更新日：2021年07月30日

　千葉市若葉区千城台にお住まいのお客様より「強風で棟板金が落下した」とのご連絡をいただき現地調査へ伺いました。棟板金は屋根の面と面が合わさる部分「棟（むね）」を覆っている部材です。化粧スレート（コロニアル）屋根の場合は金属の板で、瓦屋根の場合は棟瓦（むねがわら）で覆っています。今回は飛散した棟板金の点検結果についてご報告します。

棟板金の状況確認

　落下した棟板金は、屋根のてっぺんにある大棟（おおむね）から下方向に向かっている「隅棟（すみむね）／下り棟」部分でした。内部にある木材の貫板（ぬきいた）がむき出しになっていました。この状態でも、屋根材の下に敷かれた防水紙に不具合や破損が無く、きちんと機能していれば直ちに雨漏りが発生することはありません。屋根のいたるところで、劣化によるスレート材の反りが発生していました。化粧スレート材は、紫外線や雨風、経年により 劣化します。表面の塗膜が剥がれてくると、水はけが悪くなりスレート材自体が水分を含むようになります。この状態を放置していると、膨張して反りが発生したりヒビが入りやすくなってしまいます。

詳しく点検

　貫板は水分を含んだりしていますが、腐食までは劣化が進行していない様子でした。腐食等、劣化が進行している場合は、亀裂が入ったり、柔らかくなる等で貫板ごと飛散してしまうこともあります。これまで貫板には木材が多く使用されてきました。近年では、木材に代わり腐食に強く耐久性もある樹脂製の貫板が使われることも多くなりました。私たち街の屋根やさんでもおすすめしています。飛散等していない他の棟板金も確認したところ、釘が浮いてきていたり、棟板金が浮き始めている箇所が確認出来ました。

化粧スレートの状態

　ヒビ割れが発生している箇所を確認しました。塗膜が剥がれた屋根が水分を含み、黄色の苔と黒いカビも発生している状態でした。屋根材の反りも多く発生しているため、塗装によるメンテナンスはおすすめできません。点検の結果、屋根カバー工法によるメンテナンスのご提案となりました。防水紙の耐用年数は種類や環境にもよりますが20年前後です。10年経過した頃から劣化が始まるともいわれています。屋根カバー工法では、既存の屋根材に新しい防水紙を敷き、その上に新しい屋根材を被せます。塗装工事や葺き替えよりも短期間で施工できますので、施工中における生活のご不便も短く済みます。

　私たち、街の屋根やさんでは、新型コロナウィルス感染予防のため、訪問させていただく際は、手指の消毒・マスクの着用をはじめ、ソーシャルディスタンスを守るよう徹底しております。
※現在「zoom」でのお打ち合わせも承っております。是非、お気軽にお問い合わせください。