スレート屋根の耐用年数は一般的に25年〜30年と言われていますが、10年~15年を目安に塗装によるメンテナンスが必要となります!
しかし、その一方でスレート屋根の種類の中には
「塗装が出来ない」とされている種類が存在します。
それが、
「ノンアスベスト屋根材」です!
また、ノンアスベスト屋根材は一つの製品に限らず、
1990年代後半~2000年代初頭までに各メーカーによって販売された複数のスレート屋根材が対象となります。
今回は
ノンアスベスト屋根材の歴史や塗装出来ない理由を詳しくご紹介いたします!
ノンアスベスト屋根材とは?
ノンアスベスト屋根材は言葉の通りですと「アスベストを含まないスレート屋根材」ですが、その中でも一般的に1990年代後半~2000年代初頭にかけて販売されたスレート屋根材を指します。
クボタ(現:ケイミュー)から2001~2008年の間に販売された『コロニアルNEO』や、2001~2005年に販売された『ザルフグラッサ』が該当しますが、いずれも10年を経過した頃からヒビ割れ・欠け・脱落といった症状が発生する「大きな欠陥」を抱えています。
次に、ノンアスベスト屋根材の歴史と併せて、上記の様な欠陥を持つ理由について詳しくご紹介いたします!
ノンアスベスト屋根材の歴史
1990年代以前、アスベスト(石綿)は、耐熱性・耐薬品性・耐摩耗性に優れていることから、スレート屋根材の原料として広く使用されていました。
しかし、その後アスベストの健康被害が問題視されたことで、段階的に規制が強化されることとなります。
2004年には「労働安全衛生法施行令」の改正により、アスベスト含有量が1%を超える建材の製造・販売が禁止され、2006年にはアスベスト含有量0.1%を超える製品の製造、輸入、使用が全面的に禁止されました。
これらの規制により、建材メーカーはアスベストを含まない代替材料を開発する必要に迫られました。こうして登場したのが「ノンアスベスト屋根材」です。
大きな欠陥を抱えたノンアスベスト屋根材
健康被害のリスクが大きく低減されたことで、「ノンアスベスト屋根材」は広く普及しました。
しかし、アスベストが含有されていない屋根材の製造技術がまだ確立されていない事を原因として、「大きな欠陥」を抱えてしまう事となります。
例えば、クボタ(現:ケイミュー)から販売された「ザルフ」は施工後8~10年経過しますと著しいひび割れ・欠け等の症状が発生し、ニチハから販売された「パミール」の場合は屋根材が層状に剥離してしまう「層間剝離」という症状が発生してしまいます。
経年劣化の進行が著しいノンアスベスト屋根材はいずれもひび割れや欠け・反りなどが発生しやすいという欠陥を抱えており、10年程度で屋根がボロボロになってしまいます。
ノンアスベスト屋根材の塗装が出来ない理由
ノンアスベスト屋根材は塗装メンテナンスが出来ない屋根材として知られていますが、その大きな理由の一つが塗装メンテナンスが無駄になってしまうためです。
表面を塗膜によって保護したとしても、屋根材自体のひび割れ・劣化進行を止める事は出来ません。
塗装に掛かる費用や手間が無駄になってしまいます!
また、経年劣化が進行したノンアスベスト屋根材は非常に脆くなってします。
屋根に人が乗ることや高圧洗浄など作業によって、逆に屋根材を破損させてしまうリスクにも繋がります。
上記のことから、ノンアスベスト屋根材は塗装によるメンテナンスを施す事が出来ません。
屋根葺き替え工事や屋根カバー工法によるリフォーム工事が必要となります!
ノンアスベスト屋根材の種類・特徴
続いて、ノンアスベスト屋根材の種類や劣化症状をご紹介いたします。
◆コロニアルNEO
ーメーカー
クボタ(現ケイミュー)
ー主な症状
ひび割れや欠け
◆パミール
ーメーカー
ニチハ
ー主な症状
層間剝離、釘の腐食
◆ザルフグラッサ
ーメーカー
クボタ(現ケイミュー)
ー主な症状
ひび割れや欠け
◆アーバニーグラッサ
ーメーカー
クボタ(現ケイミュー)
ー主な症状
ひび割れ・欠け
◆グリシェイドNEO
ーメーカー
クボタ(現ケイミュー)
ー主な症状
ひび割れや欠け、変色や色褪せ
◆セキスイかわらU
ーメーカー
クボタ(現ケイミュー)
ー主な症状
ひび割れや欠け、剥離
上記の様に、ノンアスベスト屋根材の種類は様々です。
1990年代後半~2000年代初頭までにスレート屋根を使用した工事を行ったというお住まいの場合、確認の為にも点検をされることをおすすめいたします!
ノンアスベスト屋根材に最適なメンテナンス方法
上記のことから、ノンアスベスト屋根に塗装メンテナンスを施す事は出来ません!
そのため、ノンアスベスト屋根のリフォーム方法は「屋根葺き替え工事」か「カバー工法」が選択肢となります!
続いて、屋根葺き替え工事・カバー工法の特徴についてご紹介いたします。
屋根葺き替え工事
屋根葺き替え工事は既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材を設置する方法です。
特にノンアスベスト屋根材・下地材の劣化が著しい場合に採用され、屋根に起きている問題を全て解決して新品同様にすることが出来ます!
工事規模が大きい事から後述のカバー工法と比較して工事費用が高くなりがちですが、将来的に長く住み続けるのであればおすすめのリフォーム方法です。
屋根カバー工法
屋根カバー工法(重ね葺き工法)は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて設置する方法です。既存の屋根材の撤去が不要であるため、工期を短縮し、費用を抑えられることが大きなメリットです!
屋根が二重構造となるため、断熱性能や防音性能の向上にも期待できます!
ただし、屋根材・下地材が著しく劣化している場合には、採用する事が出来ません。
また、屋根が2重構造になる事によって重量が増加する為、耐震性への影響も考慮しなければなりません
工事費用・工期を削減できる屋根カバー工法ですが、特に古い耐震基準で造られた築年数の長いお住まいへの採用は慎重になる必要があります!
ノンアスベスト屋根材のリフォームもお任せください!
ノンアスベスト屋根材のリフォームもお任せください!
私達、街の屋根やさんは屋根カバー工法・屋根葺き替え工事によるノンアスベスト屋根の施工実績も豊富です!
ノンアスベスト屋根のリフォームをご検討されている方や、ご自宅の屋根にノンアスベスト屋根材が使用されている可能性があると言う方がおられましたら、ぜひお気軽にお問合せ下さい!
また、下記のような「ノンアスベスト屋根のリフォーム事例」も多く掲載しておりますので、そちらも併せてご確認いただけますと幸いです。
●ノンアスベスト屋根材「パミール」屋根のリフォームをご依頼頂いたS様
【Before・After】
⇒S様よりご依頼頂いたノンアスベスト屋根材「パミール」屋根のリフォーム事例