木更津市潮見に工場を運営している会社様からのご依頼でした。

　工場屋根から雫が落ちてくるとの事で原因を調査してもらいたいと私達、街の屋根やさんにご依頼をいただきました。

まずは現地調査の実施

　今回は工場ということもあり、目視ではなかなか確認が取れないことから、赤外線カメラを使用して現地調査をいたしました。

　お客様のお話ですと天井が高いこともあり大体の場所しかわからないとの事でしたが、雨が降ると最近になりますが床に水たまりができてしまうとの事でした。

赤外線カメラでの現地調査

　赤外線カメラは目で見ることができない個所を可視化できます、今回は温度差で可視化するサーモ

雨漏り原因の追究

　工場ということもあり、直接屋根に上がり当てもなく調査しているとわからないことが多くありますが、赤外線カメラで場所の特定ができていましたので、屋根の不具合が瞬時にわかりました。

　原因は以前修理した明かり窓を設置する際、下部の屋根建材を止めるためにビスが直接打ち付けていましたが、長さが足りなかったのか雨水の通り道に当たる凹部分にビスが撃ち込まれていました。

　コーキング処置をしていましたが劣化してしまい雨水を止めることができなくなり、最近になり雨漏りが生じるようになってしまったものでした。

補修工事開始状況

　屋根は大波スレートになっておりましたが交換するにも、当時の大波スレートにはアスベストが混在していることから、撤去工程と処分費に大きな工事費が発生してしまいます。

　今後古くなった倉庫の改修工事も予定していることから、現在の雨漏りを止めてもらいたいとの事で、コーキング処理により補修という形の工事項目になりました。

　まずは古くなってしまった大波スレートに直接コーキング処理でも瞬間的に雨漏りは止まりますが、少しでもプロとしては長持ちさせたい言う思いからしっかりとケレン作業をして汚れをお問うことから工事がスタートいたします。

プライマーの重要性

　ケレン作業が終わり部分的に清掃し、このままコーキングを塗ってしまうとコーキングはすぐにはがれてしまいます、ここでプライマーを塗布します。

　プライマーは既存建材とコーキングを密着させる簡単に言うとボンドの役割になります、液体でない汎用性のコーキングなどは特に既存建材に密着することが難しく仕上がりにもかかわってきます。

　本体であればプライマー塗布はマスキングテープを張り必要な場所のみプライマーをいたしますが、大波スレートの表面が非常に劣化して汚れがひどいこともあり、必要以上にプライマーを塗布してからマスキングテープを張る工程を変えております。

　マスキングテープを張り、コーキング範囲を決めます。

　マスキングテープとは覆い隠すこと、包み込む事という意味があり、一般的な塗装工事などで非塗装部分を保護したりする養生テープになります。

　テープにも色々な種類があり、建材によって粘着度が異なるテープを使用して建材や塗装面を汚さないように種類が分かれております。

コーキング処理

　大波スレート建材は山なりにウェーブしており高いところと低いところがありまして、平部分を作らないことで雨の音をかき消す構造になっております、基本的にへこみ部分に雨水がたまり排水されますが、今回低い部分にビス打ちされていたことが原因で、雨漏りが生じました。

　ただコーキングの耐候年数を少しでも上げようと厚く全体的に塗布してしまうと、排水を妨げる事になってしまうためビス部分のみ厚塗りをして、雨水の排水を極力妨げないようにコーキング処置をしております。

補修工事完成

　今回の工事では今後改修工事も計画があるとの事でしたので、あくまでもコーキング補修工事になり、工事費用は税込み39,000円で雨漏り補修となりました。

　劣化も進行してきていますので、完全に止めるには、大波スレートの交換をお勧めいたします。

　雨漏りが生じていると少ない量だからと言い軽視してしまう事が多くありますが、屋根の構造に甚大な被害が出てしまうケースもあります。

　見えない被害が一番怖い部分になりますので、まずは専門知識があるしっかりとした業者さんをお選びになることをお勧めいたします。