屋根の状態を点検調査

今回は劣化した漆喰の状態を丁寧に確認し、必要箇所をしっかり補修することで屋根全体の耐久性を整えていきます。
漆喰が劣化すると、瓦同士の固定力が落ちるとズレや雨漏りを招きやすくなるため、早めの対応が安心につながります。

調査時には、ネズミ色がかった瓦が整然と並び、全体としてはきれいな印象を受けました。
周囲がスレート屋根の住宅ばかりという環境もあり、瓦独特の重厚感がひときわ目を引きます。

日差しを受けると瓦の表面が光り、改めて素材の良さを感じさせる屋根でした。

棟瓦の周辺を見ると、固定用の針金などは機能していましたが、内部の漆喰の状態に劣化が見られました。

瓦自体はしっかりしているものの、漆喰が痩せると棟の安定性に影響するため早めの対処が欠かせません。

屋根の要となる部分だけに、丁寧な補修が必要であると判断しました。

一部では漆喰が完全に剥がれ落ち、内部の土が露出していました。

ここまで劣化が進むと接着の役割を果たせず、瓦がズレる危険性があります。

手に取るとボロボロと崩れるほど乾燥しており、補修ではなく詰め直しが適切な状態でした。

お客様にも写真を確認いただき、すぐに工事へ移ることとなりました。

屋根の漆喰詰め直し工事

今回は瓦の色味に合わせて漆喰を詰め直し、自然な仕上がりを目指します。

影のように溶け込む色味のため、見た目が引き締まり屋根全体の印象もより整って見えます。

施工中は瓦を傷つけないよう細部まで気を配り、漆喰を均一に詰めることで耐久性も向上させました。

鬼瓦の裏側は雨水が回り込みやすく、屋根全体の防水性に関わる重要なポイントです。

古い漆喰は硬化して密着力が弱くなっていたため、丁寧に撤去してから新しい黒漆喰を充填しました。

仕上がりは滑らかで、鬼瓦との密着も改善され、お客様にも安心していただける状態となりました。

特に劣化が進んでいた下がり棟の断面では、漆喰が風雨によって影響を受けやすいため慎重な作業が求められます。

露出部分を丁寧に整えつつ、奥まで漆喰をしっかり押し込むことで長持ちする仕上がりを意識しました。

職人も「ここは念入りにやっておくと安心感が違う」と話しながら、丁寧に形を整えていました。

完工

今回の漆喰詰め直しによって、瓦屋根本来の固定力と美しさがしっかり戻りました。

外壁リフォームと合わせて外観全体が整い、ご主人様もその変化を喜ばれていた様子で、こちらも嬉しく思います。

街の屋根やさんでは、こうした部分的な補修でも丁寧に対応しておりますので、屋根のひび割れや漆喰の劣化が気になる方はお気軽にご相談ください。