外壁の状態を点検調査

アパートは築24年の建物です。

「見学に訪れる方に清潔感を感じてもらえるよう、リニューアルにしたい」とのご希望を承りました。

今回のアパートは築２４年で、2回目のリニューアルです。

まずは、外壁の劣化状況を確認しました。

壁面に触れると指に白い粉が付着しました。

これはチョーキングと呼ばれ、塗膜の劣化を示しています。

シール（シーリング）の表面も塗装されていますが、シール部分の塗膜だけが著しく変色していることが確認できました。

表面に亀裂が入っており、雨が降ると雨水が浸入して、外壁に新たな亀裂を生じさせる恐れがあります。

調査時には、外壁材とサッシの取り合い部分の確認が欠かせません。

異なる材料同士のため、経年により亀裂や隙間が発生しやすい箇所です。

今回も隙間が確認されましたが、このような隙間から雨水が浸入すると、外壁材の裏側で劣化が急速に進む恐れがあり、注意が必要です。

シール表面の塗膜が剥がれ、シール自体が露出している状態でした。
このままでは雨水が直接浸入し、シール（シーリング）の劣化が早まります。

塗膜剥がれはシールだけでなく、外壁材に亀裂が生じる可能性もあるため、シールの打ち替えと塗装が必要です。
外壁材に亀裂が発生してしまうと、補修や外壁の交換が必要になり、余計なコストがかかります。

なので、早めのメンテナンスが重要です。

下地処理

高圧洗浄

まずは外壁の洗浄です。

今回はリニューアル感を高めるため、基礎部分を特に丁寧に清掃します。

強力な洗浄剤を基礎に浸透させた後、高圧洗浄を実施します。

洗浄剤を浸透させて時間を置くことで、汚れがより効果的に落ちます。

階段や上裏も同様に、洗浄剤を使用した後に高圧洗浄を行います。

また、外壁も洗浄していきます。

シーリング処理

シリーズ処理作業に移っていきます。

外壁については、シールを打ち替えるため、まず既存のシール（シーリング）を取り除きます。

撤去した溝には、プライマーという接着剤を塗布します。
塗布が不十分だとシールの早期剥離につながるため、丁寧に塗ることが重要です。

その後、シール（シーリング）を充填します。
マスキングテープでラインを整えながら押し込みます。

押し込むと一時的に溢れて見えますが、表面をコテで均し、マスキングテープを外すときれいな仕上がりになります。

付帯部塗装工事

幕板の塗装を行います。
高圧洗浄でも落ちない汚れは、ケレン作業で除去してから塗装します。

まず下塗りを行い、付着性を高めます。
その後、塗装を2回（中塗り・上塗り）行います。

今回はファインウレタンU100を使用しました。
色は、アパートのバルコニー手すりや腰壁、雨樋に使用されている白に合わせ、近似色のND-105を選定しています。

破風板や鼻隠しも、ファインウレタンU100のND-105で塗装します。

板のつなぎ目には隙間ができるため、シールで埋めてから塗装を行いました。

幕板と同様、上塗りは2回行い仕上げます。

建物を美しく見せるには、外壁の色とのバランスを考え、破風や幕板などの横ラインを丁寧に塗装することが重要です。

外壁塗装工事

白く塗布されているのは外壁の下塗り材で、パーフェクトフィラーを使用しました。
ひび割れへの追従性に優れ、密着性も高い下塗り材です。

従来の微弾性フィラーに比べ、光沢のある仕上がりになります。
下塗りが完了し乾燥後、中塗りを行います。

中塗りには上塗りと同じ塗料を使用します。
下塗りと上塗りの中間層として、平滑な下地を作ると共に上塗り材を補強する役割を果たします。

最後に仕上げとして上塗りを行います。

色ムラが出ないよう丁寧に塗装します。

今回「中塗り・上塗り」に使用した塗料は、パーフェクトトップのND-322です。

完工

外壁の塗装工事が無事に完工しました。

このたびはご依頼いただき、誠にありがとうございました。

白のラインが際立ち、すっきりとした外観に生まれ変わりました。

基礎も新築時のような状態になり、入居者を迎える準備が整いました。

また、毎回の打合せの際にいただいたイチジクの砂糖漬け、とても美味しくいただきました。

ありがとうございました。

次回の定期点検でお会いできるのを楽しみにしております。