「外壁・屋根」の状態を点検調査

横浜市磯子区のＹ様宅は、ラップサイディングで仕上げられた外壁です。
ラップサイディングとは、板を一枚ずつ重ねて張っていく工法で、欧米の木造建築では長い歴史を持つ手法です。

日本ではあまり見られないため、街中で目に留まりやすく、特徴的な模様と重なり部分のくっきりしたラインが、どこか素朴な印象を与えます。
Ｙ様宅は築17年が経過しており、外壁に少しずつ傷みが見られる状態でした。

建物はコーキングが劣化しており、サイディングとの間に隙間が生じていました。

サイディング自体に大きな割れはありませんが、表面にはひび割れのような模様が多く見られます。

また、サイディングの端には欠けやすい箇所もあり、全体的に劣化が進んでいました。

下地処理

高圧洗浄

屋根や外壁の塗装を行う際は、まず塗装面を綺麗にすることから始めます。

屋根や外壁だけでなく、付帯部やトップライトも同時に清掃します。

この高圧の水を使い、汚れや苔、カビをしっかりと洗い流す作業を「高圧洗浄」と呼びます。

ケレン作業後にタスペーサー設置

屋根や付帯部の金属部分には、ケレン作業を行います。

この作業によって、高圧洗浄で落としきれなかった汚れや表面の劣化部分を取り除き、塗料の密着性を高めます。

また、化粧スレートの上下の重なり部分にはタスペーサーを差し込み、通気性を確保します。

屋根塗装工事

屋根の「下塗り」作業

屋根塗装を進めていきます。

棟板金やケラバ水切りなどの金属製部分には、下塗りとして錆止め塗料を塗布します。

化粧スレートには、専用の下塗り材を使用して塗装します。

今回は、それぞれの部分がわかりやすいように、色を分けて塗りました。

屋根の「中塗り・上塗り」作業

下塗りが乾燥したら、次は同じ塗料材を使って「中塗り・上塗り」を行います。

下塗りの白色や錆止め塗料の赤色が見えなくなるまで、しっかりと塗り込んでいきます。

中塗りも乾燥を確認してから、上塗りに進みます。

屋根の「中塗り・上塗り」には、耐久性と遮熱性に優れた「サーモアイ４Ｆ」を使用しています。

外壁塗装工事

サイディング外壁にコーキング処理

サイディングの外壁は、塗装に入る前にコーキング作業を行います。

サイディング同士の継ぎ目にある既存のコーキングを撤去し、マスキングテープで養生します。

その後、溝にプライマーを塗布してから新しいコーキングを打ち込む作業です。

最後に、打ち込んだコーキングはヘラで均して表面を整え、マスキングテープを取り外します。

サッシまわりのコーキングは、打ち増しの方法で補強します。

まず既存のコーキング表面をきれいにした後、マスキングテープで養生してプライマーを塗布します。

その上から新しいコーキングを打ち込み、既存のコーキングの上に重ねる形で仕上げます。

付帯部の塗装作業

屋根の板金部分と同様に、付帯部の金属製部分もケレン作業を行った後、下塗り材として錆び止め塗料を塗布します。

横浜市磯子区のＹ様宅では、軒下換気口やフード、基礎水切り、シャッターBOXが金属製でした。

錆び止め塗料が乾いたら、次は「ファインSi」を塗布します。

中塗りと上塗りの、合計2回の塗装です。

付帯部には外壁用塗料ではなく、さまざまな場所に使えるオールマイティな塗料を使用しています。

「ファインSi」は、耐久性に優れたシリコン系塗料です。

外壁の「下塗り・中塗り」作業

ラップサイディングの塗装を進めていきます。

まず下塗り材の「パーフェクトサーフ」を使用し、既存の色が見えなくなるまでしっかり塗布します。

下塗りが乾燥したら中塗りに移り、「パーフェクトトップ」を使用して塗装します。

中塗りも、下塗りの白色が見えなくなるまで丁寧に塗り込んでいきます。

外壁の「上塗り」作業

中塗りが乾燥したら、再度「パーフェクトトップ」を使用して上塗りを行います。

ラップサイディングは1枚ごとに下端が見える構造のため、平らに張られたサイディングに比べて塗る面積がやや広くなります。

そのため、外壁全体の塗装に比べて使用する塗料の量も若干増えます。

下塗り材、上塗り材のいずれも同様です。

完工

横浜市磯子区のＹ様宅の屋根塗装と外壁塗装が完了しました。
ラップサイディングの外壁も美しく仕上がり、表面が生まれ変わったかのように艶やかになりました。

屋根塗装には「サーモアイ４Ｆ」のクールダークチョコレートを使用し、外壁のラップサイディングには「パーフェクトトップ」のND-342を塗装しました。
付帯部には「ファインSi」のND-105を使用しています。

この度は施工をご依頼いただき、ありがとうございました。