塩尻市田川町でスレート屋根の塗り替え工事を行いました。スレート屋根を塗装する際のポイントを交えながら、工事の様子をお伝えしようと思います。

スレート屋根とはどんな屋根？

工事の様子をご紹介する前にスレートについてお話します。スレートは商品名が先行してコロニアルやカラーベストとも呼ばれています。セメントと木質繊維を混合させて板状に成型した屋根材で、軽量で施工しやすく、比較的安価で施工できるため多くの住宅で使われている屋根材です。デメリットとしては素材自体に防水性がないため塗料で防水しなければならず、塗膜の劣化が防水性の低下に比例します。従って定期的な塗り替えのメンテナンスが必要です。また、割れやすいというところもデメリットのひとつです。

工事の様子をご紹介します

下準備・下地調整

何事も下準備は大切です。画像にはないのですが高圧洗浄をして今までついた屋根表面の汚れやコケなどを洗い流します。この時脆弱な塗膜も一緒に剥がし落としてしまいます。それでも剥がれやすい塗膜はケレンと言ってワイヤーブラシなどで人力で落とします。
屋根の頂上や勾配方向が違う屋根がぶつかるところを棟（むね）と言いますが、ここはスレート屋根でも金属を使いっています。棟板金と言います。釘で止まっていることが多くこの釘が浮いていると板金が飛んでしまうので、浮いている場合は止めなおします。また、金属なので表面がつるつるしています。塗料が乗りにくいのでナイロンたわし（マジックロン）などでわざと傷をつけて表面積を増やします。プロの塗装はここまで下準備をします。

塗装する部分にはすべて下準備、下処理を行います。左は鼻隠しという雨樋がついている面です。右は雪止めのＬアングル、どちらも金属性なのでマジックロンで目荒らしをします。サビがあれば同時にさび落としもできます。

下塗り工程

金属部分の下塗り

目荒らしした金属部分の下塗り工程です。屋根塗装はほとんどの場合下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りで仕上げます。そのうちの下塗りは中塗り、上塗りとは違う下塗り専用の塗料を使います。屋根材によって下塗り塗料も変えて塗装しますが、金属部分はサビ止め効果のある下塗り材を使います。使用したのは日本ペイントのハイポンファインデクロという1液は他の下塗りサビ止め材です。これを棟板金、鼻隠し、雪止めアングルの金属部分に塗布します。

スレート面の下塗り

スレート面は違うセメント系屋根材専用の下塗り材を使います。左の写真のスズカファインのベスコロフィラーＨＧです。劣化して脆弱になったスレートに染み込ませて中から強化する下塗り材です。下塗りの目的は塗装対象面と塗料の密着を高めるためのものですが、ベスコロフィラーは屋根材の強化と下塗りの効果の両方を同時に行えるので、作業区立がよい下塗り材です。これを1回場合によっては2回染み込まなくなるまで塗装します。真ん中の写真はダメ込みと言ってローラーが届かない細かいところを刷毛で塗っているところです。稀にダメ込みをやらない職人さんがいるようなので注意してください。広い平滑な部分はローラーで塗っていきます。ベスコロフィラーを使ったというのが今回の塗装工事のポイントです。

縁切り工程

下塗りが終わったところで、縁切りという作業をします。これは屋根材の重なり部分の隙間が塗料でふさがっていないかのチェックをし、ふさがっている場合はヘラなどで塗料を切って隙間を確保する作業です。屋根材の下に入ってしまった水が重なりの隙間から出てくる仕組みになっていますが、塗料で隙間がふさがっていると水の逃げ道が無くなり、雨漏りの原因になるためです。

中塗り・上塗り工程

中塗り、上塗りも下塗り同様ダメ込みを行い、塗り残しがないように塗装していきます。中塗り、下塗りは同じ塗料を使います。使用した塗料は関西ペイントのスーパーシリコンルーフ２液タイプです。主剤に硬化剤を混ぜる２液型の塗料で塗装面が硬くなるので、積もった雪が凍って滑り落ちても塗装面に傷つきにくくなります。寒冷地の屋根に最適な塗料です。
弊社では屋根の素材、状態によって最適な塗料、工法をご提案しています。屋根塗装なら経験豊富な弊社にお任せください。

参考記事はこちら

◆ベスコロフィラーについて詳しくはこちら👉

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