更新日:2024年01月20日
以前「
セメント瓦」と「
乾式コンクリート瓦」の塗装について簡単に解説させていただきましたが、今回は「
プレスセメント瓦」について解説します。屋根点検・工事のお問合せ時には、そこまで詳しくお伝えいただかなくて大丈夫です。「セメント系」とか「普通の瓦じゃない」という感じでOKです!
プレスセメント瓦の屋根
プレスセメント瓦が使用された屋根の点検を実施した際の写真で解説していきます。経年により塗装が劣化していることもあり、写真では色味が分かりにくいのですが、きれいなブルーの屋根です。プレスセメント瓦は、
セメントと砂を主原料としていて、型に流し込んで
加圧成形して素樹脂塗料などの高耐久性塗料で着色されています。加圧成形されることから
プレスセメント瓦と呼ばれています。
セメント系瓦は、形状が均一でカラーバリエーションも豊富なため、デザイン性にも優れており、高級感があります。お客様宅の屋根も、重厚感があって素敵ですね。
セメント系(セメント瓦/プレセメント瓦)の特徴:見た目
セメント瓦と
乾式コンクリート瓦はよく似ていて、見分けるのが難しいですが、瓦の
小口(端)部分の違いがポイントです。セメント瓦は小口部分がスッキリと平らになっていますが、乾式コンクリートの場合は、小口部分がデコボコしています。※セメント瓦の塗装が劣化してくると少しセメント(
素地)が見えてくるので、少しデコボコして分かりにくい場合もあります。
また、コンクリート瓦(
モニエル)の場合は、瓦の裏に
会社名が表記されていますが、セメント瓦の裏面には会社名の表記はありません。特徴的なものとして、
布目の模様があります。
セメント系(セメント瓦/プレスセメント瓦)のメンテナンス
粘土瓦は、形状によりJ形(和瓦)、S形(洋形)、F形(平板)の3種類があります。一方、セメント(プレスセメント)
瓦には、平形、平S形、和形、S形、波形と、5種類もあります。耐用年数は、30年~40年ほどといわれていますが、粘土瓦と異なり、塗装で仕上げられているため、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
塗装が劣化してくると、化粧スレート屋根同様、苔やカビが発生したり、塗装が剥がれセメント(素地)に直接雨が当たり、屋根材自体が水分を含みヒビ割れしやすくなります。
もし、破損してしまった場合、屋根を葺いた際の予備がある場合は、部分的な差し替えも可能です。予備がない場合は、殆どが製造終了となっているため、葺き替えのご提案となる可能性が高いです。私たち街の屋根やさんでは、セメント系瓦屋根の工事も数多く承っております。お気軽にご相談下さい。