松本市は自然が豊かで過ごしやすい反面、スズメやムクドリなどが住宅のちょっとしたすき間に巣を作ってしまうケースも珍しくありません。
外壁塗装でお家がきれいになると、意外にも“鳥が寄り付きやすい状態”になることがあります。
「バタバタと音がする」「フンが落ちてくる」など、突然の鳥害は本当に困りますよね。

今回は、外壁塗装を終えたばかりの松本市のお客様から
「これ以上鳥が入らないようにしたい」
とご依頼をいただき、防鳥ネット取り付けを実施しました。

外装劣化診断士の私が現場に同行し、
・なぜその場所に鳥が入り込むのか
・どんな工具でどうやって固定するのか
・細かなすき間をどう塞ぐのか
専門店ならではの視点で、写真と一緒にわかりやすくお話しします。

🔍【鳥被害の不安とご相談】

外壁塗装を終え、家が新築のように生まれ変わった直後のお客様。
安心して暮らしていたある日、軒下から「カサッ…」という小さな音が聞こえたそうです。
最初は風かな？と思っていたそうですが、日に日に音の頻度が増え、気になって見てみると、外壁と霧除（きりよけ）の間にスズメらしき鳥が出入りしているのを発見。

実は松本市・安曇野市の山沿い地域では、
・外壁のすき間
・霧除けや窓枠の角
・換気口の周り
こういった“わずかな陰”を鳥が巣作りの場所に選ぶことが多いのです。

「せっかく塗装した外壁を汚されたくない」
「フンの掃除が大変」
「屋根裏に巣を作られたらどうしよう」
そんな不安から、防鳥ネットのご相談をいただきました。

防鳥ネット取り付け施工後

まずは施工完了後の様子からご紹介します。
写真を見ると、ネットがあることに気づかないほど自然に馴染んでいます。防鳥ネットというと“目立つ”“見た目が悪くなる”というご心配をいただくことが多いのですが、専用の網はとても細く、光が通るため外観を損なうことがありません。
お住まいのデザインに合わせて色味や張り方を調整できるため、今回のように外壁塗装済のきれいな外観でも違和感なく仕上げられます。

ネットは鳥が通れないサイズの網目で、弾力があるため破れにくく、紫外線にも強い素材です。
施工後の状態では、鳥が降り立ちやすい“入り口”がすべて塞がれています。
こうすることで、巣作り・侵入・フン害を未然に防ぎ、長く外壁の美観を守り続けられます。

タッカーで固定

ネットを取り付ける際は、建築用の「タッカー」という工具を使います。
タッカーとは、壁紙や防水シート、布地などを素早く固定できる“ホッチキスの強力版”のような道具で、建築現場では非常に一般的です。
手のひらサイズで扱いやすく、しっかり固定できるうえに、針跡が最小限で済むのが特徴。

写真では、外壁材の継ぎ目に沿わせてネットを丁寧に張り、タッカーで数センチ間隔ずつテンションをかけながら留めていきます。
「ピンと張る」ことで鳥がつかまる隙がなくなり、侵入リスクをゼロに近づけることができます。
タッカーは小さな音で施工できるため、近隣への騒音配慮にも優れています。

タッカーの針をマジックで塗装

タッカーの針は金属色のままだと、近くで見ると少し光って見えることがあります。
外壁がきれいな塗装直後だと、こうした小さな点も気になるお客様が多いため、職人がひと手間加えてくれました。

写真のように、外壁の色味に合わせた油性マジックで針の頭を“トントン”とタッチしていきます。
塗るというより、軽く触れることで馴染ませるイメージです。
この作業をすると、数歩離れた位置からはまったく針が見えなくなります。

「仕上がりの美しさ」を大切にする街の屋根やさんらしい細やかな配慮です。

玄関屋根の梁（はり）部分ネット取り付け

玄関屋根の梁は、鳥が好む“ちょっとした陰”ができやすい場所。
ここに巣を作られると、玄関前にフンが落ち、毎日の出入りがストレスになってしまいます。

写真では、梁の形に合わせてネットをカットし、たるまないよう周囲を固定しています。
梁は角度がついているため、まっすぐ貼るよりも難しく、職人の腕が出るポイント。
ネットが浮かないよう、角と角をきっちり押さえながら仕上げています。

施工後は、鳥が止まるスペースそのものを無くすことができ、バサバサ音がする心配もなくなりました。

窓枠と霧除けの間に丸めたネットを差し込み

鳥は3センチほどのすき間があれば入り込めてしまうため、細かいすき間は要注意ポイントです。
窓枠と霧除け（きりよけ：窓の上にある小さな屋根）の間は、まさに鳥が好む典型的な場所。

写真では、そのわずかな隙間にネットを丸めて差し込み、さらに押し込みながら形を整えています。
丸めて入れることで、よりフィット感が増し、鳥が入り込むスペースをゼロにします。
この作業、実は根気のいる細かい仕事で、職人の丁寧さが最大に出る部分です。

入れそうな細かいところへ全て取り付け

「ここからは入らないかな？」と思うような場所でも、鳥は器用に入り込みます。
写真では、外壁の角、配管の根本、小さな段差など、“人が見落としがちな場所”すべてにネットを配置しています。

防鳥工事は“完璧な封鎖”が大前提。
一カ所でも空いていると、そこを見つけて鳥は入ってしまいます。
そのため、事前の現場確認→すべてのすき間をチェック→漏れのない対策、という流れで施工しています。

松本市は風が強い日も多いため、ネットがバタつかないよう張り方にも調整を入れています。

格子奥の窓枠にもネット取り付け

格子（こうし）付きの窓は、鳥が体を細くして入ってしまうことがあります。
写真では格子の奥側にネットを張り、外側からはまったく見えない自然な仕上がりにしています。

格子部分は作業スペースが狭く、手を奥まで伸ばす必要があります。
職人が身体をひねりながら細かい位置を調整している姿が印象的でした。
取り付けが終わると、鳥が内部へ進める導線そのものが断たれ、安心度がぐっと高まります。

格子奥の窓枠取り付け終了

施工完了後の格子裏側は、まるで最初からネットがあったかのように自然。
外からの見た目に影響が出ないよう、張り方と針の位置を計算しています。

ネットの端は外壁色になじむようカットし、仕上げ処理も丁寧に。
これで、格子裏に鳥が入り込んで巣を作る心配もなく、長期的に安心して暮らしていただけます。

📝【鳥害を防ぐ最適な対策とは】

防鳥ネットは、単に網を貼るだけの工事ではありません。
鳥の習性、外壁の構造、風の流れ、すき間の位置。
こうした細かい要素を読み取ったうえで施工することで、はじめて“効果が出る”対策です。

松本市ではここ数年、鳥害のご相談が急増しています。
特に外壁塗装後は外壁が明るく綺麗になるため、鳥が寄ってくるケースも珍しくありません。

・音がする
・フンが落ちる
・鳥が入っていくところを見た

こうした兆候が出たら、早めの対策が効果的です。

お客様の声＋担当者よりひとこと

🗣️【お客様の声】

外壁塗装が終わって安心していたところ、鳥がすき間に出入りしているのを見つけてとても心配でした。
フンも落ちてきて、毎日の掃除がストレスでした。
今回ネットを取り付けてもらってから、音もしなくなり本当に安心できるようになりました。
近くで見てもネットがほとんど分からず、外観を損なわない仕上がりに大満足です。
丁寧に説明してくださり、女性スタッフの方も優しく対応してくださって嬉しかったです。

👷‍♀️【担当者よりひとこと】

鳥害対策は「どこを塞ぐべきか」を見極めることが最も大切です。
今回は外壁の形状や霧除けとの距離が複雑だったため、すき間を一つひとつ確認しながら慎重に作業を進めました。
特に格子奥の作業は手の届きづらい場所で苦労しましたが、お客様に喜んでいただけて職人としても本当に励みになります。
松本市は鳥が多い地域ですので、気になることがあればすぐにご相談ください。

🏔️【松本市の自然と鳥害の関係】

松本市は北アルプスの山々に囲まれ、自然が豊かで空気が澄んだ地域です。
そのため、スズメ・ムクドリ・ヒヨドリなど、多くの野鳥が一年を通して飛び交います。

安曇野方面から吹き込む風の影響で、外壁の陰が鳥の休息場所になりやすいのも特徴。
外壁塗装後の鮮やかな色は紫外線を反射しやすく、鳥が“安全な場所”と認識して寄ってくることもあります。

また松本市内には、松本城やアルプス公園など緑が多いエリアが点在しており、住宅地と自然が隣り合わせ。
この環境が、鳥の生活圏と私たちの住まいが近くなる理由のひとつです。

外壁や屋根への鳥害は「自然豊かな土地ならではの特徴」とも言えますが、その分、適切なメンテナンスと対策が必要です。

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