更新日:2023年06月29日
屋根カバー工法とは?
屋根カバー工法は、既存の屋根の上から新たな屋根材を重ねるリフォーム方法です。通常、屋根の老朽化や劣化により問題が生じた場合、既存の屋根を完全に撤去して新たに葺き替える必要がありますが、屋根カバー工法では既存の屋根の上に屋根材を設置することで、効果的なリフォームが可能となります。
屋根カバー工法のメリット・デメリット
メリット
・費用の削減
既存の屋根を撤去せずにリフォームできるため、解体・処分費用、施工費用を削減することができます。
・工期の短縮
既存屋根の撤去作業が不要なため、工期を短縮することができます。建物内部への影響や工事期間中の生活の乱れを最小限に抑えることができます。
・防音性、断熱性の向上
施工後、屋根が2重の状態になるので、防音性や断熱性が向上します。
デメリット
・屋根の重量増加
新しい屋根が追加される分、屋根の重量が増加します。そのため、耐震性への影響が少なからず発生します。なるべく影響を及ぼさないよう、カバー工法では軽量な金属屋根材が使用されることが多いです。
・状況によって、カバー工法できないことがある
屋根の種類や状態によって、カバー工法でのリフォームが難しい場合があります。
カバー工法できる屋根、できない屋根
カバー工法できる屋根
スレート、金属屋根、アスファルトシングルの屋根は、基本的にカバー工法によるリフォームが可能です。ただし、既存の屋根の状態や耐久性を評価し、屋根カバー工法が安定して施工できるかを確認する必要があります。屋根の下地が腐食などにより劣化し、耐久性に問題があると判断された場合にはカバー工法ではなく、葺き替え工事でリフォームを行う必要があります。
カバー工法できない屋根
瓦屋根はカバー工法でリフォームすることができません。理由は2つあり、一つは屋根面が平らでないことです。新しい防水紙や屋根材を設置するには、既存の屋根面が平坦である必要があり、波状になっている瓦の上から新しい屋根を設置するのは現実的ではありません。もう一つの理由は屋根の重量です。屋根材の中で最も重いのが瓦屋根です。そんな瓦屋根の上に屋根材を被せ、さらに重量を増やしてしまうのは、建物の構造への影響、耐震性の面から考えても適しているとは言えません。
カバー工法に用いられる屋根材
カバー工法の際に新しい屋根材として用いられるのは、屋根材の中で最も軽量である金属屋根材が一般的です。前述したように、できるだけ屋根の重量を増やしたくないからです。金属屋根以外の選択も可能ですが、最低限、既存の屋根材よりも軽い屋根材である必要があります。ですので、スレートから瓦屋根に替えたい!といったご要望の際にはカバー工法を選択することができません。
カバー工法が選べない時には
これまで説明してきた通り、屋根カバー工法には様々な制約が発生します。そのため、カバー工法を希望される場合にも、必ず施工できるわけではありません。そんな時はどうすれば良いでしょうか。
屋根葺き替え工事
カバー工法が選択できない場合、基本的に代替案は屋根葺き替えになります。屋根葺き替えはカバー工法と異なり、既存の屋根を下地まで含めて完全に撤去し、新たな屋根を造り直す工事です。カバー工法よりも費用も工期もかかってしまいますが、悪いところばかりではありません。カバー工法では屋根下地の傷みは回復することができませんでしたが、葺き替え工事は違います。下地かた全てを造り直すため、屋根に関する全ての問題を解決できるのです。
カバー工法の施工手順
①棟板金、貫板の撤去
まずは、カバー工法で唯一撤去する必要のある棟板金と貫板を撤去します。
②防水紙の敷設
棟板金を撤去した後は、屋根材の上から防水紙を設置していきます。この時、既存屋根の耐久性に不安がある場合には、野地板を増し張りして補強してから防水紙を敷設する場合もあります。
③屋根材の設置
防水紙の敷設が完了した後はいよいよ新しい屋根材を設置します。街の屋根やさんでは、カバー工法の際は軽量な金属屋根材をおすすめしています。
④棟板金の設置
最後に、新しい貫板と棟板金を設置すれば屋根カバー工法の竣工となります。
まとめ
今回は、屋根カバー工法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。いくつか制限があるものの、条件さえ合えば費用を抑えて新しい屋根にリフォームできるお得な工事です。
屋根リフォームと言えば、一番身近なのが屋根塗装かと思います。軽微な劣化症状であれば屋根塗装でフォローすることができますので、雨漏り等の被害が出てしまった際には、屋根塗装では解消できません。雨漏りが起きるということは、屋根材の下で雨水の侵入を防いでいる防水紙や野地板といった下地に不具合が起きています。こういった被害・不具合が起きてしまった場合にはカバー工法や葺き替え工事でのリフォームが必要になります。
カバー工法と葺き替え工事は、屋根の状態や今後住まいをどのくらいの期間使用するのか等、様々なことを考慮した上で適切な方を選択する必要があります。街の屋根やさんでは、屋根だけでなく、住まいの隅々まで調査を行い、お客様のライフプランなどもお伺いした上で、最適な工事をご提案いたします。住まいの点検は無料で承っていますので、どうぞお気軽にお問合せください。
記事内に記載されている金額は2023年06月29日時点での費用となります。
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