更新日:2015年8月25日
近年では海外での日本ブームも相まって、外国人観光客が2013年にはおよそ1036万人にもおよぶ方々が日本へ訪れました。
ここ最近では、アニメ、漫画、音楽、ファッションなどのサブカルチャーに注目が集まっていますが、四季や趣きを感じられる日本の歴史的な建造物や幻想的な景観も日本を観光するうえで魅力的な一部です。
海外から訪れる観光客にとって人気の高いスポットと言えば、広島県の宮島は水上に鳥居が浮かぶ不思議な絶景を見れるスポットとして、世界的に見ても人気があります。
こうした日本の歴史的な建築物をクールだと感じる方が多い事を受けて、日本独自の【鎖樋】が海外から注目を集めています。
鎖樋とは主に寺院などで使われている雨樋の一部で、軒樋で集めた雨水を地上へ排水する役目を持っています。特徴としては通常の雨樋ですとパイプ状の樋を通り雨水を地上へ排水するのに対して、鎖樋は鎖に雨水を伝わらせて雨水を地上へと排水します。
雨水が鎖を伝わり排水される様子は、情緒を誘い雨を楽しむエクステリアとしても扱われています。海外では見慣れない日本的な和風のデザインを好む建築士や個人などに人気があるようです。
一方で、まだまだ課題も多くフィリピンやタイなどのASEANに属する地域ではスコールが多く、鎖樋では対応できない。シンガポールでは雨樋を使わない文化で住宅が建てられており、デング熱を媒介する蚊の発生を防ぐため水たまりを作らない事が規制で定められているなどネックになることも多いと言われています。
しかし、中国などでは風水を重んじる文化があり、水=富との考え方があるため、鎖樋の優れたデザイン性から水を流す室内装飾として使われ方もあるようです。
こうした世界の文化、風習などに鎖樋が受け入れられる日が来れば、世界の景色にそっと日本の文化が紛れ込む様子が見られるようになるかもしれません。
日本の美しい景観は建築物の細部にまで情緒的な趣きを感じられる細やかさがあってこそだと思います。優れた文化はぜひ後世にも残していきたいものですね。
お住まいの屋根、雨樋などの細部修理に関する事でしたら、調査、点検、見積もりを無料で承ります。ご相談は0120-989-742までお気軽にご相談ください。