更新日:2023年02月16日
近年は、屋根の形を言葉で表現することが難しいような、複雑な形状の屋根が増えています。あくまでイメージですが・・三角屋根の「切妻」タイプは暖かい感じがしますし、斜めに傾斜している「片流れ」タイプは都会的でシャープな印象、というように屋根の形だけでも建物の印象は変わります。屋根の形だったり、屋根材には時代と共にトレンドがあるようですね。今回は、屋根の形状と屋根の種類についてサクッとご説明します。
あなたのお家の屋根はどのタイプ? 代表的な屋根の形状とその特徴
①切妻(きりづま)
「三角屋根」が特徴で、2つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をしています。シンプルで施工もしやすく、最も普及している形です。ほぼ全ての屋根材が利用できるため、和風・洋風など様々なデザインの建物でも似合う形状です。
②寄棟(よせむね)
屋根の頂点にある、屋根材と屋根材が合わさる部分を「棟(大棟)」と呼びます。その棟を四方の面から中央に寄せて支え合っているため、構造的に頑丈で、風圧に対しても強いのが特徴です。
③方形(ほうぎょう)
正方形の建物に多い屋根で、一つの頂点から屋根面が同じ角度で4方向へ傾斜しており、ピラミッド型の屋根です。屋根の全ての面が同じ形になるのが特徴です。屋根に「大棟」部分がありません。
④片流れ(かたながれ)
屋根はいくつかの面で構成されることがほとんどですが、片流れと陸屋根は、1つの面で構成されている形状です。雨水なども片側に流れます。設置する方角が良ければ、太陽光を利用した機器などを効率よく使用できるでしょう。エコな屋根として、新築での需要が高まっています。
⑤陸屋根(りくやね)
勾配(傾斜)がなく、平坦な形状から陸屋根と呼ばれます。屋上を設けるのに最適な屋根の形です。傾斜がないため、排水が出来ず水が溜まってしまったり、防水層の劣化などにより雨漏りの危険性があります。定期的に防水工事を行い排水性能を維持することが必要です。
屋根材の種類
◆現在普及している屋根材は、大きく分けて「瓦屋根」「スレート屋根」「金属屋根」があります。
●瓦屋根
瓦屋根で一般的なのは「陶器(とうき)瓦」です。粘土を瓦形に成形後、釉薬(ゆうやく)という薬剤を塗布して高温で焼くことで、瓦に様々な色とツヤを出すことが可能です。耐用年数は50年以上。
●スレート屋根
現在、一般住宅では人造スレートの「化粧スレート」(平板)が主流。厚さ5~6mmと薄く、瓦(陶器瓦)の約半分の重量で、建物への負担が少なく、新築の建物にい一番多く使われている屋根材です。耐用年数は25年前後ですが、塗装や棟板金交換などの定期的なメンテナンスが必要です。
●金属屋根
・ガルバリウム鋼板:「鉄」に「メッキ」を施したもの。表面をアルミ55%・亜鉛43.4%・シリコン1.6%の構成で塗膜されています。亜鉛の「防食作用」とアルミニウムの「耐食性」により、長期にわたり錆を防ぐとされています。非常に薄い板(1~3mm)のため、軽くて丈夫です。耐用年数は30年以上といわれています。
・ジンカリウム鋼板:「鉄」に「メッキ」を施したもの。アルミ55.0%・亜鉛43.5%・シリコン1.5%の構成で、ガルバリウム鋼板とほぼ同じですが、大きな違いは、表面が砂状の自然石でコーティングされていることです。石粒でコーティングされているため傷がつきにくく、紫外線や錆にも強いという特徴があります。ほかの屋根材(瓦以外)に比べても圧倒的に耐用年数が長く、メーカーが30年間保証を付けている製品もあります。
●アスファルトシングル
グラスファイバーというガラス繊維の基板にアスファルトをコーティングし、上から砂粒などを敷き詰めたシート形状の屋根材。とても柔らかく、軽量で加工しやすいことから複雑な屋根の形状に合わせて施工することが可能です。また、表面材は良質のアスファルトを使用しているため防水性が高いです。
おすすめの屋根材
◆街の屋根やさんでおすすめする屋根材をご紹介します(以下製品名)
ハイブリッド瓦(樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦)<ルーガ>
「軽い(平板瓦の半分以下)」「割れにくい」「耐久性がある」ということでコストパフォーマンスに優れています。一枚一枚の屋根材を専用の釘でしっかり固定する独自の工法で、強風による屋根材の飛散やズレ、さらに地震の強い揺れによる屋根材の落下も防ぎます。
※改修工事でルーガを用いた場合、たとえルーガが新品でもメーカーの製品保証(製品本体)が得られないので注意が必要です。ルーガ瓦は施工する業者を限定しています。ルーガを施工する場合は、ルーガショップとしてケイミューから認定される必要があります。私達、街の屋根やさんはルーガショップとして認定されておりますので安心してお問合せください。
従来のスレートのデメリットを解消した屋根材。表面の無機系塗膜「グラッサコート」により、色あせの原因となる紫外線エネルギーを上回る力で分子と分子が強固に結合し、塗膜が傷みにくく、苔も発生しにくくなっています。30年間色褪せないと謳っています。グラッサシリーズは木目調のテクスチャーが特徴。カラーバリエーションが豊富です。
鋼板会社最大手、日本製鉄が開発した「エスジーエル鋼板」。ガルバリウム鋼板(アルミ・亜鉛メッキ)にマグネシウムを加え改良して新しい素材「SGL鋼板」が誕生しました。SGL鋼板は、ガルバリウムの3倍の耐久性を実現し、遮熱性鋼板と断熱材の相乗効果で優れた断熱性能を発揮します。また、耐久性、耐候性、防火性能にも優れています。更に軽量のため、建物の構造に負担が少なく、耐震性に優れているといえます。これまで「ガルバリウム鋼板」では海岸からの距離が5km以上が補償対象でしたが、エスジーエル鋼板では500m以上になり、塩害にも強くなったことでメーカーの保証内容も大幅に引き上げられました。 塗膜と赤錆保証、穴あき保証はそれぞれ5年延長(塗膜15年/赤錆20年/穴あき25年※登録が必要)されています。スーパーガルテクトは「ちぢみ塗装」を採用した、意匠性に富んだ屋根材です。
自然石の粒でコーティングされているため、ガルバリウム鋼板の弱点である防音性や断熱性が改善されています。軽量なため耐震性に優れています。また、耐火性、耐久性能も高いです。外国産で輸入材となるため、金額がややお高くなることがあります。
アスファルトシングル材<リッジウェイ>
芯材にガラス繊維(高耐久ファイバーグラスマット)を用い、基材に耐候性アスファルトを使用しているため防水性が非常に高くなっています。その上に彩色石を吹き付けてあることで緩衝材となり、防音性にも優れています。重量は瓦の約1/4、化粧スレートの約1/2と軽量のため、建物への負担が少なく耐震性に優れています。シート状なので折り曲げたり、曲面に使用することも可能です。
まとめ
屋根の形状は、時代とともに多様化してきており、複雑な形も増えてきました。屋根材も瓦に近づくような耐用年数のものも出てきています。新築以外では、メンテナンスやリフォーム時に屋根のカバー工法だったり、葺き替えで屋根材をご検討されることがあると思います。建物の躯体への負担や屋根の状態で、使用できる屋根材や工法が限られてしまうこともあります。まずは、屋根の専門業者へご相談されるのが一番です。
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