【お問い合わせのきっかけ】

ビフォーアフター

屋根調査の様子

 

さっそく足柄上郡大井町金子に向かい調査に伺いました。
実際に屋根に上って調査します。見たところ、どうやら飛散したのは棟板金の一部のようでした。外れている個所は3カ所にのぼり、棟板金の半分近くが飛散していました。幸いお客様にはお怪我はなかったようです。
残った棟板金の上体を見てみますと、全体的に赤茶けており、すっかりさび付いてしまっています。貫板の状態もわるく止めている釘が抜けやすい状態でした。

 

お話によると、今までこれといった屋根のメンテナンスというのは行ってこなかったとの事で、もちろん塗装工事も行っていないとの事でした。そのためか、スレート表面の塗膜はすっかり劣化してしまい、塗膜が剥離し藻や苔が繁殖しています。
スレートはセメントや繊維質原料を混ぜたものを加圧形成した屋根材ですので、元々スレート自体には防水性は備わっていません。それを防水機能のある塗料を塗布することによって補っています。その塗膜が劣化してしまうと防水性も同時に失ってしまい、カビや苔が繁殖するようになってしまいます。さらにそのまま放置しますとスレート材の中にまで雨水が浸透してしまい、乾燥・吸収と冬場の凍結を繰り返すことによってスレート材自体も劣化していきひび割れや反りなどの変形につながってしまいます。やがて下地材にまで雨が侵入してしまい、最終的に雨漏りへとつながっていきます。
お客様のスレートはすでに屋根材そのものまで傷んできていて、ひび割れや欠けている個所が複数個所確認できました。
ここまで腐食が進行していますと塗装メンテナンスで補う事ができません。重ね塗りをしてもすぐに塗膜が浮いてしまい剥離してしまいます。

お客様には飛散した棟板金の状態、スレート屋根の状態をご報告いたしましたところ、今後の事も考えて、屋根の葺き替え工事を選択していただき、今回の工事となりました。

 

屋根葺き替え工事の様子

 

安全と作業効率のために屋根の周囲に足場を設置します。今回は屋根の勾配も急ではないので、屋根足場は組まずに作業いたします。

屋根葺き替え工事というのは、今葺かれている屋根材を撤去した上で、新たな屋根材を葺き直す工事です。
まずは既存の屋根材と棟板金を全て撤去します。その下から出てきたボロボロの防水紙も全て撤去します。

野地板が見えてきました。見た目では分かり辛いですが、踏むと場所によってミシミシと音を立てています。だいぶ劣化が進んでいるようですが、こちらは撤去せずそのままにして、上から新しい野地板を増し張りしていきます。増し張りを行いますと、通常の野地板以上に強度を増すことができ、撤去する工程を減らせるメリットがあります。

 

野地板を増し張りが終わりましたら、防水紙、アスファルトルーフィングを敷いていきます。今回使用するのは日新工業のカッパ23改質アスファルトルーフィングです。

防水紙を敷き終わり、次は本葺き作業に入ります。ケイミューのコロニアルクァッドを葺いていきます。軒先から上（棟）へ、丁寧に葺いていきます。

屋根の面と面の合わせ目は手作業でカットして合わせていきます。

 

その合わせ目に板金を敷いていくのですが、まずその下地となる貫板を設置します。ビスで等間隔で固定していきます。
その貫板にガルバリウム鋼板の棟板金を固定していきます。雨水が浸入しにくいように横から止めていきます。
棟板金を取り付け、再度見落としが無いか確認し、施主様にご確認いただいて竣工となります。

 

葺き替え工事、竣工

今回は台風によって棟板金が飛散してしまったことがきっかけでしたが、点検の結果、さらに深刻な屋根の状態に気が付くことができました。防水紙まですでにボロボロの状態でしたので、雨漏りするのも時間の問題だったかもしれません。人の体と同様で、表面だけでは分からない病巣が救っていることもありますので、築年数で20年を過ぎましたら一度、お住まいの健康診断を受診されることをおすすめします。点検・お見積りは無料ですので、街の屋根やさんにお気軽にご相談ください。

　記事内に記載されている金額は2020年08月25日時点での費用となります。
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