屋根点検

工事のきっかけは「屋根の剥離が気になり、リフォームを検討している」というご相談を頂いたことからです。

点検を行ったところ、お客様からのご報告どおり、表面が剥がれ始めていました。

屋根には、ニチハ株式会社の「パミール」が使用されていることが確認できました。

この屋根材は1996年から2008年にかけて製造・販売されていましたが、経年とともに層間剥離（ミルフィーユ状に剥がれる現象）が起こることがあり、現在は製造・販売が終了しています。

別の角度から撮影した屋根の写真です。
かなり剥離が進んでいる状態が確認できます。

パミールの対応方法としては、「屋根の葺き替え」か「屋根カバー工法」のいずれかが適しています。
調査報告を元にＮ様のご希望を伺い、今回は屋根カバー工法を行う運びとなりました。

既存の屋根材を撤去せずに施工できるため、工期の短縮と費用面での利点があります。

屋根カバー工法

既存の「棟板金と貫板」を撤去

最初に、既存の棟板金と下地の貫板を取り外します。

撤去後にはゴミやほこりが残るため、丁寧に清掃を行い、次の工程へ進めます。

防水紙（ルーフィング）を敷設

棟板金と貫板の撤去後、防水紙（ルーフィング）を転がすように敷設していきます。
ルーフィングは主に防水の役割を持ち、屋根内部に雨水が入り込んでも、それを防ぐ機能を果たしています。

Ｎ様邸の工事では「タディスセルフの防水紙」を採用しました。
これは粘着層付きの下葺材で、貼り直しが可能です。

施工後2～3時間で十分な密着力を発揮します。

屋根材「スーパーガルテクト」を敷設

防水紙の敷設が終わったら、次は屋根材スーパーガルテクトの設置作業です。

軒先から横一列ずつ順に上方向へ葺き上げていきます。

スーパーガルテクトには専用の雪止め金具が用意されており、設置しながら取り付けていきます。

金属屋根材は雪が滑りやすいため、降雪量が少ない地域でも雪止めの設置が必要です。

新規の「貫板と棟板金」を設置

屋根材の施工が完了したら、貫板と棟板金を取り付けます。

Ｎ様邸では樹脂製のタフモック（貫板）を使用しており、雨水などによる腐食の心配がありません。

棟板金の飛散についての相談を受けることがありますが、そのような場合にも樹脂製の貫板は有効です。

棟の繋ぎ目をコーキング処理

最後に、棟の接合部分をコーキングで処理します。

わずかな隙間でも雨水が入り込み、最悪の場合は雨漏りの原因となるため、隙間ができないよう丁寧に施工します。

完工

屋根カバー工法（工事）が無事に完了しました。
パミールの屋根は、スーパーガルテクト（Ｓシェイドブラウン）の金属屋根に生まれ変わりました。

スーパーガルテクトには各種保証が付いており、施工後15年間はほとんどメンテナンス費用がかかりません。
当社では、パミールへの屋根カバー工法や屋根葺き替えも対応しています。

屋根材の劣化やメンテナンス方法にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。