棟瓦の釘が浮き上がる原因とは？

◆現場調査の様子◆

そもそも棟瓦の釘はなぜ浮きあがってしまうのでしょうか？
まずは棟瓦の固定方法からお伝えしていきます。

平板瓦の棟瓦の固定方法（例）

断面図（㈱鶴弥様　マニュアル抜粋）のとおり、棟瓦（冠瓦）は「棟垂木」に固定されています。
図ではねじになっていますが築２０年以上経っているお住まいですと、ねじではなく釘が使われていた時代もありました。
また

棟垂木は棟金具という金具で躯体である垂木と繋がっています。
こうする事により躯体と瓦が一体化され頑丈になるといった考え方です。

釘が浮き上がってしまう要因とは？

要因①
台風などの強風や地震などの揺れで棟瓦が何度も何度も揺れ動き、少しづつ釘を浮き上がらせてしまう

要因②
しっくい（なんばん）の塗り込みが細い為棟瓦の座りが悪く、要因①を増長させてしまう

要因③
わずかでも浮き上がってしまった釘穴から水が侵入し、棟垂木を痛めてしまう
これにより釘の保持力が下がり、要因①を加速させてしまう

要因④
固定用の釘に付いていたパッキンの経年劣化により要因③の状態をつくってしまう

台風並みの強風が吹いても安心な棟とは？

まずは棟瓦を留める為の下地が肝心です。
先ほどの断面図の通りなのですが、ステンレス製の「棟金具」を野地板の下にある垂木へと届かせて固定します。
そしてその金具に「樹脂製棟垂木」もしくは「防腐処理済み棟垂木」を留め付けます。

◆棟瓦の台風対策にはコチラでも触れています◆

棟の納め方には２種類あります

専用の防水シートを使った「乾式工法」となんばん漆喰を使った「湿式工法」があります。

乾式工法の利点はその軽さです。
湿式工法はなんばん漆喰の重量がメートル当たり15㎏前後加わります。
その点、乾式工法に使用される防水シートは0.5㎏ほど。
その差は歴然ですね。

対して湿式工法にも利点はあります。
それは瓦の座りの良さ。先ほども触れましたが、棟瓦は風などで揺れます。したがって座りが悪いと揺れ幅も大きくなります。
塗りすぎも良くありませんが、適度に塗る事により座りが良くなり棟瓦が安定します。

固定にはパッキン付きステンレスビスを使用することで揺れても緩んでくることは無くなりますよ。

◆瓦の軽量化についてはコチラをご覧ください◆

棟瓦に不安を感じたらご相談ください！

合わせて棟換気部材を取り付けて、小屋裏の湿気を逃がし暑さ対策や湿気対策を施すこともオススメしますよ！

◆棟換気についてはコチラもご覧ください◆

今回は軽微な補修をご希望でしたので棟瓦の釘増し打ち工事を行い￥16，500(税込)となりました。
有難うございました！

近いうちに棟瓦へのパッキン付きビス打ち替え工事をおすすめさせて頂きました。
また棟下地の状況によっては下地交換も必要になるかもしれない旨をお伝えしました。

「街の屋根やさん　豊橋店」では建物の外回り（屋根・外壁・雨樋など）のお困りごとを解決しますよ。
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