2025年10月30日　更新

上伊那郡辰野町で行った外壁工事の様子をご紹介します。
既存外壁は窯業系サイディング、シーリングが劣化していてそこから入った水が凍って外壁を壊す凍害が起きていました。また、サイディングボードが躯体に直貼りされていて通気層がありませんでした。通気層がないサイディングボードは塗り替えてもすぐに剥がれるという不具合が生じやすくなってしまいます。金属サイディングを重ね張りするカバー工法をするしかありませんでした。
せっかくだから納得のいくデザインにしましょうということで、何枚かイメージ画像をお作りして決まったデザイン。イメージ通りに仕上がり大変ご満足いただきました。

街の屋根やさん松本諏訪平店は豊富な施工実績で皆様の屋根をサポート！
屋根・外壁にお困りごと、お悩み事、不安なことがありましたら一度ご相談ください。
お問い合わせは下の画像をクリック！フォームからメールでお気軽にどうぞ。

🧭施工前｜目地のすき間から雨が入り込んでいました

外壁のつなぎ目にあるシーリングが、年数とともにやせ細ってしまい、すき間から雨が入り込んでいました。
直貼りタイプのサイディングは中に空気の通り道がないので、一度入った水が抜けずに残ってしまいます。
そのままにすると冬の寒さで凍って、壁の中から壊してしまうことも…。
「見た目はまだきれいだけど、中が心配」という状態でした。

💦浴室の窓下｜凍った水で外壁が“パリッ”と割れていました

お風呂の湯気や結露がサッシまわりから壁の中に入り込み、冬の寒さで凍って膨らみ、外壁を押し割っていました。
これは「凍害（とうがい）」といって、寒い地域ではとても多いトラブルです。
塗装で表面を直しても内側の水分が残っていると、また同じことが起きてしまいます。
そこで今回は、外壁の中に空気を通す“通気層”をつくる工法に切り替えました。

🪜足場の設置｜安全と丁寧な作業のための準備です

工事の最初に欠かせないのが足場です。
高い場所の作業が多い外壁工事では、足場があることで手元が安定し、仕上がりの精度もぐっと上がります。
近隣の方への配慮も大切にしていて、事前にご挨拶に伺い、作業音や車の出入りについても説明します。
「足場をかけるのって大ごとですね」と言われることもありますが、ここが安心と品質の土台なんです。

🌬樹脂胴縁で通気の道をつくります

古い外壁の上に、樹脂製の「胴縁（どうぶち）」を縦方向に取り付けていきます。
この部材が新しい外壁を支える下地でありながら、同時に空気の通り道をつくってくれます。
木材ではなく樹脂を選ぶのは、腐りにくく軽いから。
15㎜のすき間から空気が流れることで、壁の中の湿気を外へ逃がし、**“乾く外壁”**に変わります。
これが、長持ちリフォームの大事なポイントなんです。

🧩水切り・出隅ベースの取付｜見えないところこそ丁寧に

外壁の一番下には「土台水切り」をまっすぐに取り付けます。
ここが水平でないと、全体の外壁が波打って見えてしまうため、レーザーで細かく調整。
角（出隅）にはパッキン付きの金物を設置して、水が入り込みにくい構造に。
この“見えない部分の丁寧さ”が、仕上がりの美しさと耐久性を支えています。

🧱本体張り｜KMEW「はる一番」でデザインも一新

いよいよ金属サイディングの取り付けです。
使ったのは**KMEW（ケイミュー）「はる一番」**という外壁材。
ガルバリウム鋼板の裏に断熱材がくっついていて、軽くて強く、音も静か。
金属と聞くと「冷たそう」と思われがちですが、見た目はとても上品で、凹凸のある陰影がきれいに出ます。
辰野町のように寒暖差の大きい地域でも、凍害や色あせに強いのが特長です。

🖼デザインの打合せ｜無料イメージ画像で安心

「仕上がりがイメージしにくい…」という方もご安心ください。
私たちは実際のお家の写真に、色や柄を合成して見比べる無料のイメージ画像をお作りしています。
今回も何パターンか作成し、ご家族で相談しながらお気に入りを決めていただきました。
出来上がってから「思っていたのと違う」とならないように、一緒に完成を想像できる時間を大切にしています。

🔁ビフォーアフター｜凍害の不安から“安心して眺められる外壁”へ

以前は北側の壁が崩れてしまい、見るたびに心配だったというお施主様。
カバー工法で通気層をつくった今は、壁の中も呼吸できるようになり、冬でも安心です。
「家の印象が明るくなって、気持ちまで晴れやか」と嬉しいお言葉をいただきました。
デザインも性能も両立した仕上がりに、スタッフ一同ホッと一安心です。

【まとめ】

辰野町の寒冷環境で起きやすい凍害は、「通気層がない直貼り」と相性が最悪です。
打ち替え＋塗装は“表面の応急処置”に留まり、内側の湿気は残ります。
そこで私たちは、樹脂胴縁で15㎜の通気層を確保し、KMEW はる一番で軽量・高耐候・低メンテの外装に刷新。
雨仕舞いは役物で合理化し、目地はカバー式でシール負担を低減。
「直す」ではなく「再発させない」ための設計変更が、今回の最大の価値です。

【お客様の声＋担当者よりひとこと】

お客様の声
北側の壁が冬に少しずつ欠けていくのを見て、塗れば大丈夫だと思っていました。
でも、直貼りで通気がないと再発しやすいと教えていただき、工法を変える決断ができました。
無料のイメージ画像で家族の好みをすり合わせられたのも心強かったです。
完成後は玄関側の雰囲気が明るく、雨の日の静けさも増したように感じます。
今後のメンテナンスが“洗う＋点検”中心になるのも助かります。

担当者よりひとこと
直貼りサイディングの不具合は、塗装で一時的に見た目が整っても、含水—凍結—爆裂のメカニズムが残れば再発します。
今回の要は通気層の新設と役物による雨仕舞い。ここを丁寧に組むことで、“水が入っても抜ける”構造に変わります。
はる一番は軽量で耐候性が高く、地震時の負担低減にも寄与。
点検は年1回・季節の変わり目におすすめです。長く安心して暮らせる外装を、一緒に育てていきましょう。

【地域コラム｜辰野町の気候と外壁カバーの相性】

辰野町は伊那谷の風の通り道。冬は放射冷却で冷え込み、北面は日照不足×結露の条件が重なります。
直貼りサイディングには過酷で、目地→含水→凍害が進みやすい環境です。
通気工法の金属サイディングは、排湿・耐候・軽量の三拍子。
天竜川沿いの湿気や谷風の影響を受けても、通気層の上昇流が水分を外へ運びます。
初夏のほたるで有名な辰野は、夜露が濃い日も。だからこそ**“濡れても乾く外壁”が合理的です。
景色になじむ横張りの陰影**は、遠景でもラインが美しく、街並みにも上品に溶け込みます。

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