更新日:2016年10月23日
皆さんは日本の世界遺産をどれぐらいイメージできますか?
残念なことに私はパッと建築物の名前が思い浮かばず、思わずグーグルで検索してしまいました。
世界遺産を検索してみると、時代や地域によっても屋根の種類は様々でとてもおもしろい結果を得ることができました。
そこで本日は、日本の世界遺産の建築物はどのような屋根の形状と素材を採用されているかをご紹介したいと思います。
1、白川郷・五箇山の合掌造り集落
1995年に日本で6件目に世界遺産となりました。
合掌造りと聞き、どのような屋根かは何となく想像できるという方も多いのではないでしょうか?
見た目は、「急こう配で切り妻屋根の茅葺屋根」といったところですね。
白川郷(岐阜県)五箇山(富山県)ともに雪深い地域のため、屋根の角度は60℃の急こう配で雪が降った際でも滑り落ちるように工夫されています。
屋根組みには釘が使われておらず、丈夫な縄で固定されています。現在でも30年~40年に一度、茅の葺き替えを行っています。
2、平等院
10円玉の絵柄としても日本人にはなじみ深い平等院ですが、1994年に「古都京都の文化財」を構成する17物件の1つとして世界遺産登録された建物になります。
屋根はというと、「立派な入母屋の瓦屋根」といった印象を受けますが、実は平等院の見どころとしても有名なのですが、かなり変わった瓦をあしらって屋根が葺かれています。
平等院の象徴ともいえる、大棟にのる二羽の鳳凰像からまっすぐと伸びる下り棟の先端には龍頭瓦が飾られています。
その姿を全体から眺めると巨大な龍となっている珍しい形になります。
3、熊野古道
2004年に世界遺産登録された熊野古道ですが、そのルートにある青岸渡寺本堂もまた世界遺産に登録されている文化財の一部です。
入母屋のコケラ葺きの屋根になります。コケラ葺きと聞くとあまり馴染みのない屋根材になるかくと思いますが、木材の薄板を用いて施工される板葺きの手法になります。
青岸渡寺のほか、有名な文化財では京都の金閣寺などもコケラ葺きを採用しています。
4、首里城
2000年に世界遺産登録された沖縄県の首里城ですが、なんといっても目を引くのが屋根で葺かれている瓦が赤という点ではないでしょうか?
首里城にかかわらず、その周りの建物の多くの瓦が赤い瓦が採用されていますね。
琉球赤瓦と呼ばれ、本土の瓦とは形もかなり違うものですね。平瓦と丸瓦の2種類からなる瓦を組み合わせて、台風などの強風の際でも耐えられるように瓦通しを漆喰で塗り固めます。
そのため、赤と白のコントラストがはっきりとするのです。
かつて、琉球地方では赤は高貴な色とされ一般的な住宅では赤系の瓦を使用することは禁じられていました。
このように、屋根をひとつ見てみても日本の文化財には様々な建築様式があります。観光の際には屋根をよく観察してみるとおもしろいかもしれません。
現代に通じるものとしては、瓦葺きが一般的にもなじみ深いですね。
しかし、これからお住まいを建てる方がコケラ葺きや合掌造りで新築するという話はあまり聞きません。
こうして建築物を見ていくと、お住まいの進化を目の当たりにしているようです。
屋根に関するご相談は0120-989-742までお気軽にご相談ください。