更新日：2023年06月01日

片流れ屋根とは

　片流れ屋根は、一方向に勾配を持った屋根の形状を指します。その名前の通り、雨水や雪が片方の方向に流れるように設計されています。一般的に、建物の一部やアウトドアの構造物に使用されます。以下では、片流れ屋根の特徴とデザインについて詳しく説明します。

片流れ屋根の特徴とデザイン

片流れ屋根の特徴は次のとおりです。

・シンプルな形状

　片流れ屋根は、一方の側面が高く、もう一方の側面が低いシンプルな形状を持ちます。この形状により、水や雪が片方の方向にスムーズに排水されます。

・美しい外観

　片流れ屋根は、シンプルで洗練された外観を提供します。その優雅な傾斜と直線的なデザインは、建物や構造物に特別な魅力を与えることができます。

・頑丈な構造

　片流れ屋根は、一方向に勾配があるため、雨や雪の重みに対して強くなっています。また、構造上のシンプルさから、耐風性にも優れています。

　片流れ屋根のデザインは、建物のスタイルや環境に合わせて多様なバリエーションがあります。屋根の勾配の角度や高さ、カバーする範囲など、設計者の個々の要件に応じて調整できます。また、屋根の材料や色もデザインに影響を与える重要な要素です。

片流れ屋根のメリット・デメリット

　片流れ屋根の利点と欠点を以下に示します。

メリット

・優れた排水性

　片流れ屋根は、片方の方向に傾斜しているため、雨水や雪が迅速に排水されます。これにより、屋根の上で水や雪がたまることが少なくなり、屋根の耐久性が向上します。

・シンプルな構造

　片流れ屋根は構造的にシンプルであり、施工が比較的容易です。そのため、設置にかかる時間と費用を節約することができます。

・美しい外観

　片流れ屋根は、その独特の形状と優雅なデザインにより、建物に魅力を与えます。特に、モダンな建物やシンプルなデザインの構造物に適しています。

デメリット

・片方向への排水

　片流れ屋根は、一方の方向に傾斜しているため、排水が片方向に限定されます。これは、屋根の片側に水や雪が集中する可能性を意味し、その側面の負荷が増加する可能性があります。

・適応性の制限

　片流れ屋根は、建物の形状や使用目的によっては適さない場合があります。特に、幅広い範囲をカバーする必要がある大きな建物や複雑な形状の建物には、他の屋根形状がより適している場合があります。

片流れ屋根の注意点

　片流れ屋根は、一方向にしか軒がないため、軒がない面の外壁が劣化しやすくなります。紫外線や風雨の影響を直に受けてしまうためです。伴って、雨漏りしやすい傾向にもあります。

　雨漏り箇所が多い箇所は屋根の頂点部分です。頂部の棟板金からの伝い水が屋根の裏側に回り込み、内部に侵入することで雨漏りの原因となるのです。軒天と外壁の取り合い部分についても同様に伝い水によって雨漏りすることがあるため、注意が必要です。

片流れ屋根の雨漏り対策

①棟板金

　屋根の頂部を保護するための棟板金ですが、片流れ屋根の場合にはその形状から、片側から風の影響を受けやすくなります。経年とともに板金を固定する釘が緩み、次第に板金自体が浮いてきたり捲れてしまうことがあります。他の形状の屋根でも棟板金のメンテナンスは欠かせませんが、片流れ屋根の場合にはことさら注意が必要になりますので、定期的に点検するようにしましょう。

②ケラバ・破風

　片流れ屋根を横から見た時、斜辺に当たる部分の端をケラバ、その側面部分を破風と言います。これらの部位は屋根の頂部に次いで雨漏りが起こりやすい部位です。一辺が長くなる片流れ屋根は、ケラバ方向に流れる雨水の量が他の形状の屋根よりも多くなるため、雨漏りリスクが高くなりやすい部位です。また、部位の特性上、風で舞ってきた砂や埃が溜まりやすいといった特徴があり、これらが堆積することで雨水の流れに詰まりを起こし、雨漏りの原因になることもあります。

　他の形状の屋根に比べ、比較的雨漏りしやすい片流れ屋根ですが、雨漏りはメンテナンスで防ぐことができます。雨漏りを起こしやすい屋根の付帯部は、いずれも屋根本体に比べて劣化が進みやすい部位です。多くの方がメンテナンスを疎かにしてしまったばかりに雨漏りの被害に悩まされ、後悔されています。

私たち「街の屋根やさん」をはじめ、無料で屋根の点検を行っている屋根業者は数多くあります。困ったことが起きてから、ではなく、定期的に業者に点検を依頼し、劣化が見られる部位があればメンテナンスを行うことが大切です。街の屋根やさんではさらに、屋根だけではなく外壁なども含めた住まい全体の点検・メンテナンスを承っておりますので、ぜひ一度街の屋根やさんの無料点検をご利用ください。