更新日：2023年07月28日

　アスベストによる健康被害が話題になったのも記憶に新しいですが、日本では、2006年（平成18年）9月より労働安全衛生法施行令によってアスベストの製造・使用などが禁じられています。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、法規制以前、アスベストはスレート屋根材の材料として使用されてきました。

　主に2004年以前に建てられた住宅でスレート屋根の場合、アスベストを含有している可能性が高いです。今回は、屋根材がアスベストを含んでいるとどのような影響が発生するのかを解説していきます。前述した条件に当てはまる方は、ぜひご参考ください。

人体への影響

　アスベストは繊維状の微細な物質で、吸入してしまうと様々な健康被害を引き起こします。では、屋根材にアスベストが含まれていることが発覚した場合、どのくらいの影響があるのでしょうか。

　結論から言うと、スレートに含まれるアスベストでは、健康被害のリスクは大きくありません。アスベストが含まれている建材の中でも、飛散リスクの最も低いレベル3に分類されており、よほど細かく破砕しない限りは、スレートからアスベストが放出され、飛散することはないでしょう。そのため、もし自宅の屋根のスレートにアスベストが含まれているとわかっても、慌てる必要はありませんのでご安心ください。

　しかし、アスベスト含有スレートには、健康被害以外の部分で注意しなければならないことがあります。

 

アスベスト含有スレートの注意点

　自宅の屋根が、アスベスト含有のスレート屋根である場合は、以下に注意して下さい。

撤去費用が高い

　スレートが寿命を迎え、屋根リフォームを考えた時に気を付ける必要が出てきます。アスベストを含む建材は、含まない建材に比べ、処分費用が高くかかります。安全に処分できるよう、専門の処理が必要になるためです。屋根カバー工法でのリフォームであれば既存の屋根材を撤去しないため、高額な処分費用をかけずにリフォームすることも可能ですが、問題を先延ばしにしただけで、いつかまた問題に直面する日が訪れることになりますので、よく検討が必要です。

訪問業者の営業

　アスベスト含有スレートの危険を謳い文句に屋根リフォーム工事の契約を取ろうとする業者がいるそうです。

　「アスベストを含んだスレートは他の屋根材よりも短い4～5年程の周期で塗装しないとアスベストが中から染み出してくる」

　実際のお客様から聞いた話では、上記のような謳い文句で契約を迫られたそうです。こちらのお客様は幸いにも怪しさを感じてご自分で調べた結果、難を逃れることが出来たそうですが、あれだけ世間で騒がれたアスベスト被害ですから、このような言い方をされては不安や恐怖で正常な判断が出来なくなってしまう可能性も十分あります。アスベストだけに限らず、訪問業者は様々な手法で工事の契約を迫ってきますので、絶対にその場で契約せず、インターネットを使用して検索してみたり、他の業者に電話で問い合わせてみるなどして、真偽を確認しましょう。

　街の屋根やさんでは、ご質問のみのお問い合わせも大歓迎ですし、住まいの無料点検も承っています。ご自宅の屋根がアスベスト含有スレートかどうかご不安な方や屋根リフォームを検討されている方は、ぜひお気軽にお問合せください。