更新日：2021年12月27日

　私たち街の屋根やさんでは、瓦屋根のメンテナンスについても数多く対応させていただいております。採光を目的として天窓（トップライト）が設置されている屋根を見かけることがありますが、その多くは瓦屋根以外のスレート（コロニアル）などの屋根かもしれません。今回は、たまにお問合せをいただくことがある「ガラス瓦」について簡単にご紹介します。

明かり採り

　 　壁面にある窓は、一方方向のみ光が入り、その範囲は窓周辺だったり、時間帯が限られてしまいます。これに対し、天窓は上から光が降り注ぐため、建物の内部まで明るく照らしてくれます。そして、昼間はほとんどの時間帯で一定の自然光が得られます。さらに、曇りの日でも光が入るため、日没まで照明がなくても過ごすことも可能です。

ガラス瓦

　 　「ガラス瓦」とは、その名の通り「ガラス」の瓦です。材質は「ホウケイ酸ガラス」が使用されています。ホウケイ酸ガラスは、耐熱ガラス・硬質ガラスとして代表的な存在で、熱膨張率が低く一般のガラスに比べて熱衝撃に強いのが特徴です。耐熱性・耐薬品性に優れていることから、理化学器具や台所用品などに用いられています。ビーカーや耐熱食器というと分かりやすいですね。

ガラス瓦で明り採り

　 　天窓（トップライト）を設置する場合、屋根に穴を開けて窓をはめ込んで設置します。屋根材と天窓の異素材が接する部分には雨仕舞（あまじまい）を行い、水分の浸入を防ぎます。しかし、経年によって徐々に雨漏りのリスクが高くなってしまいます。 　瓦屋根にガラス瓦を取り付ける場合、ガラス瓦と、雨仕舞が出来る下地ユニットの組み合わせで設置します。ガラス瓦は、普通の瓦と同様、野地板部にほとんど雨を浸入させません。また、野地板部では下地ユニットで雨水の浸入を防ぎます。二重防水の安心できるシステムです。ガラス瓦は、既存の瓦と同じ形状のため、屋根から出っ張ることなくスッキリ納まります。（AGC瓦屋根用天窓：ガラス瓦採光システムを使用した工事）