台風で損傷した屋根の点検調査

まずは鎌倉市大船で築26年になるN様邸の点検を行いました。
昨年の令和元年東日本台風のあと、屋根の棟板金が飛ばされていることに気づき、ご自身で応急的に対応されたとのことです。

「再び強い風が来たときのことを考えると心配」と仰られており、今回、お問い合わせを頂きました。
棟板金が失われた部分には、新しい棟板金を購入して取り付けられていました。

継ぎ目にはテープが貼られており、ご不安な中で可能な範囲の対応をされたご様子がうかがえます。
しかし、屋根での作業は高所となり、落下の危険を伴います。

安全のためにも、専門業者への依頼がおすすめです。
街の屋根やさんでは応急的な対応も行っていますので、屋根に気になる点がありましたら早めにご相談ください。

また、飛散していない棟板金の部分を確認すると、スレートとの間に隙間が生じていました。
下地となる貫板が腐食すると、棟板金を固定する釘が抜けやすくなり、強風時に棟板金が外れてしまいます。

こうした状態が見られる場合は、早めの点検と補修が重要です。

スーパーガルテクトフッ素を用いた屋根カバー工法

既存の「貫板と棟板金」を撤去

屋根カバー工法は、現在の屋根材を撤去せず、そのまま上から新しい屋根材を重ねる施工です。

既存材を外す作業が不要なため、工期や費用を抑えられる点が大きなメリットです。

作業の開始時には、まず棟を外していきます。

その際、下地となる貫板もあわせて取り外し、次の工程に備えます。

防水紙を敷設

次の工程では、軒先から防水紙（ルーフィング）を転がすようにして順に敷いていきます。

今回使用した「タディスセルフ」は粘着式の防水紙で、貼り付けてからしばらくの間は位置の調整が可能ですが、およそ2時間ほど経つと強い接着力が働くタイプです。

金属屋根材を取り付ける際には、ビスが防水紙を貫通するため、どうしても小さな穴が生じます。

防水紙にできる穴が少ないほど雨水の侵入リスクを抑えられるため、施工時に針を使わない粘着式の防水紙は非常に有効です。

屋根材「スーパーガルテクトフッ素」を敷設

防水紙の上から、新しい屋根材を順に取り付けていきます。

N様邸では、スーパーガルテクトフッ素（色：SFブラウン）を採用しました。

表面に遮熱性フッ素樹脂塗装が施されており、約20年が経っても色の変化が生じにくい性能を備えています。

施工は軒先から棟へ向かって、横一列ずつ重ねていく流れです。

スーパーガルテクトには専用の雪止めが用意されているため、屋根材を葺きながら適切な位置に取り付けていきます。（軒先から2～3段目に並んでいる金具が雪止めです）

新規の「貫板と棟板金」を設置

貫板と棟板金を取り付ける工程に進みます。

今回は樹脂製の貫板を使用しました。

金属屋根材が長く安心して使える素材であるため、下地となる部材にも耐久性の高いものを選ぶことで、棟板金全体の寿命を支えることができます。

完工

工事後の屋根の様子です。

屋根カバー工法によって仕上がったことで、外観が整っただけでなく、強い風にも耐えられる構造になりました。

スーパーガルテクトフッ素には、変褪色・赤さびに対する20年保証、さらに穴あきに対する25年保証が付いており、長期的に安心して過ごせる性能を備えています。