瓦屋根の寿命を延ばす!正しい漆喰補修のタイミングと方法
更新日:2025年12月26日
こんにちは、「街の屋根やさん」です。
立派な瓦屋根。耐久性が高く、日本の気候風土に合った素晴らしい屋根材です。
しかし、瓦自体はとても丈夫でも、それを支えている部分には定期的なお手入れが必要なことをご存知でしょうか?
特に見落としがちなのが、「漆喰(しっくい)」と呼ばれる部分です。
「えっ、屋根に漆喰なんて使われているの?」と思われた方もいるかもしれませんね。
普段はあまり意識することのない場所ですが、実は瓦屋根の健康を保つために非常に重要な役割を担っています。
この漆喰が劣化してしまうと、最悪の場合、雨漏りや瓦の落下といった大きなトラブルにつながりかねません。
今回は、瓦屋根のお宅には欠かせない、漆喰補修について、その重要性やタイミングを専門用語を使わずにやさしく解説していきます。
瓦屋根のお住まいの方は、ぜひご自宅の屋根を見上げるきっかけにしてみてください。
瓦屋根の「漆喰(しっくい)」ってどこのこと?役割を解説

まず、瓦屋根のどこに漆喰が使われているのかをご説明します。
屋根のてっぺんにある、かまぼこ状の箇所を
「棟(むね)」と呼びます。 この棟と、
平らな部分の瓦との隙間を埋めるように塗られている、白い色の素材が漆喰です。
また、鬼瓦(おにがわら)と呼ばれる、棟の端にある装飾的な瓦の周りにも使われています。
漆喰の主な役割は、以下の2つです。
1つ目は、
「防水」です。 瓦と瓦の隙間を埋めることで、雨水が屋根の内部に侵入するのを防いでいます。
2つ目は、
「接着剤」としての役割です。 棟の瓦が強風や地震でズレたり崩れたりしないように、しっかりと固定しています。
つまり、漆喰は「屋根の内部を守る門番」であり、「瓦を支える縁の下の力持ち」なのです。 ほんの少しの量ですが、お家を守るために無くてはならない存在と言えます。
見逃してはいけない!漆喰の劣化サインと放置するリスク
漆喰は、消石灰(しょうせっかい)を主原料とした自然素材です。 そのため、
瓦のように何十年も持つわけではなく、紫外線や雨風の影響で少しずつ劣化していきます。
一般的な寿命は、環境にもよりますが約10年~15年と言われています。
では、どのような状態になったら漆喰補修が必要なのでしょうか。 地上から双眼鏡などでチェックできる劣化サインをご紹介します。
● ひび割れ・
剥がれ:表面に亀裂が入っていたり、部分的に剥がれ落ちていたりする。
● 変色・
黒ずみ:真っ白だった漆喰が、黒っぽく変色したり、コケが生えていたりする。
● 中の土が見えている:漆喰が崩れて、その中にある茶色の土(葺き土)が露出している。
これらの症状を「まだ大丈夫だろう」と
放置するのは非常に危険です。
漆喰が崩れると、そこから雨水が入り込み、中の土を流してしまいます。 土台がなくなると、棟の瓦がズレたり、歪んだりして、最終的には雨漏りや、強風時の瓦の落下につながる恐れがあります。
小さな崩れが、大きな被害の入り口になってしまうのです。
漆喰補修の種類①:比較的軽傷なら「詰め直し(詰め増し)」

瓦屋根の漆喰補修には、大きく分けて2つの方法があります。 劣化の進行具合によって、適切な方法が異なります。
まず一つ目は、
「漆喰の詰め直し(詰め増し)」工事です。
これは、既存の
古くなった漆喰を取り除き、
新しい漆喰を塗り込む方法です。 (※古い漆喰の上から薄く塗り重ねるだけの「上塗り」は、すぐに剥がれてしまうため推奨しません。しっかり取り除くことが重要です。)
この方法は、漆喰の表面が劣化しているだけで、
中の土台(葺き土)はまだしっかりしている場合に有効です。
比較的軽傷な段階で行うメンテナンスであり、工事費用や期間も抑えられます。 築10年~15年程度で、初めてのメンテナンスという場合は、この方法で済むことが多いでしょう。
早めに対処することで、大掛かりな工事を防ぐことができます。
漆喰補修の種類②:重症なら「棟瓦の積み直し(取り直し)」

二つ目は、
「棟瓦(むねがわら)の積み直し(取り直し)」工事です。
これは、
漆喰の劣化を長期間放置してしまい、中の土が流出して土台が崩れてしまっている場合や、棟の瓦自体がズレたり歪んだりしている場合に行う大掛かりな工事です。
一旦、棟の瓦をすべて解体・撤去します。 そして、崩れてしまった土台を新しく作り直し(最近では土の代わりに、腐らない「南蛮漆喰:シルガード」という材料を使うことが一般的です)、再び瓦を積み上げて、最後に表面をきれいな漆喰で仕上げます。
費用は詰め直しよりも高額になりますが、棟を根本から作り直すため、
瓦屋根の耐久性と耐震性は大きく向上します。
雨漏りが発生している場合や、築20年以上何も手入れをしていない場合は、こちらの工事が必要になる可能性が高くなります。

最後に、瓦屋根の漆喰補修を依頼する際の注意点をお伝えします。
残念なことに、
屋根の知識が少ないお客様の不安を煽り、不要な高額工事を契約させようとする悪質な訪問業者が後を絶ちません。
「近くで工事をしていたら、お宅の漆喰が崩れているのが見えた。今すぐ直さないと雨漏りしますよ!」
突然やってきて、このように急かす業者には特に注意が必要です。
屋根に登らせてしまうと、わざと瓦を割ったりするケースも報告されています。
その場では絶対に契約せず、「家族と相談します」とはっきり断りましょう。信頼できる業者は、必ず事前に
丁寧な点検を行い、現在の状況を
写真や動画で見せてくれます。 そして、「なぜその工事が必要なのか」「詰め直しで良いのか、積み直しが必要なのか」を納得できるまで説明してくれます。
私たち「街の屋根やさん」では、お客様の不安を取り除くことを第一に考えています。
瓦屋根の白い部分、漆喰は、お家を雨漏りから守る大切な「
砦(とりで)」です。
普段は見えにくい場所ですが、10年~15年を目安に、劣化が始まっていることを意識してあげてください。
「うちの屋根の白いところ、大丈夫かな?」と気になった方は、ご自身で屋根に登らず、必ず専門家に相談しましょう。
私たち街の屋根やさんでは、経験豊富なスタッフによる
無料点検を実施しております。
瓦屋根のメンテナンスをご検討中の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。 大切なお家を守るために、最適な方法をご提案させていただきます。
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