破損した軒樋の状態を点検調査

調査では、軒先に取り付けられた軒どいが金具だけを残して外れている状態が確認できました。

下屋根のラインに沿って等間隔に金具が並んでいるものの、本体が外れたことで雨水を受け止められず、家の外壁にまで飛散してしまう可能性が高まっている状況です。

台風後とはいえ、ここまで変形するケースは珍しく、雨水の滞留が影響したことも調査時点で判明しました。

外壁から伸びるはずの竪樋が根元だけを残して途中で終わってしまっています。

本来であれば下屋根の軒どいへスムーズに接続されるべき部分ですが、経年劣化または過去の台風の影響で欠損していました。

雨水の流れが途切れると屋根材への負担も増すため、早急な延長設置が必要です。

軒樋（のきどい）の補修工事

まずは軒どい本体を外し、古い差し込み金具を丁寧に取り外す作業からスタートしました。

職人さんが金具を一つひとつ緩めますが、長年の使用で固着した部分も慎重に扱いながら作業を進めています。

外した瞬間には溜まっていた雨水が流れ出すほどで、内部にかなりの量が滞留していたことがうかがえました。

金具を外すと共に、軒どい内部に溜まっていた雨水が勢いよく排出されました。

撓みの原因である重量が相当なものだったことが分かります。

既存の軒どいはすでに廃番となっていたため部分交換が不可能で、外周全体を新しい塩ビ製角形へと交換する工事をご提案しました。

職人も慎重に取り扱いながら、降雨時の安全性を確保するための段取りを整えていきます。

完工

新しい差し込み金具を軒先に均等な勾配をつけながら取り付けて、工事は無事に竣工となります、

雨水が滞留しないよう角度を微調整する工程は職人の経験が光る部分で、見えない箇所ながらも住まいの寿命を左右する重要な作業でした。

新しい軒どい本体は軽量で耐候性の高い塩ビ製の角型を採用し、外観とも馴染むよう丁寧に取り付けました。

途切れていた竪樋を延長し、下屋根の軒どいへしっかりと接続して、これまで雨水が落ちていた箇所も改善されました。

元の状態に近づけながらも強度と耐久性を向上させ、今後の台風でも安心して過ごせる仕上がりになりました。
今回の工事で軒どいと竪樋は全体的に生まれ変わり、雨水がスムーズに流れる安全な状態へ復旧しました。

お客様からも「これで安心して台風を迎えられます」とのお言葉をいただき、私たちも胸をなでおろしました。
軒どいの撓みや外れは放置すると落下や雨漏りにつながるため、早めの点検が何より大切です。