担っています。
同じようなお悩みがある方は、街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください。