外壁の状態を点検調査

モルタル壁は、窓枠の角から亀裂が出ることが多いですが、W様邸では日が当たらない外壁部分に亀裂が生じていました。

モルタル壁は日陰部分でも亀裂が発生しやすい特性があります。

また、周囲に取り合う部材がない位置に生じる亀裂は、外壁材そのものの劣化が進んでいるサインです。

このような状態から、早急に塗り替え工事が必要です。

鼻隠しの入隅にはラインが浮き出ている状態です。
もともと材料同士を合わせている部分のため、ラインが出やすい箇所ではありますが、見た目の印象が損なわれてしまいます。

塗り替えの際には補修工事も行い、ラインを目立たなく仕上げていきます。
また、軒天にも同様のラインが確認でき、塗膜の劣化が進んでいる様子が窺えます。

こちらも塗り替えのタイミングでラインを解消し、より綺麗な仕上がりに整えることができます。

擁壁の表面には汚れが見られました。

擁壁は湿気の影響を受けやすいため、塗膜の劣化や汚れが建物の外壁よりも早く現れます。

また、玄関上にはフラットルーフがあり、FRPによる防水施工が施されていました。

塗り替え工事では足場の設置が必要となるため、防水処理も同じタイミングで進めることで、全体のコストを抑えやすくなります。

パーフェクトトップを用いたモルタル外壁塗り替え工事

塗料を外壁に密着させる為には、表面を清潔な状態に整えることが重要です。

そこで、まず高圧洗浄によって汚れを落としていきます。

ブリックタイルの部分は今回の塗装対象ではありませんが、周囲の塗り替えに合わせてバイオ洗浄を行い、全体としてきれいな状態に仕上げます。

併せて、玄関まわりの床も同じ工程で清掃を進めます。

外壁の塗装工程に入ります。

最初に下塗りを行い、上塗り材がパーフェクトトップのため、専用下塗り材であるパーフェクトフィラーを塗布します。

パーフェクトフィラーは、塗り重ねまでに最低4時間の乾燥時間が必要です。

下塗りの乾燥を確認したうえで、次はパーフェクトトップを用いた中塗り作業していきます。

パーフェクトトップの塗り重ねには、最低3時間の乾燥が必要です。

十分に乾燥していることを確認したのち、上塗りとして再度パーフェクトトップを施工します。

今回の色は、現状と同じJP2023を選定しました。

色味は同一ですが、塗料による仕上がりとなるため、既存のようなザラつきは収まり、より滑らかな表面になります。

また、通常の艶ありでは光沢が強く出るため、落ち着いた印象となる3分艶を採用しています。

IPヨウヘキコートを用いた擁壁塗り替え工事

擁壁については、専用塗料を使用して施工します。

高圧洗浄の後に下塗りを行い、上塗り材にはIPヨウヘキコートを使用します。

これに合わせ、専用の下塗り材であるIP含浸シーラーを用いて仕上げていきます。

IPヨウヘキコートは、名称から擁壁専用の塗料と思われがちですが、湿気の影響を強く受けやすい場所に幅広く使用できる塗料です。
住宅の基礎や塀などにも適しており、しっかりと効果を発揮します。

今回の色は、外壁と同じJP2023を採用しました。
この塗料は粒子が非常に細かいため、塗りやすく、細かな凹凸もなめらかに整えることができます。

さらに「藻（も）・苔（こけ）・カビ」に対して強い耐性があり、長期間にわたり美観を維持しやすいメリットがあります。
仕上げとして上塗りを2回行い、十分な膜厚を確保します。

建物外壁用の塗料と比べると、もともとのザラついた質感が残る仕上がりとなります。

バルコニー（床）塗装工事

こちらのバルコニーには平板ブロックが敷かれていますが、その下にはFRPの防水層が施工されています。

平板ブロックを取り外すと、下からFRPが現れます。

今回は、このFRP部分にトップコートを施していきます。

まず高圧洗浄で汚れを落とし、しっかり乾燥させたうえで、塗装に適した状態をつくるためのプライマーを塗布しました。

プライマーの上から、FRP専用のトップコートを2回重ねて仕上げていきます。

今回使用したプライマーは東日本塗料の「塗り替えプライマーエコ」、トップコートは同じく東日本塗料の「エコトップ」です。

トップコートが十分に乾燥したら、平板ブロックを元の位置に戻して作業完了となります。

なお、この平板ブロックには、取り外しができないタイプも存在します。

工事前に状況を確認しておくことが重要です。

付帯部塗装工事

破風の継ぎ目にはシーリングを充填し、塗装前の下地処理を行います。

塗装後は継ぎ目のラインが目立たなくなります。

その後、下塗りを実施します。

瓦に近い箇所については、接触や損傷を避けるため細心の注意を払って作業を進めます。

中塗りと上塗りを行い、徐々に外壁と同じ色に仕上がってきました。

白やアイボリーの色味は近くで見ると変化が分かりますが、足場を外して遠くから見ると違いが分かりにくい場合もあります。

軒天や継ぎ目にはシーリングを施し、塗膜割れによってラインが出やすい箇所は事前に埋めて目立ちにくくしています。

下塗りを行います。

穴の部分を塗膜で塞がないように塗るかどうかは職人の技術にかかっています。

単に塗るだけでなく、今後の耐久性も考え、細部まで丁寧に施工します。

こうしたひと手間を重ねることで、少しでも長く美しい状態を保てるよう仕上げています。

下塗りの乾燥を確認したうえで、上塗り作業に移っていきます。

上塗りが無事に完工しました。

最後に仕上がりを確認したうえで、問題が無ければ、塗装作業はすべて終了とります。

コーキングの跡も目立たなくなっており、綺麗な仕上がりとなりました。

完工

この度はご利用いただき、誠にありがとうございました。
電話で娘さんと入念に打ち合わせができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

定期点検で再度お伺いする際には、娘さんの成長も拝見できると思うと、次回の楽しみです。
また、ご近所の方と一緒に防水のメンテナンスを行うご予定と伺いましたが、どうぞご安心ください。

作業はまだ先になりますので、まずは定期点検の際にしっかり確認させていただきます。