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ビフォーアフター

点検の様子～軒が垂れ下がった瓦屋根

　

神崎町神崎にて瓦が落ちたとは聞いていたのですが、まさか原因が瓦屋根の変形にあるとは思いませんでした。建物の壁や屋根の上には蔓植物が生えています。撤去したいところですが、無理に引きはがすとより病状が悪化しますので、このままにしておきます。

 

　

屋根の変形の原因は雨漏りによる下地の腐食で、強度が落ちた垂木は変形し、折れているところもありました。このままにしておくと、より軒は垂れ下がってくるでしょう。築90年以上とのことなので、「それほどお金を掛けず、瓦が落下しないようにしてほしい」のがお客様の望みなので、軒を作り直して屋根を部分的に葺き直します。

 

施工の様子～軒先を切断して作り直し、部分的な葺き直し

　

神崎町神崎にある建物は平屋なのですが、作業性を確保するため、足場を仮設します。その後、軒先の瓦を撤去していきます。瓦を撤去すると、何が何だか分からない状態になっていました。葺き土が雨でかなり流出したのでしょう。

 

　

軒先は完全に腐食していましたので、切断しました。木造のいいところはこうやって切断しても比較的、復元しやすいところです。残した垂木と新しい垂木を釘で繋げ、なおかつ補強の木材を入れます。

 

　

屋根の上に残されているのは木材をシート状にスライスしたものです。「とんとん」と呼ばれ、現在の防水紙の同じ役割を持っていたものです。その下に構造用合板を差し込み、野地板として使用します。そして、防水紙も張ります。

 

　

瓦を最適な角度で設置するため、シルガードを使用します。南蛮漆喰の改良品で葺き土の代わりとなるのですが、こちらは雨水がなどで崩れる心配はありません。瓦を戻していきます。こちらの瓦も生産されてから90年以上のものです。まだまだ、現役で使えるところがすごいですね。

 

竣工、軒先の作り直しと部分的な屋根葺き替え

軒先の再生と屋根の部分的な葺き戻しが完了しました。これでしばらくは安心でしょう。屋根の一部に植物が生えていますが、これを完全に除去するには瓦屋根を解体する必要があります。瓦が落下する心配も当面なくなったことで、お施主様も安心しておられました。

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