更新日：2021年05月15日

品川区戸越で瓦屋根の点検・メンテナンスをお願いしたいということでご連絡をいただきました。お客様が点検を検討するきっかけとなったのは瓦に目立ち始めた苔だという事でした。それでは早速見ていきましょう。
　

　
屋根材はいぶし瓦です。素材としての耐久性は屋根材の中でも一、二を争うのがいぶし瓦です。「瓦」と付く名前の屋根材は様々ありますがその中でも日本瓦の一つでもあるいぶし瓦は長いと50年ほどの耐久年数を発揮します。ただしメンテナンスフリーかと言えばそうでもないため、定期的な屋根の点検は必要となります。今回はまさにそうした状況にある瓦屋根と言えるでしょうか。

苔はなぜ生えるのか？

苔が繁殖しているのがお分かりいただけると思います。スレート屋根やセメント瓦など水を吸収しやすい屋根材ではよく聞く話ですが、実はいぶし瓦でも条件が揃えば発生します。水分や湿気があるという条件、そこに日当たりの悪さや長年放置されていたことによってここまでの状態になってしまったものと考えられます。

洗浄して洗い流してあげましょう

　
波型の形をしている瓦ですが、波のへこみ部分や小口部分（瓦の切口部分）に苔が集中しているのがわかります。特にこうした場所は水が滞留しやすい場所であるため苔が生えやすくなります。対処法としては洗浄によって綺麗に洗い流すということが考えられます。スレートやセメント瓦であればその後に塗装を行う必要がありますが、いぶし瓦は塗装を行いませんので洗浄のみを行いリフレッシュしてあげます。

思い切って葺き替えも選択肢の一つ

少し大げさに聞こえるかもしれませんが屋根葺き替えも選択肢の一つです。
葺き替えというと屋根材ごと真新しくするリフォームですが、特に瓦屋根にお住まいの方で耐震に興味がある方にはお勧めです。瓦の意匠が気に入っていらっしゃる方はハイブリッド瓦、最も軽くしたい方には金属屋根などの選択肢があります。屋根を軽くすることで揺れに強いお住まいへと生まれ変わらせることができますのでこのような知識もぜひ覚えておいて損はありませんね。
　

　
破風（はふ）も一緒に確認しますと、破風から見える下地が雨にやられて腐食が進んでいることがわかります。先述の葺き替えるべきかどうかはこうした部分も考慮して判断を行う必要があります。表面に見える苔は遠目から見ても非常にわかりやすいですのでご自宅の屋根をご覧いただき苔がでている、苔が生えて心配、という方はご遠慮なくご相談いただけたらと思います。